第1808話、わたくし、東京の人間は『人としての価値』が非常に低いと思いますの☆【前編】
ちょい悪令嬢「──はいっ! 前回前々回と二回にわたって、某『赤い大国』についてボロクソにこき下ろしたので、今回はバランスをとる意味で、我らが日本国を、ボロクソにこき下ろしマッス★」
メリーさん太「──何でこき下ろすことで、バランスをとろうとするの⁉ どうせなら、赤い大国を褒める方向でバランスをとろうよ⁉」
ちょい悪令嬢「……あの赤い大国を、『褒める』?」
メリーさん太「何を、『解読不可能な新言語』を耳にしたような、怪訝な表情をしているんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「……いやだって、他国へ武力侵略する気満々の、共産党首脳部の暴虐非道ぶりを語る以前に、日本に我が物顔でやって来ている一般的観光客どもの段階で、公共の場で大声で騒ぎまくるわ、列の割り込み等の社会的エチケットを守らないわ、天然記念物を含む水産物を密漁するわ、公園の蝉を取り尽くすわ、留学生の名目できたくせに不正就労をするわ、生命に関わる医薬品まで転売するわで、日本人にとっては、存在自体が大迷惑ではございませんか?」
メリーさん太「──うぐぅッ⁉」
ちょい悪令嬢「まあ、中国人については、今回はどうでもよくて、とにかく問題は、現在の日本における、『時代錯誤の地方格差厨』についてですわ!」
メリーさん太「……な、何だよ、『地方格差厨』、って?」
ちょい悪令嬢「最近目にした『SNS上の愚痴』に、『東京に住んでいれば、ライブに行き放題なのに』とか、『映画館ひとつ行くのに、東京だと一時間に何本も有る電車で、数百円払えば十数分で行けるけど、ど田舎だと自分の車で30分以上もかけて、ガソリン代も無茶苦茶かかって、完全に不公平だよ!』とか言ったものが有ったのですよ」
メリーさん太「え、何それ?」
ちょい悪令嬢「何かもう、田舎に生まれ育った世間知らずのイマドキ女子の『無い物ねだり』って感じですけど、別に東京に住んでいたって、ライブにちょくちょく行けるわけでは無いんだよ? 馬鹿でもわかるすべての前提条件として、『金と時間』がいくら有っても足りないんだよ? それでも特定のバンドのライブに必ず行くって言う人がいたとしたら、その人はそのバンドのファンとして命を賭けているわけで、金も時間も自分の人生そのものもすべて賭けていて、たとえ田舎に生まれようが、何としても東京に出て行って、死に物狂いで『追っかけ人生』を全うするはずで、現時点で何の努力もしないで愚痴ばっかり言っているようでは、『ファンとしては失格』でしかないんだよ!」
メリーさん太「──うわあ、キッツう!」
ちょい悪令嬢「これでも抑えているくらいですわ! 確かに人気バンドの追っかけに関しては、ライブハウスや大規模コンサート会場は、東京等の大都市に集中していますから、同情の余地は有りますからね」
メリーさん太「それは『映画鑑賞』だって同じだろう? 映画館も東京のような大都市のほうが、数も多ければ、交通アクセスもいいしな」
ちょい悪令嬢「でも、この人の『完全に不公平』って言い草は、何だよ? 日本国憲法ではちゃんと『移動の自由』が認められているんだから、自分で努力して東京でもどこへでも、好きなところに行けばいいじゃんか?」
メリーさん太「──それを言ったら、身も蓋もないだろ⁉ その人はその人で、自分の住んでいるところから離れられない、理由が有るかもしれないんだし!」
ちょい悪令嬢「だったらその『幸運』を、しっかりと噛み締めて生きていけばいいのですよ☆」
メリーさん太「……へ? 『幸運』て、東京とは比べ物にならないくらい、ド田舎に生まれたことがか?」
ちょい悪令嬢「そもそもどうして、東京にライブハウスや映画館が集中していて、交通等の公共サービスが充実していると思うのです?」
メリーさん太「え、そりゃあ、一応日本の首都だからだろう?」
ちょい悪令嬢「──『幼稚園児』かよ⁉ それって、『東京は首都だから大都市なのだ!』とか、答えているようなものだぞ⁉」
