第1512話、わたくし、自作で他の自作をステマしますの⁉【その5】
ちょい悪令嬢「──実は、今回すべての『発端』となった、『ヴァルプルギスの鏡像』と言う作品も、『ヴァルプルギスの心臓』の【プロトタイプ】の一つだったのであり、『小説家になろう』版においては、それこそ最初のエピソードとして収録しているのですが、今回再読した時、まさに『これだ!』と思いましたね! 完全に執筆に行き詰まっていたのに、問題が一気に解決しましたよ!」
メリーさん太「……『問題』って、さっき言っていた、『特亜諸国に対する偏見に満ちた架空戦記』のことか?」
ちょい悪令嬢「そうなんですよ、これについても最後に『自衛隊』を持ってくることによって、すべて解決です! 何せ大日本帝国軍人の暗躍によって、朝鮮戦争が再開したり、台湾のほうから中国に攻め込んだりして、東アジア全体が大混乱に陥ったところ、自衛隊の登場で一気にすべてが解決して、再び平和を取り戻したのですからね! 『正義と平和の軍隊』の面目躍如ですよ!」
メリーさん太「……なるほど、現在における特亜諸国間の関係的には、中国が勝っても駄目だし、台湾が勝っても駄目だし、北朝鮮が勝っても駄目だし、韓国が勝っても駄目なところ、もしもそれら国々が戦争や紛争を起こした場合、日本の自衛隊があくまでも中立の立場で、けして侵略目的なんかでは無く、各国が争うのをやめさせて『現状維持』こそを最優先にすることが、一番の解決策ってことか」
ちょい悪令嬢「『現実問題』としては、そううまくは行かないでしょうが、異世界を舞台とした創作物なら、何とでもできますからね。非常に偏見に満ちていた特亜を舞台にした【架空戦記】でしたが、自衛隊をあくまでも『ピースメーカー』として使うことで、文字通りすべてが『丸く収まった』わけなのです」
メリーさん太「──おお、確かに『逆のパターン』と言うのも、十分アリだな⁉」
ちょい悪令嬢「つまりは『押して駄目なら引いてみな』ってわけですよ。アイディアに詰まった時なんか、これを試してみると、結構容易に打開できたりして」
メリーさん太「……とはいえ、『懸案事項』も、いろいろ有るわけだよな?」
ちょい悪令嬢「はい、初期案では自衛隊は、『中つ国』こと神聖帝国『ёシェーカーёワルド』に所属していることにしていましたが、今回は『中立性』をより強調する意味で、『聖レーン転生教団』に属することにいたしましたけど、これはこれでいろいろと問題が有りそうですよねw」
メリーさん太「──そもそも『聖レーン転生教団』自体が、いかにも胡散臭いんだよ!」
ちょい悪令嬢「あえて『自衛隊』なんかを擁しているのも、単に異世界の平和を守るためなんかじゃなく、何だかろくでもない思惑がありそうですしね☆」
メリーさん太「……そこら辺は、続編でいろいろと語られると思うけど、作品に幅を持たせると言う意味では、それ程悪い選択では無かったかもな?」
ちょい悪令嬢「後問題は、『キャラクター造形』が、あまりにも『手抜き』だったことですよねw」
メリーさん太「──て言うか、あくまでも『ストーリー優先』で、各キャラに『個性』が全然無かったじゃないか⁉」
ちょい悪令嬢「まあ、今回も【試行版】みたいなものですから、本格的に【本編】を開始する時には、そこら辺にも力を入れる予定でございます」
メリーさん太「……まあ、これだけ色んなパターンを試してみたんだ、その【本編】とやらのほうは、期待していていいんだな?」
ちょい悪令嬢「──はい! 今回も【試行版】だったとはいえ、途中で完全に執筆が止まってしまったものの、数年ぶりにちゃんと連載を終わらせることができて、本作の作者としても大いに自信を取り戻しておりますので、近日中に本格的な連載をスタートできるものと思われますわ♡」
