第1570話、わたくし、アニメ版『フリー○ン』の評価を下すのは、まだ時期尚早だと思いますの⁉【後編】
メリーさん太「──ああっ、そういえば、そうだった! 『祝○』のほうは、何と『エアリ○ル=エリ○トちゃん』を視点にして、本編の主人公のスレ○タちゃんのことを語っていたし、『アイ○ル』のほうは、旧『B○町』のメンバーを視点に、星野ア○さんのことを語っていると言う、本編の内容そのものでは無く、まさしく『裏設定』や『隠し設定』と言った感じだったよな⁉」
ちょい悪令嬢「しかも、『水○の魔女』のほうなんて、結局最後までその設定を使うことが無かったので、非常に貴重な『PVアニメ』になっているんですよねw」
メリーさん太「……それに比べて、『葬送のフリー○ン』のOPのほうは、確かに原作そのまんまの『歌詞』だよな? なるほど、『Y○AS○BI』様らしくないかもな」
ちょい悪令嬢「結局、制作側のオーダーが、適当だったんじゃ無いですか? おそらくは『Y○AS○BIさんを使っていれば、間違いなくヒットするだろう』とか言った、いい加減な考えだったりして」
メリーさん太「……いや、いくら何でも、そこまでお手軽思考では無いとは思うけど、確かに『Y○AS○BI』様にしては、いかにも『やっつけ仕事』って感じだよな」
ちょい悪令嬢「……まあ、そうは申しても、これは『二時間スペシャル特番』を見ての、本作の作者の個人的見解に過ぎませんので、この先『勇○』と言う曲が世界的にヒットして、作品自体も『社会現象』的に大ブームになるかも知れませんので、先ほども申しましたように、番組をちゃんと全話視聴しつつ、しばらくの間は『様子見』に徹したいかと存じます♡」
メリーさん太「……ったく、毎度のことながら、最後の最後で無難にまとめやがって、この『日和見主義者』が」
ちょい悪令嬢「あら、それだったら、もう少し深く突っ込みましょうか?」
メリーさん太「何だよ、『深く突っ込む』って?」
ちょい悪令嬢「畑違いの音楽作品とはいえ、他人様の創作物を批判するのなら、自分自身『お手本』を見せるべきですよね?」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「──それではご覧いただきましょう! 『葬送のフリー○ン』の(架空の私的)OPをイメージした、【突発短編】でございます!」
メリーさん太「なっ⁉」
ちょい悪令嬢「……とか何とか言って、本当は字数が余ってしまったゆえの、【穴埋め企画】に過ぎないんですけどね☆」
メリーさん太「──うおいっ⁉」
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──その『銅像』は、人里離れた深い深い森の中で、ただひっそりとたたずんでいた。
もはや訪れる者は誰もいない、忘れ果てられた『偶像』。
かつての『彼』は、文字通りに人類を救った、『勇者』であったと言うのに。
……だが、それも仕方なかろう。
何せ、『勇者』が率いるパーティ一行が、『魔王』を倒してすでに、千年以上も経っているのだから。
ただでさえ人の世は、『日進月歩』なのだ。
千年も有れば、科学技術も天と地ほどに進歩し、文化や文明そのものが変わり果て、人々の暮らしも、世界の有り様も、まったくの別物にもなろう。
千年も前のことなぞ、歴史の果てへと過ぎ去り、『勇者の物語』なぞ、すでに伝説やおとぎ話の類いと成り果てていた。
──だが、それでも『僕』は、待ち続けたのだ。
いつの日か、『彼女』が、ここに来るのを。
「……まだこんなものが、残っていたのか」
もはや人類がすべて滅び去ったかと思い始めた矢先、優に千年ぶりに、僕は『訪問者』を迎えた。
『彼女』は、あの頃と、まったく変わっていなかった。
──僕がここで一人でずっと繰り返し夢想していた、『思い出の日々』そのままに。
それも、当然であった。
勇者パーティの魔法担当であった彼女は、一説では『不老不死』とも言われている、超長命種の『エルフ』なのだから。
「こんなところで出くわしたのは、ただの偶然か…………いや、もう、『運命』と言ってもいいかもな」
おっ、久々に会ってみれば、いいことを言うじゃ無いか?
「……およそ百年ぶりに会った『人間』が、銅像とはいえ、昔の知り合いなんてね」
え。
……今、何て?
「ホント、馬鹿な話だよ。私たちがあんなに必死になって、人類の敵の魔族を滅ぼしたその後で、大人しく平和を謳歌しておけばいいのに、今度は人間同士で争い始めて、挙げ句の果てには一人残らず死に絶えてしまうなんて」
…………人間同士で、争い始めた、だと?
なぜだ、なぜなんだ!
あれ程みんな、魔族の脅威に怯え続けて、平和を望んでいたと言うのに!
あれ程みんな、人間同士で一致団結して、魔族を打ち倒したと言うのに!
──いや、百歩譲って、この数百年の間、人間同士で争い合っていたとしよう。
だからと言って、人間が一人残らず、滅んだりするものか?
最終的に、一番強い国家が勝利を収めて、この地上のすべてを支配すると言うのが、お定まりじゃ無いのか?
……それともまさか、質の悪い伝染病でも、世界中で流行ったとか?
