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1823/2227

第1823話、わたくし、『ユーフ○』アニメ版では省略する可能性の高い『最後のオーディション』は、こんな感じになると思いますの⁉【後編】

「──何で高坂先輩では無く、私なんかの名前を呼ぼうとしているのですか⁉ ここで先輩の代わりに私がソリに選ばれたりしたら、卒業までずっと口を利いてもらえなくなるどころか、一生恨まれてしまうじゃないですか⁉」




 それはもう必死に、顧問である私へと猛抗議する、小日向ゆ○嬢。


 ソリに大抜擢してもらえるところだったのに、猛抗議って……。


 ……いや確かに、『あの』高坂麗○嬢なら、『計画的に何とかボヤで済みそうな放火』くらいしでかすかも知れないな。




 うん、いくら超のつく鈍感である私だって、彼女がそこはかとなく私に『依存』しているのは、気づいてはいるのだ。




「失敬、言い間違えました。──改めまして、トランペットのソリは、三年生の高坂麗○さん、あなたに任せようと思います」




「──はい♡ 喜んで♡♡ お受けいたします♡♡♡」




 ……ホラね、


 たった今私から、切り捨てられようとしたと言うのに、


 結果的に、ソリに選ばれただけで、


 ──すなわち、私からの信頼が無くなったわけでは無いと、確信することによって、




 あのような能面のごとき、満面の笑みをたたえることができるのだから。




「…………チッ、馬鹿が」


「これが麗○と縁を切る、最後のチャンスだったと言うのに」


 川○さんと黄前さんが、世界一の愚か者を蔑むような、さもあきれ果てた目でこちらを見ているが、もういいのだ。




 ──今年こそ、全国大会で金賞を獲るためには、悪魔にだって魂を売り渡してやるッ!










「……先生、それって私が、悪魔ってことですか?」




「──ひいッ、この『ヤンデレガチ勢トランペット少女』、とうとうこっちの心を読み始めやがった⁉」




   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




メリーさん太「……何だ、これ?」




ちょい悪令嬢「現在第10話が予想以上の『神回』だと話題沸騰の、『響け!ユーフ○ニアム』アニメ版ですが、これまで散々批判されてきた、原作に対する大幅な『省略』やストーリー展開の大胆な組み替えすらも、むしろ『アニメならではの大英断』だと、『再評価』されつつあるのですよ☆」




メリーさん太「それが前回と今回の、原作無視の『最終オーディションのパロディ』みたいなやつと、どう関係するんだよ」


ちょい悪令嬢「実はわたくしアニメ版においては、下手すると全国大会直前の最終オーディションが、完全に省略される可能性がかなり高いと思うのです」


メリーさん太「──何それ、つまり三回目のオーディションが取りやめになるってこと⁉ それじゃ全国大会においても久○子ちゃんでは無く、真○ちゃんがユーフォのソリをやることになるじゃんか!」


ちょい悪令嬢「いえいえ、原作通りだとオーディション自体は、ちゃんと開催されますわ」


メリーさん太「そんな大事なシーンを、何で省略されると思ったんだ⁉ ユーフォのソリが、久○子ちゃんか真○ちゃんかを決める、最重要の山場の一つだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「それこそが、『ストーリー構成の妙』と言うものですよ♫」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「理由の一つとして、既にアニメ版第10話でご披露された『久○子ちゃんの名演説』によって、もはやオーディションの結果にかかわらず全員が一致団結して、全国大会で金賞を獲りに行く決意を固めたことが挙げられます」




メリーさん太「……なるほど、オーディション自体は一応実行するものの、それ程重要度が無くなったので、今更いちいち描写する必要は無いってことか?」




ちょい悪令嬢「そして更に重要な理由としては、『ユーフォのソリ』に誰が選ばれたかを、本番ギリギリまで秘密にしておいて、実際の全国大会の演奏シーンで明らかにしたほうが、ドラマチックでありインパクトが有ると思われるのですよ」




メリーさん太「おおっ、確かに!」







ちょい悪令嬢「──と言うわけで、もしもアニメ版において最終オーディションが省略された場合、『実はこんなやり取りがあったに違いない』と言う『勝手な想像』を、原作を読んでいないアニメ版オンリーのファンの方に楽しんでいただこうと言うのが、今回【突発短編】作成の主旨なのでございます♡」







メリーさん太「いや絶対に、あんなのじゃ無いだろ⁉ ──つうか、いくらアニメ版で省略されるかも知れないからって、他人様の作品の最重要シーンの一つを、勝手にでっち上げるんじゃ無いよ⁉」













メリーさん太「……それにつけてもさあ、うちの作者ときたら、あまりにも変わり身が早過ぎるんじゃないのか? ほんのこの前までは、アニメ版のことを散々ディスっていたのに、最新第10話を見た途端、コロッと手のひらを返しやがって」







