第1840話、わたくし、『ユーフ○』は久○子だけでは無く、麗○との『二人の成長物語』だと思いますの☆【後編】
「……つまり私にとっては、今や麗○そのものが、私の『楽器』みたいなものなんだよ♡ どこをどう突けば、どんな音色で鳴いてくれるのか、身体の隅々まで熟知していたりして♡♡ ほら、私の可愛い『トランペットちゃん』、いつものように鳴いてみ♡♡♡」
「──ああんッ! 嫌、やめてえ! 人前で、これ以上深いところまで、奏でないでッ!………………続きは今夜、私の家でやりましょう♡♡♡♡♡♡」
……私たちは一体、何を見せられているのだ?
──だがこれで、すべての謎が解けた。
さっきの演奏が、あんなにも『エロティック』だったわけだ。
あいつらって、合奏を始めたら、完全に二人だけの世界に浸ってしまって、睦み合い始めやがるんだ。
もはやオーディションでも、高校の吹奏楽の部活でも無え。
ガチの、二人の少女の、『魂の交歓』なんだ。
……そりゃあ、魂レベルでお互いのことを知り尽くしているのなら、実力以上の力を引き出せて当然だろうよ。
「──と言うことで、高坂さんのお相手は、もはや黄前さんしか考えられないので、ユーフォのほうのソリも決定したわけですが、黒江さん、何か異論は有りませんか?」
いかにも一応顧問の責務として、今まで完全に蚊帳の外にほったらかしにされていた、もう一人の選考対象者に対して、最終確認をするタ○先生────であったが、
「……お願い、久○子ちゃん、私もあなたの『楽器』にしてえん♡♡♡」
──って、おまえもかよ⁉
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
ちょい悪令嬢「──いやあ、凄い! うちの作者って、ガチで『天才』だし、他人様の作品にかかわらず、『物語』と言うものを誰よりも深く正しく理解できる、真の『洞察力』の持ち主だわ! もはや某五流脚本家なんて『無能』過ぎて、全然太刀打ちできないわ! ──まさか、例の超問題の『原作改悪』第12話の放映直前にWeb公開した、本作の第1833話が、まさしくその第12話を論理的に『全否定』していたなんて☆」
メリーさん太「うおっ、何だ⁉ まあた、『響け!ユーフ○ニアム』の原作改悪の話か? しかもこの【座談会】が、例の第12話の某五流脚本家のたわ言を事前に全否定していたなんて、そんなことが有り得るのか?」
ちょい悪令嬢「某五流脚本家の最大かつ致命的なミスは、再オーディションの伴奏に、高坂麗○を起用したことですよ」
メリーさん太「……あれって、『四月○君の嘘』でのヴァイオリンの公式のコンクールでもそうだったけど、楽器によっては必ず何か他の楽器の伴奏を必要とするルールとかが有るんじゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「まあ、『こじつけの理由』としては、それなりに有効かも知れませんけど、そもそもそれまでのオーディションでは、『ユーフォ単体』でやっていたわけで、絶対にトランペットの伴奏が必要ってわけじゃ無いのでは?」
メリーさん太「あ、そうか」
ちょい悪令嬢「大方、あの考え無しの五流脚本家が、部員による投票をわざと一回『同数』状態にしてから、伴奏していて投票に加わっていなかった麗○に、あえて『久○子への最後通牒』を下す形にして、視聴者をエモらせようとしたんだろうが、馬鹿が致命的なミスを犯してやんのwww」
メリーさん太「何でだよ? 本作の作者の言うところの、『魂の絆』で結ばれた『絶対の親友同士』を、完全に決裂させ得る、むちゃくちゃインパクトの有るシーンになっていたじゃ無いか?」
ちょい悪令嬢「むしろ、『魂の絆で結ばれた絶対の親友同士』なのだから、絶対にああはならないのですよ」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「既に第1833話にて、『リ○と青い鳥』を交えて説明したではございませんか? 確かに久○子は真の天才少女である麗○に比べたら、数段格下ですけど、作品全体の最大のテーマとして、『卒業するまでに全国大会で麗○と協奏して金賞を獲得する』ために、日々麗○の最高のパートナーとなるために鍛錬を続けているからして、麗○と演奏する時に限って、自分の実力以上の力を発揮できるのですが、話はそれだけでは済まず、当然麗○のほうも、『久○子と全国大会で協奏して最高の演奏をする』ことを目指しているので、久○子の最高のパートナーとなるために鍛錬をし続けてきた故に、久○子と演奏する時に限って、もはや完成されたと思われている実力以上の力を発揮できるのですよ!」
