第1639話、わたくし、一番危険なのは、中国軍の主戦派が『尖閣諸島は台湾の領土』と見なしていることだと思いますの!【後編】
メリーさん太「──なっ⁉ 日本国が平和憲法下にありながら、国権の発動として戦争を開始しなければならなくなるだとおおおおお!!!」
ちょい悪令嬢「だって、自国の領土を明確に武力侵犯されるのですから、もはや『平和憲法』もクソも無く、『反撃』するのを咎める第三国勢力など存在せず、むしろ反撃を一切しなければ、国際的に非難囂々となったり、『腰抜け』だとあきれ果てられたり、下手すると他の国も図に乗って日本に侵攻してきたりする可能性は、けして無いとは言えなくなりますからね」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「……すっかり見誤っておりました。『台湾の有事は日本の有事』などと軽はずみに口にしている輩なんて、殊更に事を荒立てて、国民に『反中感情』を醸成したり、国内の軍需産業を活発化させたり、アメリカから武器を大量に購入して機嫌を取ったりすること等々を、目的にしているものと邪推しておりましたが、中国政府自体が『尖閣諸島は台湾の領土』だと認めているとなると、まさしく『台湾の有事は日本の有事』に他ならないでしょう!」
メリーさん太「だったら、一体どうするんだよ⁉ 現在の中国って、台湾に武力侵攻する気満々なんだろ⁉」
ちょい悪令嬢「ええ、本作の作者がこの事実に気づいたのも、現在日本においてもWeb上を中心として結構騒ぎになっている、中国軍の中将にして軍のシンクタンク『軍事科学院』の元副院長でもあった、その筋では有名なタカ派のスポークスマンの代表格的な人物が、『台湾侵攻に当たって、我が国の固有の領土である尖閣諸島に対しても、軍隊を派遣することを否定する理由は存在しない』と明言したことに、端を発しているのですからね」
メリーさん太「──やる気満々じゃねえか⁉」
ちょい悪令嬢「しかも、これに対して『平和裡に』解決する手段が皆無なのが、絶望的なんですよねえ……」
メリーさん太「どうしてだよ⁉ 戦争になるくらいならもういっそのこと、尖閣諸島の領有権を放棄してしまえばいいし、台湾自体が選挙等によって親中派が主導権を握って、平和的に中国と統合したりする可能性だって、皆無とは言えないじゃ無いか⁉」
ちょい悪令嬢「……もっと『現実』と言うものを見てくださいよ? 『尖閣諸島の領有権放棄』なんて、国内世論が許すはずが無く、いっぺんで政権が崩壊してしまいますよ? ──万が一実現したところで、中国に甘く見られるだけであり、尖閣の次は沖縄本島、更には離島を始めとする九州各地と、どんどんと要求をエスカレートしていくだけでしょう」
メリーさん太「──うっ⁉」
ちょい悪令嬢「台湾の平和的統一についても、結局は問題を先送りするだけです。何せ相手は、『尖閣諸島は台湾の領土』だと主張しているのですからね。もしも台湾がたとえ平和的にとはいえ正式に中国の領土となった暁には、今まで以上に強硬に尖閣諸島の領有権を主張し始めることでしょう」
メリーさん太「──ううっ⁉」
ちょい悪令嬢「とにかく何らかの形で、台湾が正式に中国本国に組み込まれてしまったら、尖閣諸島を巡って、下手すれば戦争が起きかねないほど、日本と中国の対立が激化するのは避けられないのですよ」
メリーさん太「──だったらもはや、戦後平和体制は崩壊して、再び戦争の時代に突入するしか無いのかよ⁉」
ちょい悪令嬢「落ち着いてください、現政府もちゃんとそれなりに、対応策を講じているじゃ無いですか?」
メリーさん太「……中国の台湾武力侵攻に対する、対抗策って?」
ちょい悪令嬢「『敵基地攻撃能力』を始めとする、あくまでも平和憲法を守るための『軍事力の底上げ』ですよ。日本が限定的とはいえ台湾周辺において軍事的脅威になることは、中国の武力行為の抑止になることは間違いありませんからね。むしろ『憲法9条』を堅持する決意の表れとも言えて、これに反対している沖縄当たりの(トップを始めとした)似非平和主義者どもは、結局は『中国の主戦派の狗』である、『戦争推進工作員』に過ぎないわけなんですよ」
メリーさん太「……そりゃあ、戦争を事前に食い止めようと睨みを利かしている、日本の努力を邪魔しようとしているとなっては、『極東アジアの平和の敵』と言っても過言では無いよな」
ちょい悪令嬢「そしてもう一つは、沖縄を始めとする在日米軍はもちろんのこと、日本同様に中国と領土問題を抱えている南沙諸島周辺国に、最近極東での活動が活発化した、NATO諸国やオーストラリア等とも、連携を密にして、数の力や軍事面のみならず『経済的な包囲網』をも駆使して、総合的に中国の武力侵攻を思い止まらせることですね」
