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第1523話、わたくし、日本ユーフラテス大学『危機管理学部』ですの⁉

「──理事長、一体どう責任を取られるおつもりですか⁉」




 早朝の『日本ユーフラテス大学』、理事長室。


 現在ここは、時ならぬ喧騒に包まれていた。


 いかにも神経質そうな金切り声を上げ続ける壮年男性に詰め寄られて、豪奢なマホガニー製の理事長席に縮こまって座っているのは、何とまだ十代ギリギリの年若さの、あたかもアイドルか女優そのままの絶世の美少女であった。




 森=ミストレス=百合子。──通称、『モリ子』。




 昨年、超人気番組『T○タックル』において、生着替えコーナーで『日ユ大芸術学部』卒業生の芸人たちが、出演者ならではの絶妙な角度で、グラビアアイドルの生着替えを盗撮すると言った、組織的犯行が発覚したために、社会的に責任を問われて進退窮まった日ユ大理事会が、『火消し』のために急遽『お飾り理事長』として抜擢した、同じく日ユ大芸術学部卒の現役アイドルであった。




「……あのですねえ、いくらその場凌ぎの『ピンチヒッター理事長』と言うか、イニングの間の休憩時間にキツネ耳をつけて踊り狂っている『球団マスコットアイドル理事長』と言うかの存在とはいえ、一応は『大学の顔』であるのなら、『危機管理』と言うものを重視してくださいよ?」


「……うう、す、すみませえん」




「何ですか、まだ警察が何も発表していない段階で、『日ユ大現役学生から卒業生芸人に至る、芸能界あげての組織的覚醒剤流通経路なんて、絶対有り得ません!』とかほざいた次の日に、学内に覚醒剤常習犯が見つかるわ、『日ユ大卒業生芸人のT○タックル出演を無期限禁止にします!』などと意気軒昂に吠えておきながら、たった五日で撤回するわで、もうむちゃくちゃじゃないですか⁉ おいおいおい、いくら阿呆の代名詞であるアイドルとはいえ、無期限延期が五日って、もっと日本語を勉強しろや、あんた一応は東京六大学(死語)の理事長なんだぞ⁉」




「──ちょっと、アイドルが阿呆とは、聞き捨てなりませんね! 実はアイドルほど、知的な存在はいないのですよ!」




「な、何ィ⁉」




「何せ下手したら小学生の時分から、政財界のおじ様から『ピロー()トーク』を聞かされているのですからね! 出世頭の某大先輩なんか、現役の国会議員であり、『……東京のスカイツリーに行けないのなら、パリのエッフェル塔に行けばいいじゃ無い?』などと田舎者どもを盛大に煽って、憧れの『マリー=アントワネット』ムーブをぶちかましており、現在話題騒然ですよ!」




「──いきなり、モロ『危険球発言』をぶちかますなよ⁉ そういうところが、『危機管理』がなっていないって言っているんだよ!」




「う、うぐうっ⁉」




「……まったくもう、あなたがそんなんだから、我々『日ユ大危機管理学部』が、現在壮大なる『風評被害』を食らっているのでは無いですか! 一体どう責任を取ってくださるのです⁉」




 ──そうなのである!


 何と日本ユーフラテス大学には、『危機管理学部』なんてものが存在していたのだ!


 ……それなのに何で、あの大学の経営陣ときたら、あんなにも『危機管理能力』が無いんでしょうねwww




 そりゃあ危機感理学部の学部長さんとしても、「……こんな体たらくで、一体誰がうちの学部を受験してくれると言うんだ⁉」てな感じで、怒髪天だよな☆




「……こうなったからには、理事長にも、うちの学部の『名誉挽回』に、全力で協力していただきますよ!」


「は、はい、私にできることでしたらッ!」


「いいお覚悟です、あなたにはこれからの謝罪会見においては、必ず『この衣装』を着ていただきます」


「私、これからも謝罪会見を開くことが、決まっているんだ…………ちょっ! それって何ですか⁉」


「何って、我が学部の(主に女子学生用の)ユニフォームである、『危○管理フォーム』ですが?」


「危○管理フォームううううううう⁉」


 まあた『ヤバいワード』が出てきましたね、この作者、悪ノリのし過ぎじゃ無いでしょうかw


「ちょっと、何ですか、このボンテージ風の露出度マックスの、破廉恥なデザインは⁉」


「──ティグリス・ユーフラテス文明より数千年の歴史を誇る、由緒正しき『まぞくの正装』に対して、破廉恥とは何事ですか⁉ 謝れ、シ○ミ子ちゃんと彼女のご先○様に、謝れえええええ!」