メリーさん太「つまり、お互いの演奏がお互いの演奏に、常に『バフ』をかけ合っているようなものか⁉」
ちょい悪令嬢「すると、どうなると思います?」
メリーさん太「ど、どうなるって」
ちょい悪令嬢「あの超高校級の天才少女の麗○が実力以上の力を発揮し、それに釣られるようにして久○子すらも、彼女の相方としてふさわしい演奏力を実現するんですよ? ──つまり、二人が共に演奏している際には、文字通り『無敵モード』になっており、たとえそれが厳粛なるオーディションの場でも、選考相手が超強豪校のレギュラーメンバーでも、その伴奏をしているのが麗○(※ただし久○子のバフ無しヴァージョン)自身であろうとも、てんで相手にならないってことですよ」
メリーさん太「──‼」
ちょい悪令嬢「ここがクリエーターとして、『天才』か『コネだけのボンクラ』かの、違いってものなのですわ。つまり某五流脚本家は、黄前久○子の演奏力を、彼女『個人』でしか考えられなかったのですが、本作の作者のほうは、『ユーフ○』と言う物語自体を、『黄前久○子の成長物語』とか言った『単体』で考えるのでは無く、『久○子と麗○の二人の成長物語』であり、『魂の絆の物語』として、捉えることができているってわけなのです!」
メリーさん太「……ああ、そういやうちの作者って、『男や女は単体で居続ける限りは不完全だが、夫婦になることによって初めて完全体になれる』とか言っていたけど、それと基本的に同じなんだな?」
ちょい悪令嬢「そうですね、久○子と麗○はある意味、『夫婦』みたいなものですからね♡」
メリーさん太「さすがは、百合作家w」
ちょい悪令嬢「冗談はさておいて、確かに再オーディションにおいて、久○子と真○との個人対決だったら、真○に軍配が上がったかも知れません。──しかし、どんな形であれ、久○子が麗○と協奏をする場合は、もはや『向かうところ敵無し』とならなければならず、これを否定したり無視したりする展開にすれば、アニメ版に限らず原作小説版においても、これまでの前提がすべて崩れてしまうことになり、絶対にやってはならないのです!」
メリーさん太「……つまり、あの五流脚本家は、『絶対にやってはならないこと』を、しでかしたわけかよ?」
ちょい悪令嬢「更に申しますと、実はあの再オーディションこそは、全国大会の本番を待たずして、作中最大の『演奏シーン』であっても、おかしくは無かったのですよ♫」
メリーさん太「……何だと?」
ちょい悪令嬢「あのシーンは当然のごとく、久○子としては本気の本気でぶつかって来ますからね。──となると必然的に、麗○のほうも本気を引き出されることになり、ついに本編中において、『W主役』同士の『本気の本気の演奏シーン』と相成るわけで、これがすべての演奏シーンのクライマックスとならずして、どうするのです?」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「具体的な描写としては、もはや『オーディション』なんかでは無くなってしまい、二人は自分たちの協奏に没頭し、それは競争相手の真○すらも含む、その場のすべての者たちも引き込まれていき、誰もが音楽と幻想の世界に酔いしれてしまうと言う、イメージ優先の大パノラマシーンとなるのです!」
メリーさん太「ああつまり、それこそ『リ○と青い鳥』や『四月○君の嘘』そのまんまの世界観になるわけか?」
ちょい悪令嬢「どうです、これぞ主人公である黄前久○子と高坂麗○との、二人の関係性──更には、『響け!ユーフ○ニアム』と言う物語そのものの、クライマックスにふさわしい展開だとは思いません?」
メリーさん太「……うん、やっぱうちの作者をシリーズ構成&全脚本に採用してから、アニメ版を全面的にリメイクすべきかも知れないな」
ちょい悪令嬢「そうは言っても、すべては遅きに失したわけでして、作品にとって何よりも大事な『久○子と麗○の魂の絆』を完全に否定してしまったアニメ版は、原作小説版の『全編的テーマ』はもちろん、これまで原作やアニメを心から支持してきたファンの皆様の真心をも、完全に否定したも同然で、今からでも第3期を放映中止にして、ある一定の冷却期間をおいて、全面的に作り直されることを推奨したしますわ★」