メリーさん太「──うぐぅッ⁉……………だ、だったら、どうしてだと言うんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「そりゃあ当然、『東京は人口が多いから』に、決まっているでしょう?」
メリーさん太「……………」
ちょい悪令嬢「……何でいきなり、無言になるんですか?」
メリーさん太「いや、その理由もあたしのと、『五十歩百歩』じゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「全然違いますよ! むしろこれこそが、『田舎者が見落としがちな、東京の本質』と言うものなのです!」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「つまりですね、この東京ならではの、『超過密人口密度』のせいで、田舎者にとっての憧れの、『東京のライブハウスや映画館や公共交通機関』は、一体どんな『状態』になっていると思います?」
メリーさん太「──ああっ、そうか! 常にぎゅうぎゅう詰めの、『超満員常態』になるってわけか⁉」
ちょい悪令嬢「そうです、東京ライフの『地獄の代名詞』である、超満員の痛勤電車は言うまでも無く、無数に存在するライブハウスも、人気バンドの公演時には、文字通り立錐の余地も無いほどぎゅうぎゅう詰めで、大規模コンサート会場での超大物アーティストの公演時や、最新設備の備わった映画館での新規作品の封切り時においては、チケットがとれないほどの有り様。──つまり、むしろ東京にいるほうが、田舎の地方都市ではそれほど苦労せずに享受できるサービスが、行きと帰りの電車の中でも、映画や音楽や『コ○ケ』の現場においても、満員満員また満員の連続で、気の休まる間も無いと言った有り様なのですよ!」
メリーさん太「──最後にしれっと付け足していたけど、『コ○ケ』開催中においては、行き帰りの『ゆりかもめ』の車中も、ビッグサイトにたどり着いてからの『待機列』も、会場内に入ってからの人気同人誌や参加企業の限定品の争奪戦も、すべてのプロセスにおいて『地獄』そのものだったよな⁉」
ちょい悪令嬢「……うん、『東京近辺に住んでいる人は、気軽にコ○ケに参加できてうらやましいなあ』とか思っているド田舎の人は、この『事実』を死ぬまで体験すること無く、幸せなカントリーライフを謳歌できることをお祈りしておりますわ!(泣)」
メリーさん太「……そうか、人が多いからこそ、交通機関の運賃も割安になるけど、精神衛生上、ド田舎で自分の車を運転して、映画館でもコンサート会場でも大規模ショッピングモールにでも、比較的渋滞の少ない幹線道路を快速で流して行くほうが、余程『人間らしい』よな」
ちょい悪令嬢「前にも申しましたが、本作の作者の実家のような超ド田舎であろうと、一山超えた隣町の比較的栄えている市街地に、新たに大規模ショッピングモールなんかできた日には、首都圏に負けない最新の音響装置の備わったシネコンが併設されたりして、平日なら比較的人がまばらな良好な環境で、心ゆくまで新作映画を楽しむことだってできますからね♫」
メリーさん太「なるほど、まがいなりにも東京とド田舎との両方を知っているからこそ、本作の作者ならではの、客観的なジャッジを下すことができるわけか?」
ちょい悪令嬢「──て言うか、東京とド田舎とでは、『人間の価値』そのものが違うのですよ☆」
メリーさん太「…………な、何だよ、『人間の価値』って?」
ちょい悪令嬢「それこそ近いうちに『東京都知事選挙』が行われて、性懲りもなく『緑のタヌキ(?)』が出馬するそうですが、あいつ『東京の痛勤電車を緩和する』って公約は、一体どうしたんだよwww」
メリーさん太「──そういや、そうだったよな⁉」
ちょい悪令嬢「まったくよお、最初から『絶対に不可能なこと』を、公約なんかにするなよなあwwwwww」
メリーさん太「ぜ、絶対に不可能なことなんて、有るわけ──」
ちょい悪令嬢「有りますよ、言っているでしょう、東京の奴隷サラリーマンなんぞに、『人間としての価値』なんて無いって」
メリーさん太「──なっ⁉」
(※次回に続きます)