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第1826話、わたくし、『弱キャラ友○くん』の作者様は、『ケリのつけ方』がサイコーだと思いますの♡

「──日南あ○い! あなたには絶対、わかりっこないわよね⁉ けして一位になれずに、常に二位に甘んじ続けている、この私の気持ちなんか⁉」







「…………え? わかるけど?」







「…………はい?」


「だから、あなたの気持ちなんか、十分わかっているわよ」




「──はあああああああああああああああ⁉」




「ちょっ、何よ、いきなり大声なんか出したりして⁉」


「『才色兼備』を地でゆく学園のアイドルで、陸上部においても、自分の専門競技の短距離走はもちろん、私の得意競技である長距離走でも新記録続出のあなたが、万年『ナンバー2』である私の、何がわかるって言うのよ⁉」




「わかるわよ、だって私も『万年ナンバー2』ですもの」




「………」


「………」


「………」


「………」


「………」


「………」




「──いやいやいや、成績は常に全科目『学年一位』で、部活動も全国大会レベルでトップクラスで、『生徒会選挙』も対立候補である私に圧勝したあなたが、一体どの分野で『万年二位』に甘んじていると言うのよ⁉」




「このスマホの画面を、見てちょうだい」


「……何、これ? 何かゲームの、プレイヤーのランキング表?」


「これって、『アタフ○ミ』と言うゲームなの」


「あ、それって、クラスの男子のカーストトップの中○くんが、カースト最下位の陰キャ野郎に、惨敗を喫したってやつ?」


「ランキングの二位が、『N○ NAME』ってなっているでしょう?」


「ああ、うん」


「実はこれって、私のことなの」


「ええっ、全校生徒の『模範生』そのものの、超絶美少女の陽キャの代表格のあなたが、こんなゲームなんかやり込んでいたの⁉」




「………何だあてめえ、『こんなゲーム』だとお? 殺すぞ、このアマ! いいか、『アタフ○ミ』は、世界一の『神ゲー』なんだよ!」




「──ひいっ⁉ あなたいきなり、性格が変わってない⁉」


「それで、こっちの一位のやつのプレイヤーネームが、『nan○shi』ってなっているでしょう?」


「え、ええ」


「……こいつがマジ強くてさあ、どんなに私が努力して研鑽を積もうが、どうしても一位を奪取することができず、万年二位に甘んじているってわけよ」


「へえ、あのあ○いが、いくら努力しても勝てない相手なんているんだ? 一体その『nan○shi』って、何者なの?」


「私もどうにも気になって、一度『オフ』で会ってみたのよ。──そうしたら、現れたのが、」


「『現れたのが』?」




「同じクラスの、友○文也くんだったの」




「………」


「………」


「………」


「………」


「………」


「………」




「──えええええええええっ⁉ 友○文也って、あれでしょ⁉ さっきも言ったけど、中○くんにゲームで圧勝したと言う、身の程知らずの『陰キャのカースト最下位野郎』!」




「そりゃあ世界中の全プレイヤーの中で、ダントツの一位を誇っているんだから、そこいらの素人では、まったく勝負にならないわよ」


「あいつ、そんなにそのゲームが強いんだ。基本何でもやりこなせる中○くんを惨敗させただけでは無く、『死角無し(パーフェクトヒロイン)』とも言われているあなたを、唯一やり込めれるほどに」