ちょい悪令嬢「あら、これって最初から、『計画していた流れ』でしか無いのですけど?」







メリーさん太「へ?………………って、はああああああああああああ⁉」







ちょい悪令嬢「何をそんなに驚いているのです、これについては非常にわかりやすく、数々のヒントをちりばめていたではありませんか?」


メリーさん太「……『ヒント』、だと?」




ちょい悪令嬢「確かに、アニメ版よりも早く結末まで把握可能な原作小説版を入手したのは、第10話の視聴直前でしたが、『ネット上の噂』からも、『メタ的な理由』からも、『北○治吹奏楽部が全国大会に出場』して、そこで『久○子ちゃんがソリ』を吹いて、見事に『金賞を獲得』することは、わかりきっておりましたからね。これまでずっとギスギスしていたのは、怒濤のクライマックスパートに至るまでの『溜め』であり、そのターニングポイントこそが『アニメにおける神回』の代名詞である、第10回あたりであることは、容易に予想できたのです」




メリーさん太「な、なるほど…………と言いたいところだがッ!」


ちょい悪令嬢「はい?」


メリーさん太「そのように、大どんでん返しを予想していたと言う割りには、本作のアニメ版スタッフの皆様──特に、花○十輝先生に対するディスりようが、あまりにもガチだったように思えるんですけど⁉」


ちょい悪令嬢「まさにそれこそが、『ユーフ○』の最大の長所を見習った、『証し』なんですってば」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「北○治高校吹奏楽部で例えるなら、本作の作者が体制側に批判的な(オーディションに落ちた?)一般部員で、花○先生がタ○先生で、第10話の久○子部長の演説(&あ○か先輩のトンデモ理論ながら真理を突いているお説)を目の当たりにすることで、それまでのネガティブな感情は払拭されて、全身全霊で『北○治、ファイトー!!!』になったことを、この連載を使って体現してみたわけなのです♫」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「どうです、流れ的に、完全に合致しているでしょう?」


メリーさん太「ま、まさか、あの花○先生に対するガチのディスりが、Web上の『ユーフ○スレ』における、タ○先生に対する批判的意見をメタファしていたとは……」


ちょい悪令嬢「それだけシリーズ構成の花○先生や監督の石○立也様を始めとする、アニメ版制作スタッフの皆様によるストーリー構成力は素晴らしく、見習うところが多々有るってことですよ!」


メリーさん太「ほう、具体的には?」


ちょい悪令嬢「第11話以降の展開ですが、一説によれば三話分ほど残っているそうですが、後二話もあれば十分ですし、何なら一話だけでもOKなのです!」


メリーさん太「──なっ⁉ 作中では関西大会が始まったばかりだと言うのに、後一、二話で終わるなんて、絶対に不可能だろう⁉」


ちょい悪令嬢「それでは、アニメ版における流れをざっと予想してみましょう! ──例えば第11話開幕早々から、全国大会の本番の演奏シーンにして、」




メリーさん太「──待て待て待てええええええい!!!」




ちょい悪令嬢「……何ですかメリーさん、急に大声を出したりして?」


メリーさん太「『何で』は、こっちのセリフだよ! 関西大会はいつ終わったんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「さっきも申したではありませんか? いちいち三回目のオーディションなんて描写しなくても、初っ端から全国大会の演奏シーンに持ち込めば、既にオーディションが終わったことはもちろん、レギュラーメンバーやソリ担当の顔ぶれが変わった場合も、実際の演奏シーンで確かめることができるって。──同じように、全国大会に出場しているのなら、当然関西大会は勝ち抜けているわけですよ」




メリーさん太「まったく一度も、演奏シーン無しでか⁉」


ちょい悪令嬢「どうせ同じ曲を演奏するんだから、全国大会の本番一度きりで構わないじゃ無いですか?」


メリーさん太「……それって、『音楽アニメ』として、どうなんだ?」


ちょい悪令嬢「下手したら、次回第11話を全国大会の演奏シーンに当てることで、一話だけでも十分そうですが、メリーさんのように関西大会での演奏に固執している方もおられるかも知れませんから、エピソードの冒頭に『移動シーン』なんかをダイジェストに挿入して、ちゃんと全国大会であることをアピールする必要が有るかも知れませんね」


メリーさん太「その場合でも、一話だけで終わりそうか?」


ちょい悪令嬢「う〜ん、難しいですねえ。全国大会の演奏と結果発表だけでいいのなら、後一話で収まらないことも無いでしょうが、実は全国大会が終わった後も、いろいろと解決しなければならない問題が残っているのですよ」


メリーさん太「『解決しなければならない問題』、って?」


ちょい悪令嬢「例えば『どこかのカップルさん』なんかは、全国大会が終わるまでは、本格的にお付き合いするのを保留なされていますしねw」


メリーさん太「ああ、それが有ったか⁉」


ちょい悪令嬢「あと、例の『全編のエピローグ』シーンとか」







メリーさん太「……ついに未来の北○治高校に、『滝久○子』先生が赴任するわけか?」







ちょい悪令嬢「──それはうちの作者が、勝手に言っているだけでしょうが⁉ そのうちガチで怒られますよ!」

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