第1511話、わたくし、自作で他の自作をステマしますの⁉【その4】
ちょい悪令嬢「──皆さーん、お約束通り、『第11回ネット小説大賞』の期間中に、エントリー作品である『ヴァルプルギスの心臓』の連載に、一区切りつけることができましたよ!」
メリーさん太「……ああ、うん、あの絶望的なスケジュールの中で、よくぞ成し遂げることができたな? 今回だけはあのアホ作者のことを、手放しで褒めてやってもやぶさかでは無いぜ」
ちょい悪令嬢「近年に無い『猛暑』であることは、全国的に同じ条件ではありますが、もうとにかく本作の作者には、小説を書いている『時間』自体が無かったですからね!」
メリーさん太「それって、実家の父親の介護のため、だよな?」
ちょい悪令嬢「一昨日の夜なんて、真夜中にいきなり二階の作者の部屋に上がってきたかと思えば、『……赤ちゃんの声が聞こえる。おまえどこかに、赤ちゃんを隠していないか?』とか、聞いてきたのですよ⁉」
メリーさん太「──怖っ! ちょっとした『ホラー』じゃんか⁉」
ちょい悪令嬢「そうそうw まさに『ホラー映画』とかにありそうなセリフで…………うおっ⁉」
メリーさん太「──ちょっ、今度は、どうした⁉」
ちょい悪令嬢「……た、たった今も、父親がリアルタイムで上がってきて、『……どこか遠くに行きたい、早く死にたい』とか言い始めやがりましたよ⁉」
メリーさん太「……え、何、このいきなりの『実況系Web小説』? 話盛っているんじゃねえだろうな?」
ちょい悪令嬢「本当ですってば、ほぼ毎晩この調子ですので、せっかく真夜中に起きても、小説を書く暇なんか有りゃしないんですから! ──ちなみに昨夜なんて、『……おまえ、隠れて釣りをしたりしていないだろうな?』とか聞いてきたのですよ⁉」
メリーさん太「……あんな山の中で、釣りも何も無いだろうが?」
ちょい悪令嬢「てっきり『フィ○シング詐欺』の闇バイトが、バレたかと思いましたよw」
メリーさん太「さすが、『悪役』令嬢! ──いや、冗談でも、そんなこと言うなよ⁉」
ちょい悪令嬢「まあとにかく、そんなこんなで『ヴァルプルギスの心臓』の最終話の公開は、締め切りギリギリになってしまったわけなのです」
メリーさん太「……【ネトコン11】エントリーを決意してから締め切りまで、おおよそ一週間近く有ったので、残り二話を作成するだけなら、余裕綽々のはずだったのになあ」
ちょい悪令嬢「何せ、小説を『構想』する暇すら有りませんからね、本来なら今回も、新作は公開しないつもりでいたほどです」
メリーさん太「ギリギリとはいえ間に合ったのは、7月の終わりの二日間だけ、唐突に暑さが和らいだからか?」
ちょい悪令嬢「それも有りますけど、やはり『やる気』がすべてですね。そもそも今回は『幼○戦記』アニメ版の全話一挙無料配信を見返していて、『インスピレーション』を得たのが大きくて、更には暑さと介護のために挫けそうになった時に、ネット上でも現在話題騒然の『B○nG Dream! ITS MyG○!!!!!』第7話を見ることによって、俄然やる気になりましたからね!」
メリーさん太「──どんだけ、アニメの影響が大きいんだよ、うちの作者の小説作成のモチベって⁉」
ちょい悪令嬢「もちろん何よりも、ずっと宙ぶらりんだった作品全体の『落着点』について、一応の『目処』がついたのが、一番大きいですけどね☆」
メリーさん太「……と言うと?」
ちょい悪令嬢「今回【ネトコン11】のほうで新規公開された第5話の、『弓状列島皇国軍、宣戦布告⁉』を読んでいただけるとおわかりでしょうが、これって明らかに『特亜』と呼ばれる日本の周辺諸国を中心に描かれているのですよ」
メリーさん太「ああまあ、そうだな。簡単に言えば、『第二次朝鮮戦争』を中心にして、事態が推移しているよな」
ちょい悪令嬢「しかもそれも日本の『宣戦布告』によって口火を切ると言った構成で、当然第6話以降も、あらかたの展開を構想していたのですよ」
メリーさん太「そうだったのか? それにしては【新章】のスタートエピソードである第5話の公開が、予定よりも二、三年も遅れてしまったじゃないか?」