「………ねえ、み○み、私と手を組まない?」


「な、何よ、急に?」




「私と手を組んで、この『nan○shi』ってやつ──つまりは友○文也に、自分が『真の負け犬』であることを、思い知らせてやらない?」




「……一体どうやって? 私このゲームのことなんて、何も知らないわよ? それにそもそも、私に何のメリットが有るというのよ」


「次の期末試験と、陸上部の代表選手選考で、あなたにわざと負けてやるわ」


「──何よそれ⁉ そんなイカサマで一位になれて、私が喜ぶと思うの⁉」




「思うわよ、学業と部活で念願の一位をとれただけでは無く、何と言っても『学園のアイドル』である私に勝てるのよ? 学園中の生徒があなたをチヤホヤするでしょうね」




「……う、うん、確かに考えてみれば、どんな形であれ、あなたに勝って、みんなにチヤホヤされることこそが、私の唯一最大の願いであることには、間違いないわね」




「それに力を借りると言ったって、大したことではないわ。あなたが協力してくれれば、あんな『弱男』なんて、一発で陥落よ」


「で、でも、私ゲームのことなんて、何もわからないわよ?」


「別にゲームなんてやらなくていいわよ、あなたにはあいつに惚れている振りして、その無駄に色気ムンムンの身体を使って、篭絡してくれればいいの」


「──どうして私が、あんな『陰キャ』に⁉」


「あら、私に勝ちたくは無いの?」


「ぐっ………………で、でも、私があの『人生の負け犬』に言い寄ることに、一体何の意味が有ると言うのよ?」




「有るわよ、私はあいつを、『陽キャ』で『勝ち組』にしようと思っているんだから」




「──本気なの⁉ あんな『陰キャ』で『負け組』のお手本のような『弱男』を⁉」


「私が初めて『nan○shi』をリアルで見た時、どう思ったと思う?」


「……まあそりゃあ、真の『勝ち組』である自分を、唯一ゲーム分野で負けさせ続けてきたやつが、あんな『陰キャ』であったことに、失望し憤ったとか?」




「逆よ、まったく予想通りであり、むしろ理想通りだったからこそ、大喜びしたわ♡」




「へ?」







「だって、私に常勝するほどの『ガチのゲーマー』が、私ほどの『陽キャ』じゃ無いにしても、それなりに青春を謳歌している普通の学生なんかが現れたら、許せないじゃ無い⁉ この私を負かすほどのゲーマーなら、学業も、部活動も、恋愛も、交友関係も、ゲーム以外のあらゆる趣味も、青春や人生そのものさえも、すべて捨て去って、ゲームのこと以外何も考えず、ただひたすら『アタフ○ミ』をやり込んでいる、まさしく正真正銘の『廃ゲーマー』であるべきなのよ!」







「──ッ」







「それで実際に会ってみれば、うちのクラスの『陰キャオブ陰キャ』の友○文也なんかが現れたものだから、狂喜乱舞よ! 『そうよ、そうじゃ無くっちゃ!』──てね」


「あ、ああ、うん」


「でも、ある意味失望したのも、事実だったわ。だって『アタフ○ミ』において頂点に立つには、あいつみたいに他のすべてを──場合によっては人生そのものを捨てなくてはならないことが、はっきりとわからせられたのですからね」


「……まさか、あなた⁉」


「ああ、大丈夫、私は人生を捨てたりしないわよ。──言ったでしょ、あなたに協力してもらうって」




「──ああっ、そうか、そう言うことか⁉ あなたは友○文也を、自分のいる『カースト上位』に上げてあげるの()()()()、『堕とそう』としているんだ⁉」




「そうよ、人生や青春と言う『あいつの専門外のゲーム』において、『強キャラ』や『勝ち組』にすることによって、あいつの専門である『アタフ○ミ』と言うゲームにおいては、『弱キャラ』にしようとしているわけよ★」




「……私が勝てないわけだ、何と言う『鬼謀』の持ち主なの⁉ 『ゲーマーとして弱体化』させるために、言葉巧みに『リア充にしてあげる♡』と唆して、まんまと罠に嵌めてしまうなんて⁉」




「それが傑作なのよ、『人生や青春や恋愛もまた、ゲームに違いないんだから、それから逃げ続けるなんて、ゲーマー失格よ』と煽ったら、まんまと乗っかってきて、それ以降私の指示に従って、よせばいいのに全然似合わない、『リア充ゴッコ』を始めてやんのwww」







「…………え?」







「な、何よ、急に顔を青ざめたりして?」


「あ、あの、確認しておくけど、あの友○って、あくまでも『ゲーム』と言うフィールドにおいては、あなたすら後塵を拝するほどに、『絶対に負けない』超天才なわけなんでしょう?」


「ええ、まあ」


「それってもちろん、『ゲームを創り出した人間の意図』を掴むことくらい、朝飯前だったり?」


「制作者の意図を把握することなんて、むしろ私や友○のような『鬼ゲーマー』にとっては、鉄則とも言えるわ」


「なのにあなたは、『人生と言うゲームで勝負をしよう!』なんて持ちかけて、まさに『ゲームマスター』気取りで、あれこれ指示をして、『人生と言うゲーム』における攻略スキルを磨かせて、着実にプレイヤーとして成長させているわけだ」


「──ちょっと、一体何が言いたいのよ⁉」




「こうは考えられない? あなたよりもガチのゲーマーである友○文也は、あなたの企みなんかとっくに見抜いていて、今ではあなたの指示に従う振りをしながら、あなただけでは無く、私すらも含めて周囲の人間を一人残らず、まさしく『ゲーム内のキャラ』同然に操作して、すべてを自分の意思通りに動かしつつ、あなたの目にはいまだに『成長途上の弱キャラ』にしか映らないように、『演じて』いたりしてね★」




「──‼」







(※次回の【解説編】に続きます)

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