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1812/2235

第1812話、わたくし、『完璧なジェンダーフリー』の実現こそが、『フェミ』や『LGBT』を撲滅できると思いますの★【補足】

「──お願いです、わかってください! 僕は妹のことを、真剣に愛しているのです!」


「──私もです! 心から兄のことを慕っているのです! どうか特段のご配慮を!」




 なぜかここ最近、日本中の『変態』………もとい、『性的倒錯者』………もとい、『性的少数派』の皆様ばかりが集まってくることで有名となった、長崎県『ムラムラ市役所』の住民課にて、周囲の目をはばかること無く、滂沱の涙を流しながら大声で訴え続けている、何と『実の兄妹』と名乗った一組の男女。


 それに対して、窓口現場係員の『ネコミミ女性公務員』──略して『現場のネコ』女史は、迷子の迷子の子猫ちゃんに縋りつかれた犬のおまわりさんみたいに、困窮するばかりであった。


「……そんなことを言われても困るニャア、ここは住民課の窓口であって、今度ムラムラ市に引っ越してきてくれて、実の兄妹で同居なされるのは別に構わないし、ちゃんと住民票は新たに作成するけど、婚姻届は管轄外ニャア」



「ですから、まさにその住民票の表記に、僕には『夫(未届)』と、妹には『妻(未届)』と、記入していいただければ、それでよろしいのです!」


「それでは事実上の『夫婦』として、認めるも同然ニャ⁉ 実の兄妹とわかっていて、そんなことはできないニャ! あんたらが『キタの九州市』から転入してきたのは、今回新たにそこら辺の草むらに『ロケラン』が無造作に捨てられているのが発覚して、あの『修羅の国』に愛想をつかしたからじゃ無く、もしかして親御さんや周囲の人たちから自分たちの仲を引き裂かれそうになったから、駆け落ちしてきたんじゃニャいだろうな⁉」


「そうですけど、それが何か?」


「──やっぱ『キタの九州市』には、日常的に至る所に、ロケットランチャーや手榴弾が、落っこちているニョか⁉」


「そっちじゃ無くて、周囲に反対されて、駆け落ちしてきたことのほうですよッ!」


「尚更悪いニャ! もちろんそんなこと、市役所としても認められないニャ!」


「どうしてです⁉ 別に婚姻届を受理してくれと言っているわけでは無く、住民票にちょっとばかりご配慮を賜りたいと、申しているだけなのですよ!」


「そのちょっとした配慮だけで、住民票が婚姻届同様に、『事実上の婚姻関係』を認めることになりかねないから、マズいと言っているニャ!」


「『……何がマズいんだ、言ってみろ?』」


「──何で急に、鬼舞辻無○様になるニャ⁉」


「ムラムラ市役所住民課さんは、『ホモのカップル』の事実婚を認めてくださったでは無いですか⁉ 何で同じく心底愛し合っている、我ら兄妹は駄目なのですか⁉」


「兄妹だから、駄目なのニャ!」


「どうしてですか⁉ ホモは許しているくせに!」


「『同性愛』と『近親愛』じゃ、話が違うニャ!」


「どう違うか、言ってみろ!」


「──なんか素で、無○様になっていニャいか⁉ とにかく『近親』は駄目ニャ! 『倫理上』よろしくないニャ!」




「それは『同性愛』だって、同じでしょうが!」




「……へ?」




「何か最近、『許されている』ような雰囲気になっているけど、まだまだ日本の大多数の国民の皆さんが、『同性愛』自体に『倫理的忌避感』をいだいているのも、厳然たる事実なのでは?」




「──うぐぅッ、言われてみれば、確かにッ⁉」




「よって、あんたらムラムラ市役所が『同性婚』を認めている限り、僕たちの『近親婚』を『倫理』を理由に門前払いするのは、単なる『差別』と言うことになるのですけど?」




「……い、いや、まだだ! まだ戦える! ──そうニャ! 男の同性愛者の変態性癖は、確かに『実技』に移った場合、衛生上かなり汚いし、悪質な伝染病の温床にもなりがちだけど(駄目じゃん)、十分防止措置が可能であるのに対して、『近親相姦』のほうは、医学的にも遺伝子学的にも絶対に許されない、『禁忌の所業』以外の何物でも無く、倫理とか法律とか持ち出す以前に、人として完全に道を外しているニャ!」