「──伊○いづも先生並びに、某大学関係者に謝るのは、おまえのほうだ!」


「……コホン、とにかくあなたは必ずこの危○管理フォームを着て、会見において『心からの謝罪の言葉』を述べられれば、それでいいのです」


「『心からの謝罪の言葉』、って?」







「もちろん、『……モリ子が悪いのよ』、ですよ☆」







「──てめえ、いい加減にしろ!」







   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




メリーさん太「……おい、これって」




ちょい悪令嬢「はて、何のことでしょう?」




メリーさん太「──すっとぼけるんじゃ無いよ⁉ 結局この作者、『危○管理フォーム!』って、言いたかっただけだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「そういや、前にもやりましたよね、このパターンw」


メリーさん太「……ああ、なんか、例の『スパイ気球事件』で話題になった鹿児島県庁内に、『危機管理課』なんてのが有ったとかで、嬉々として便乗したんだよな(呆れ)」


ちょい悪令嬢「──それが何と傑作にも、現在超話題の某『危険タックル大学』にも、『危機管理学部』と言うセクションが存在していたのですよ!」


メリーさん太「前回本作においてあれだけ『危機管理能力皆無の能無し経営陣』だと、散々貶したって言うのに、マジかよ⁉」


ちょい悪令嬢「知らぬこととはいえ、むちゃくちゃ効果的に煽ったことになりましたねw」


メリーさん太「──特に、『危機管理学部』の皆様に対してな! とんだとばっちりじゃねえか⁉」


ちょい悪令嬢「あとそれから、前回『小説家=嘘つき』と申しましたが、そういえば前期春アニメの覇権作品である『推○の子』においては、『アイドル=嘘つき』が最大のテーマであったことを思い出しまして」


メリーさん太「……だから今回の【突発短編】の主役である大学理事長を、あえて現役アイドルにしたわけか?」


ちょい悪令嬢「と言うよりも、最終的に『危○管理フォーム』を着てもらうのに、現実のままではいろいろと『問題』が有るじゃないですか? ──特に、『ビジュアル面』とかwww」


メリーさん太「──今すぐ、そのビッグマウスを閉じろおおお!!!」




ちょい悪令嬢「つまり、そもそもアイドルは皆とんでもない『大嘘つき』だから、現在某『T○タックル大学』と『損保のフロント企業の某中古車屋』とで、話題を三分している、例の『エッフェル塔』問題についても、いくら嘘をついてもおかしくは無かったわけですよ♡」




メリーさん太「──悪役令嬢《シ○ジ》くん、もうあなたは何もしゃべらないでえええ!!!」




ちょい悪令嬢「そう考えると『推○の子』って、あくまでも『創作物フィクション』に過ぎないんですよねえ……」


メリーさん太「……どういうことだよ?」


ちょい悪令嬢「そりゃあ『物語』として必要なことかも知れませんが、アイドルがあまりにも、『個人的な人間として、感情を持ち過ぎている』のですよ」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「例えば『枕営業』なんて、間違ってもアイドル個人の意思でやらかしたりするものですか。アイドルとはつまり、『商品』なのですよ? ちゃんと所属事務所の完璧な管理のもと、政財界の『お客さん』の要望リクエストに応えて、計画的に『出荷』するに決まっているではありませんか?」




メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「ただし、そこで『チャンス』を掴めるかどうかは、そのアイドル個人の問題なのです!」




メリーさん太「へ? 『枕営業』に、一体何のチャンスが有るって言うんだよ?」




ちょい悪令嬢「【突発短編】でも触れていたでは無いですか? いくら秘密厳守がモットーの『政財界の重鎮』であろうとも、いかにもずぶの素人のカワイ子ちゃん相手の『ピロートーク』においては、つい本音を漏らしてしまうもので、それを自分に関係無い戯れ言と捉えるか、将来の夢の実現のための『恐喝のネタ』と捉えるかで、運命が大きく分かたれてしまうのですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「実際同じグループのメンバーだったと言うのに、現在においては、片や国権の最高機関の一員だったり、片や『消息不明』だったりするしね」




メリーさん太「──ストおおおおおおおおお──ップ! それ以上は、もう駄目えええ!!!」










ちょい悪令嬢「……いや、案外『消息不明』になったほうが、うかつにも『絶対関わってはならない相手』に対して、『恐喝』していたりして☆」







メリーさん太「──ホントおまえは、もう何もしゃべるんじゃねえよ⁉」







【※作者注】


・何度も何度も申しておりますように、小説に書かれていることはほぼすべて『大嘘』であり、作者の妄想による『創作物フィクション』に過ぎません。


・よって今回の内容についても、けして芸能界や政財界における実態を描いたものなんかでは無いのです!(※ここ重要w)


・あくまでも、『アイドル』を題材とした小説や漫画やアニメにおける、一つの『モデルケース』を示したに過ぎませんので、悪しからず☆

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