メリーさん太「……うん、いかにも実効性がありそうなプランだけど、それって現代版『ABCDライン』だよな? そういうことをやるとむしろ戦争が起きかねないのは、歴史が証明しているところでは?」
ちょい悪令嬢「だったらいっそのこと、日本と台湾が、正式に『同盟』を結べばいいじゃない★(ア○ラ様構文)」
メリーさん太「へ?…………………………………って、はああああああああ⁉」
ちょい悪令嬢「……おや、今更こんなところで奇声を発せられるなんて、いささかタイミングが遅いのでは?」
メリーさん太「奇声を発するのに、タイミングとか有るか⁉ 何だよ、台湾と同盟を結ぶなんて、そんなこと絶対に不可能だろうが⁉」
ちょい悪令嬢「むっ、何でですか?」
メリーさん太「日本は『日中平和友好条約』において、中国こそを『主権者』と認めており、その主権が及ぶ台湾と勝手に同盟なんか結んでは、主権侵害も甚だしく、それこそ日本そのものに対する軍事侵攻を促しかねないだろうが⁉」
ちょい悪令嬢「……ッたく、話を聞いていたのですか? 中国が尖閣諸島を台湾領土と見なしている限り、もしも台湾に武力侵攻した場合は、日本の領土(の一部)に武力侵攻をしたも同然で、即時に『戦闘状態』に突入するんだから、もはや『友好条約』も『主権侵害』も無いでしょうが⁉」
メリーさん太「──うぐぅっ⁉(ほ○ちゃんのCVで)」
ちょい悪令嬢「それに、いくら中国の武力侵攻を抑制するための同盟とはいえ、けして軍事同盟とかでは無く、あくまでも平和を守るためであり、中国どころか台湾の主権を侵したりなぞ、一ミリも有り得ませんわ♫」
メリーさん太「……軍事行動をしないのはもちろん、台湾領有を主張する中国の主権を侵すことも無い、だと?」
ちょい悪令嬢「以前から本作において何度も何度も申しておりました、これぞ『平和憲法による侵略』であり、新たなる『大東亜統一構想』なのですよ!」
メリーさん太「はあ⁉」
ちょい悪令嬢「つまり台湾は、主権も独立性も完全に保ったまま、『平和憲法』とそれに基づく『象徴天皇制』を受け容れるのです! 『象徴天皇制』はあくまでも、この同盟が保たれていることの文字通りの『象徴』に過ぎず、台湾政府に対していかなる権力が及ぶこと無く、また『平和憲法』の真髄たる『憲法9条』を受け容れると言うことは、国際紛争の解決手段として、いかなる武力行為も放棄することになるので、この同盟が他国を侵略する『軍事同盟』とはけしてならないことを宣言しているわけで、極東アジアの軍事バランスをいたずらに揺るがすものでは無いのです」
メリーさん太「だったら、中国のほうから攻めてきたらどうするんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「そんなの、現憲法下でも発動可能な、『専守防衛権』と『集団的自衛権』によって、日本、台湾、在日米軍、その他協力国の皆さん総出で、中国軍とその本土をフルボッコして、日本国内に潜伏している『人民解放軍兵士』とその協力者を、現在絶賛交戦中の『敵性軍人』として、問答無用に皆殺しにするだけですよ」
メリーさん太「──一応『平和憲法』を戴いている同盟なのに、闘う気満々かよ⁉」
ちょい悪令嬢「そうりゃあ、相手がやる気満々なのだから、こっちもちゃんと『殺る気』を見せないとねw」
メリーさん太「……でも、いくら協力国が多くても、中国の人口は膨大だし、資源も豊かだし、『継戦能力』は侮れず、しかも核保有国なんだから、いくらあらゆる手を使って軍事行動を抑制しようとしても、あいつらが決断したら、戦争を止めることはできないのでは?」
ちょい悪令嬢「人民解放軍が核兵器を使う素振りを見せたら、以前も言ったように、あいつらの原発や大規模ダムを破壊して、放射能や水害によって、敵の主要都市を壊滅させるだけですよwww」
メリーさん太「──おいッ、『ジュネーヴ条約第56条』はどうした⁉」
ちょい悪令嬢「そんなもの知るか! そもそも相手が、人類にとって最悪かつ最凶の核兵器を使ったり、自分たちの軍事侵攻を進めるための脅しに利用しようとしたりしているんだ、文字通り『自衛権』として、核兵器と同レベルの攻撃をして、何が悪い? ──おいッ、中華人民共和国共産党指導者どもよ、そっちが先に日本の固有の領土たる尖閣諸島を含む、台湾を攻撃するつもりなら、大東亜戦争当時以上に、中国本土が火の海になることを、心して覚悟しておくんだな!」