「──だから、それが『差別』だと言っているんだよ! この『ムラムラ公務員』どもが!」


「──『市役所』を抜かさないで欲しいニャ! 別に年中ムラムラギンギンしている、ホモや腐女子ばかりいるから、『ホモ婚』を認めたわけじゃ無いニャ!」




「だったらてめえら、『実の兄弟のホモカップル』が、住民票で『ホモ婚』を認めて欲しいと言ってきたら、どうするんだよ⁉」




「──もちろん、『近親愛者は除隊』だニャ!」


「──昔の米軍かよ⁉」


「──間違えたニャ! 『近親愛者』は受け付けないニャ!」


「──どうしてだよ⁉ 既に『ホモ婚』は受け付けているんだから、今更実の兄弟でも、『倫理上』構わないだろうが⁉」


「──だから言ったニャ! 『近親婚』は、医学的かつ遺伝子学的に、絶対に許されないと!」




「それって、男同士なら、問題無いじゃん?」




「え…………………あっ、そうか! 近親でも男同士なら、さっき言ったように、『変態性行為によって衛生上かつ伝染病的に重大なる危険性を孕んでいる』けど、事前防止は一応可能だし、何よりも子供ができないから、医学的かつ遺伝子学的にも、問題ナッシングだニャ!」




「……つまりムラムラ市役所は、『近親婚』を絶対的に排除するわけでは無く、住民票であれば、『事実婚』として認めてくれるわけだな?」


「そ、それはあくまでも、『男の近親同士』なら、その可能性も有るってだけで、あんたらのような男女のカップルは、絶対に駄目ニャ!」


「どうしてだよ?」


「どうしてもこうしても、何度も言っているように男と女では、医学的かつ遺伝子学的な問題が発生してしまうニャ!」




「……いや、僕たち兄妹が、絶対に子供を作るとは、限らないだろうが?」




「……………………へ?」




「それとも何か? ムラムラ市役所では、普通の男女が『婚姻届』を提出してきた時に、『あなたたちは結婚後、ちゃんとセックスをするのですか?』とか、いちいち聞いているわけなのか? それとも『婚姻届』自体に、『セックスの有無』の記入欄が設けられているのか?」




「──そんなわけあるか! プライバシーの侵害だニャ!」




「だったら、『近親婚』の場合でも同じだろ? 『近親婚』をしたカップルが、結婚後医学的かつ遺伝子学的に問題の有る結果となったとしても、市役所の与り知らぬことだろうが?」




「で、でも、そもそも『近親婚』は、法律で明確に禁止されているニャ!」


「確かに『同性愛』を明確に禁止している法律は無いけど、『憲法24条』の規定は解釈によっては、法律どころか憲法レベルで『同性婚』を禁止しているとも、解釈できるのでは?」


「──うぐぅッ⁉」




「……つまりあんたらは、たかが市役所風情のくせに、確かに最近の風潮では認められ始めてはいるものの、いまだ憲法レベルで禁じられていることを、国の明確な判断を待たずに、勝手に『見切り発車』したわけなのですよ」




「そ、そんな! 区市町村レベルで、『同性愛者』に対していろいろと便宜をはかっているのは、別に我がムラムラ市役所だけじゃニャいだろが⁉」




「……『パートナーシップ制度』とかのことを言っているのか? あれだっていろいろと問題は有るものの、あれはあくまでも『独立した新制度』だから、駄目だとわかれば即時廃止すればいいだけで、それ程社会的影響が絶対的に重大なわけじゃ無いけど、あんたらの『既存の住民票』を使ったやり方は、絶対に駄目だ。──だってあれって、これまで十分に実績を重ねてきて、既に社会的に認知されている、『事実婚』を公的に認める制度と言っても過言では無いだろ? そんなむちゃくちゃ重要なシステムを使って、よりによって『同性婚』を認めてしまったんだ、もはや後戻りできないぜ?」




「……後戻り、できないとは?」




「これからおまえらだけでは無く、全国津々浦々の区市町村に、自称『同性愛者』をはじめとして、ありとあらゆる自称『性的弱者』たちが、『住民票による事実婚』の承認を求めて、大挙して押しかけることになるけど、たとえそいつらが日本の社会システムを破壊しようとする『不逞の輩』だったり、日本の国籍を不当に取得しようとしている『外国人工作員』だったとしても、『同性婚』はもちろん、僕たちのように現行の法律では認められていない、『近親婚』だろうが、『重婚』だろうが、『ロリ婚』だろうが、受け付けざるを得なくなるってわけなんだよ★」

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