第1818話、【ユーフォ】わたくし、『麗○=タ○先生=原作者様』が絶対的に正しいと思いますの【後編】
ちょい悪令嬢「──こんなの、ちょっと冷静に考えれば、わかることなのですよ。一昨年の全国大会出場と言う大金星の際には、久○子ちゃんとあ○か先輩との二人だけでした。去年の関西大会止まりの際には、久○子ちゃんとか○でちゃんと夏○先輩の三人でした。そして、絶対に全国で金を獲得しようとしている今年においては、久○子ちゃんと真○ちゃんの二人だけとなっております。──さあて、この『顔ぶれ』と『人数』を比較すれば、導き出される解答は、ただ一つですよね?」
メリーさん太「ま、まさか………………タ○先生ってば、『ユーフォパート』が少々心許ない場合には、人数を『増やしている』?」
ちょい悪令嬢「御名答」
メリーさん太「そうか、そうだよな! 久○子ちゃんだけでは無く、実は秘められた『サラブレット』ユーフォ奏者のあ○か先輩がいるかいないかでは、大違いであり、彼女がいれば後はフォロー役を一人付ければそれでいいけど、彼女が抜けた穴はけして一人では埋まらず、ユーフォ全体で三人と言う、限界ギリギリの人数を割り当てなければならないわけか⁉」
ちょい悪令嬢「それでも一昨年の、あ○か&久○子のゴールデンコンビには、及びもつかないでしょう」
メリーさん太「……もしも真○ちゃんが転校してこなかったら、新入生の針谷佳○ちゃんが入らざるを得なかったのか? いや、それじゃ全国を目指すには、あまりにも役不足だろう?」
ちょい悪令嬢「そのようにタ○先生が頭を悩ませていたところに、『真○ちゃん登場』ってわけですよ」
メリーさん太「──うん、そりゃあ、『最大限に使ってみよう』ってなるよな⁉」
ちょい悪令嬢「しかも、ユーフォは久○子ちゃんと真○ちゃん二人だけで十分となり、その分他のパート──具体的には、チューバパートを増やしたりもできて、一石で二鳥にも三鳥にもなったりして」
メリーさん太「真○ちゃん様々だな⁉」
ちょい悪令嬢「それで真○ちゃんの使いどころですが、これは以前申した通りに、最も効果的な、『全国大会の切符が手に入る』関西大会と言うことになります」
メリーさん太「……うちの作者の考察によると、『二人になった黄前久○子』を、関西大会と全国大会とで使い分けるってことか?」
ちょい悪令嬢「これを高校野球に置き換えてみれば、わかりやすいのですが、実力が伯仲したエース投手が二人もいる強豪校なら、そのうちの一人に続投させて疲弊させるよりも、二人を交互に使う方が、より理に適っているでしょう?」
メリーさん太「……そりゃそうかも知れないが、そんないかにも人間性を無視した『道具』を扱うような采配で、本人たちが納得してくれるかなあ?」
ちょい悪令嬢「真○ちゃんは大納得で、全国大会のソリを快く、久○子ちゃんに譲ってくれるでしょう。何せ実力を遺憾なく発揮できる演奏の場を与えてもらっただけでは無く、何よりも部全体のために最大限の貢献ができたのですからね、もはや大満足でしょう」
メリーさん太「だったら文字通りに、ソリを『降ろされた』形になっている、久○子ちゃんのほうはどうなんだ?」
ちょい悪令嬢「──そう捉えること自体が、大間違いなのですよ!」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「オーディションの結果が不本意なものだったからと言って、『失望された』とか『見捨てられた』とかと思うんじゃ無く、『新たな役割を与えられた』と心得て、それを全力でこなしていくべきなのです!」
メリーさん太「──‼」
ちょい悪令嬢「久○子ちゃんで言えば、レギュラーを外されたか○でちゃんの分も、新たにソリになった真○ちゃんをフォローすることであり、部長として部全体を取りまとめることなのです!」
メリーさん太「そりゃあ『正論』としてはそうだけど、人間としての『感情』的に、『はいそうですね!』となるかなあ」