ちょい悪令嬢「……嫌になったの、ですよ」
メリーさん太「は? 『嫌になった』、って?」
ちょい悪令嬢「確かに平和憲法下の日本がいきなり『宣戦布告』をしたり、更にそれに呼応するかのようにして『北』が南進を再開すると言うのは、本作の作者ならではの非常に独特かつショッキングなストーリー運びかと思いますが、特亜諸国をフィクションにおいて追いつめれば追いつめるほど、何か『虚しく』感じられてしまって……」
メリーさん太「ああ、初期構想としてのアイディア自体は良かったんだけど、結局やっていることが、『なろう系チート勇者の俺TUEEE!』そのままになってしまったわけか?」
ちょい悪令嬢「しかも見方によっては、単にイデオロギーに即して、自分の気に入らない勢力をディスっているようなものでしか無く、確かに本作においては何かと特亜諸国を『槍玉』に上げてクソミソに貶してきましたが、それはあくまでもその国の『落ち度』や過剰な『反日』的言動に対して、論理的に『カウンターパンチ』を食らわしているだけで、そのように根本的に間違っていたり、本作の作者のような庶民に害を及ぼしたりする場合には、別に特亜に限らず、アメリカのような同盟国でも、何なら日本国自体が相手でも、遠慮なくあげつらことこそが、本来の本作における『ポリシー』なのでございます」
メリーさん太「……それなのに、今回の新シリーズにおいては、とにかく特亜諸国をモデルにした異世界の国々を、一方的にとっちめる内容にしたわけか? 確かに『虚しい人形劇』とでも呼ばざるを得ないな」
ちょい悪令嬢「そうなんですよお、この時点でもう『モチベ』がダダ下がりになって、作品自体の『凍結』すら考えたほどです」
メリーさん太「……それがどうして、今回たった一週間ほどで、とりあえずシリーズ的に一段落つくほどに、作成を進めることができたんだ?」
ちょい悪令嬢「それは何度も申し上げているように、『幼○戦記』のアニメ版の全話一挙配信を視聴することによって、『いたいけな魔法少女が、凄絶なる戦場を縦横無尽に飛び回る』作品を猛烈に創りたくなったことと、そして何よりも、そのことに付随して、作成を中断していた『ヴァルプルギスの心臓』の公開済みの部分を再読して、思わぬ発見をすることで、すべてを『丸く収める』決着のつけ方に思い至ったからですよ!」
メリーさん太「ああ、確かに今回のエピソードに関して『丸く収めてみせる』って、何度も言っていたよな? それって『ヴァルプルギスの心臓』の過去作を見ていて思いついたのか?」
ちょい悪令嬢「一言で言うと、いつもの『逆』を行ってみたのですよ」
メリーさん太「『逆』、って?」
ちょい悪令嬢「元々この『ヴァルプルギスの心臓』シリーズって、自衛隊員が異世界転生して、そこで特殊部隊を作って国家に貢献しようとしたら、『世界の敵』──つまりは『ラスボス』が、同じく過去の日本から転生してきた『大日本帝国軍』だったと言うのが、『大どんでん返しのオチ』としてのセオリーでしょう?」
メリーさん太「……それって言うなれば、野蛮で好戦的な異世界のファンタジーキャラなんかよりも、一応軍隊組織とはいえ平和憲法に則った自衛隊員は、理性的で論理的でしかも正義漢であることをさんざん強調しておいて、実は世界で最も残虐な『魔女』たちの正体は、ある意味『日本人の本性』である大日本帝国軍人だった──と言う、皮肉極まる展開だよな」
ちょい悪令嬢「ですから、今回はそれの『逆』をやってみたわけですよ!」
メリーさん太「と、言うと?」
ちょい悪令嬢「大日本帝国軍人が異世界の魔女に転生して、悲願である『大東亜共栄圏』を建設するために、周辺諸国を戦火の渦に叩き落としてしまうのだけど、最後の最後で立ち塞がり魔女たちの野望を打ち砕くのが、現代日本人の『良心』としての、自衛隊の転生者だったと言う、これまた何とも皮肉に満ちた『大どんでん返し』を狙ってみたのでございます☆」
メリーさん太「──‼」
(※次回に続きます)