「こう言うと、不思議に思うかも知れなけどね。この千年の間に、人間社会は信じられないほど、進歩してしまったんだよ。──まさに、自分で自分たちを滅ぼしてしまうほどにね。何せミサイル一発で…………おっと、『ミサイル』と言ってもわからないか? むちゃくちゃ大きな爆弾付きの弓矢一つで、王国一つを滅ぼしてしまうほど、兵器開発を始めとする科学技術が進化してしまったのさ」
……弓矢のような飛び道具一つで、国そのものを滅ぼせるだと?
そんなの、魔王の全力による攻撃魔法以上じゃ無いか⁉
しかも、それを使って人間同士で争い合って、世界そのものを滅ぼしてしまうなんて。
……もしかして、僕ら勇者が倒すべきは、魔族では無くて、人間のほうだったのか?
──何せ、実はそれこそが、当時においても、僕の『真の望み』だったのだから。
「……ごめんよ、君が命を懸けて必死に守った世界を、滅びるままに見捨ててしまって」
そのように、真摯に謝罪の言葉をかけてくる、目の前のいまだ『少女』そのままの年格好の、『彼女』。
「私は人間の理の外にある存在だから、どうしようも無かったんだ」
……もちろん、知っているよ。
僕はむしろそのことにこそ、『一縷の望み』を託していたんだから。
「またいつか、ここに会いに来るよ。──もしかしたら、数百年後とか数千年後とかになるかも知れないけどね」
そう言うや、何の余韻も無く、あっさりと立ち去っていく『彼女』。
それでも僕は、満足であった。
──なぜなら、やっと僕の本当の願いが、今この時叶ったのだから。
……あれからほんの数百年ほどで、僕たち『勇者』のことなんて、みんな忘れてしまったって?
……挙げ句の果てに、この世界から、人間がすべて滅び去っただって?
──望むところじゃないか!
僕はただ、『彼女』にさえ、覚えてもらっていれば、それでいいのだ。
だって、僕は生きている時から、ずっと、
『彼女だけの勇者』に、なりたかったのだから。
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メリーさん太「……何だ、これ?」
ちょい悪令嬢「いや、先ほど申したではないですか? 本文において、『Y○AS○BI』様の『葬送のフリー○ン』のOP曲である、『勇○』について、何だか不満めいたことを申しましたが、だったら本作の作者自身が創るとしたら、どういったものになるであろうかと、いろいろと試行錯誤していたところ、そのOP案のイメージを参考にして、この【突発短編】が生まれたのですよ」
メリーさん太「えっ、これって『フリー○ン』のOPを、勝手にイメージしたものなの⁉ それって素人Web作家風情が、僭越すぎるんじゃ無いの?」
ちょい悪令嬢「うちの作者自身の完全オリジナルと言うよりも、本来の『Y○AS○BI』様だったら、『こうすべきなのでは?』と言った感じなのですよ」
メリーさん太「……『本来の』、って?」
ちょい悪令嬢「本文でも述べましたが、今回の『勇○』は『Y○AS○BI』様にしては、特に『詩』が原作そのまま過ぎるのですよ。本来ならもうちょっと、『一ひねり』有るはずなんですがねえ」
メリーさん太「『一ひねり』って?」
ちょい悪令嬢「あれって『視点』が、フリー○ンさん自身じゃ無いですか? 普通だったら『主人公』では無く、別のキャラの視点にするはずなんですよ」
メリーさん太「──ああ、そういえば、『アイ○ル』では、旧『B○町』の別のメンバーの視点だったし、『祝○』では、『エアリ○ル=エリ○トちゃん』の視点だったよな⁉」
ちょい悪令嬢「それで【突発短編】においては、主人公のフリー○ンさんでは無く、勇者であるヒン○ルさん──しかも、生前の彼自身では無く、『銅像としての彼《ヒン○ル》』と言う、かなりひねくれた視点にしてみたのですよ」
メリーさん太「そもそも『祝○』自体が、そんな感じだったよな。あれってある意味『ガン○ム』視点だし、しかも最後には朽ち果てて銅像みたいになっていたしな」
ちょい悪令嬢「──そして更には『勇○』の意味自体も、ちょっと変えてみたのです!」
メリーさん太「……いや、あのラストの『彼女だけの勇者になりたかったんだ』と言う台詞は、たぶんそれが言いたかったとも思われるんだけど、『葬送のフリー○ン』自体は、そんな話じゃ無かったろうが?」
ちょい悪令嬢「ですから、勝手にOP曲をでっち上げていた時に、その台詞を思いついたわけですよ。つまりこれで晴れて、この【突発短編】はあくまでも、うちの作者の『オリジナル作品』と言うわけですの☆」
メリーさん太「なるほど、『こうして他人様の作品をあれこれと考察しているのも、あくまでも自作づくりの参考にするためなのだ!』と言うモットーを、ちゃんと実践して見せたわけか? 珍しく感心だな!」
ちょい悪令嬢「──この、『彼女だけの勇者になりたかった』と言う台詞は、二人の関係性について、いろいろと想像や妄想をかき立てられますからね! いよいよ応募開始直前となった、各Web小説コンテストの応募作品づくりに、大いに役立てて参りますよ!」