ちょい悪令嬢「何を言っているのです、絶好のお手本がおられるじゃないですか?」
メリーさん太「『お手本』て、誰だよ?」
ちょい悪令嬢「もちろん、チューバパートのさ○ちゃんですよ」
メリーさん太「へ? さ○ちゃんて、あのツインテールも可憐な、鈴木さ○きちゃんのことか?」
ちょい悪令嬢「元々あの子の取り柄は、自分の演奏にコンプレックスを持たず、誰とでも仲良くなれる『コミュ力の高さ』ですからね。府大会直前にレギュラーを外された時は、さすがにショックを受けていたみたいですが、すぐさま自分の代わりにレギュラー入りした下級生に対して、全力で支援を始めて、レギュラーに復帰してからも、『これからは一緒に頑張ろうね♫』と、実質的に『タ○先生から自分より才能が有ると認められた、いまだ荒削りな新入生』を、全力でサポートしていく決意表明をしてますしね。これぞ『真に頼りになる上級生の鑑』ですよ!」
メリーさん太「確かにユーフォパート同様に、オーディションの影響を最も受けているはずの、チューバパートのほうは、何だか和気藹々って感じだよな⁉」
ちょい悪令嬢「これは、本作の作者の『社会人としての経験』からも言えるのですが、どんなに学歴が有ったり頭が良かったりいろいろなスキルを持っていたりしても、最初から『主人公』になれるわけでは無く、初めのうちは上司や先輩のフォロー役に徹した者こそが、将来上に上がっていくものなのです」
メリーさん太「……そりゃあ人事権を持っている上司からしたら、(自分のために)『使えるやつ』こそ、引き立てて当然だしな」
ちょい悪令嬢「それに対して久○子ちゃんてば、彼女は文字通りに『生まれた時から主人公』だから、その辺のところが全然わかっていないのです」
メリーさん太「──そんな、メタ的な理由が有るか⁉」
ちょい悪令嬢「だって事実そうですもの、原作において詳細に描写された夏○先輩の卒業式のシーンで、久○子ちゃんてば泣きながら夏○先輩に向かって告白するのです、『私がユーフォを続けられたのは、夏○先輩が私のことを庇ってくれたから』って。『中学の時は、レギュラーの座を奪ってしまった優しい先輩が、その途端豹変したのがトラウマになったけど、夏○先輩は全然そんなことは無かったから、救われた』と。それを聞いて大人な夏○先輩はあえて否定しなかったけど、心の中で『……別に、あんたのためじゃない、自分が(前の上級生どものような)嫌なやつになりたくなかったからだ』と自嘲なされるのですが、これこそが『正解』なのです! すべては『自分のため』なのです! タ○先生が大局を見据えて下した判断に、すべての部員が心から従って、自分に与えられた役割を全力でこなせば、全国大会出場も夢では無いし、それに何よりも、自分自身の成長にも繋がるのですよ♫」
メリーさん太「な、なるほど、自分が『主人公では無い』と心得ている者こそ、大局的かどうかはともかく、『客観的』視点に立てて、タ○先生の真意も汲み取りやすくなるのか」
ちょい悪令嬢「今回の最新話で言えば、葉○ちゃんやつ○めちゃんが、ズバリそうだったでしょ?」
メリーさん太「た、確かに……」
ちょい悪令嬢「それに対して、主人公の久○子ちゃんてば、ダメダメですわw」
メリーさん太「そうだよな、タ○先生の指導に従っていれば、間違いないのに、それに疑念を持つこと自体が、おかしいんだよな」
ちょい悪令嬢「ホント、何を聞いているんでしょうかねえ? タ○先生はおっしゃっていたでは無いですか、『私があなたたちを全国に導くのでは無く、あくまでもあなたたち自身の力で全国に行くのです』って。──だったら、オーディションの結果がどうであれ、自分の今の立場が不本意であれ、とにかく今は与えられた役割を、全力でこなしていくしかないのですよ!」
メリーさん太「……これって、現実におけるあらゆる仕事についても、言えるだろうなwww」
ちょい悪令嬢「一番耳が痛いのは、むしろ本作の作者自身だったりしてwww」