メリーさん太「……いやまあ、今回の【ネトコン11】の顛末については、概ね理解したんだけど、よければもう少し具体的に詳しく説明してもらえないかな?」
ちょい悪令嬢「『具体的に詳しく』、とは?」
メリーさん太「何よりも、『自衛隊が登場したから、すべては丸く収まった』と言ってたところだ。確かに自衛隊は『専守防衛』を旨として、自ら率先して武力行使はしないものの、そんなもの異世界人からしたら知ったことじゃ無く、彼らにとっては『大日本帝国軍』と同じように、『軍隊』としてしか認識しないんじゃないのか?」
ちょい悪令嬢「そこら辺は、何よりも自衛隊の『実績』を、鑑みればいいのですよ」
メリーさん太「『自衛隊の実績』だと? ──いやいや、『専守防衛』をこれまで頑なに守ってきたからこそ、武力行使の経験が一切ない自衛隊に、一体何の実績が有ると言うんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「実は今回の連載で、非常にヒヤヒヤしたのが、『小説家になろう』版第12話だったりするのですが、なぜだかわかりますか?」
メリーさん太「第12話って…………ああ、『台湾有事』において何と、むしろ台湾のほうから中国大陸へと攻め込むやつか?」
ちょい悪令嬢「その際に、かねてからの計画通りに、無数の魔法少女が『自爆特攻』することで、中国本土に甚大なる被害を及ぼしたじゃないですか?」
メリーさん太「うん、あれってむちゃくちゃ、趣味が悪かったよな」
ちょい悪令嬢「それが作品の公開とほぼ同時に、現実の中国も台風5号の直撃に見舞われて、少なからず被害を被ってしまわれたのですよ!」
メリーさん太「──そ、それって⁉」
ちょい悪令嬢「ええ、ある意味本作の『魔法少女の暴風雨そのままの自爆攻撃』が、現実の台風被害を予言していたかのような、いつもの『自画自賛』パターンですが、時系列を無視すれば、まるで中国の災害を揶揄するようにして、作品を創ったとも見なされかねないのです」
メリーさん太「『国際問題』待ったなしじゃないか⁉」
ちょい悪令嬢「──そこで、『自衛隊の登場』、ってわけなのですよ!」
メリーさん太「へ?」
ちょい悪令嬢「魔法少女が現実の台風の揶揄ならば、それを撃退して中国の人々を救った自衛隊は、一体何の『メタファ』だと思われます?」
メリーさん太「め、メタファ、って……」
ちょい悪令嬢「こう考えればいいのです、現実にも大災害に遭っている中国に、自衛隊が現れたとしたら、一体何のために派遣されたのでしょうね?」
メリーさん太「──ああ、そうか! 『災害救助活動』か⁉」
ちょい悪令嬢「そうです、まさにこれぞ、『戦わない軍隊』である自衛隊にとっての、『十八番』でございます☆」
メリーさん太「……なるほど、魔法少女に襲撃されている中国に現れた自衛隊は、台風被害に対する『災害救援活動』のメタファとも見なせるわけか⁉」
ちょい悪令嬢「台風災害に対する救援活動は、自衛隊にとってはお手の物ですからね」
メリーさん太「うん、納得したよ。世界屈指の戦闘力を有しながらも、戦後数十年間にわたって『不戦の誓い』を守り続けて、災害救助等の人道的活動に徹してきた自衛隊こそ、異世界においても『ピースメーカー』としての役割を十分果たしていけるだろうよ」
ちょい悪令嬢「一番有名な自衛隊を扱った『某なろう系作品』においては、平和憲法や自衛隊法や国際関係等々と言った、数々のしがらみなんか存在し得ない異世界において、自衛隊の『強大なる軍隊』としての側面を思いっきり発揮しておられましたが、当『ヴァルプルギスの心臓』においてはむしろ、『不戦』を誓い災害救助等の人道的活動に徹してきた、『平和と正義の軍隊』としての面を、大いに強調させていただいた次第でございます♡」




