第1504話、わたくし、今期夏アニメスタートダッシュ絶好調ですの♡【その6】
ちょい悪令嬢「──もちろん、【実験作】といえども、ちゃんと『オリジナル要素』もぶっ込んでおりますわよ!」
メリーさん太「『オリジナル』って、あの二次創作だかパロディそのもので作風でか?」
ちょい悪令嬢「『わたしの幸せ○結婚』が誇る万能家政婦のゆ○江さんが、『ネコマタの化身』であると言う箇所ですよ。原作をすべて確認したわけではありませんから断言できませんが、どう見ても彼女は普通の人間でしょうw」
メリーさん太「──すっかり騙された⁉ 何だよ、『百鬼夜○抄』や『夏○友人帳』とかの作品名まで挙げて、いかにももっともらしく解説したものだから、そのまんま納得していたよ!」
ちょい悪令嬢「本当に和風幻想ファンタジー作品に有りがちな展開であり、それに基づいての本作の作者の妄想なんですけどね。あえて『ネコマタ』にしたのは、同じく万能家政猫であられる、『デ○る猫は今日も憂鬱』の諭○さんに合わせたわけですw」
メリーさん太「じゃあ、ゆ○江さんが昔『宇宙戦艦の艦長』をしていたって言うのも、もちろん妄想や冗談の類いだよな?」
ちょい悪令嬢「それはある意味、『史実』です」
メリーさん太「──はあ⁉」
ちょい悪令嬢「いえね、ゆ○江さんの『中の人』が、かの高名なるSFアニメ作品の金字塔たる、『機動戦艦ナデ○コ』の艦長役をやられていたのですよ」
メリーさん太「『ナデ○コ』のミスマル・ユ○カ艦長の中の人って…………うおいっ、桑○法子さんじゃねえか⁉」
ちょい悪令嬢「そうですわ☆」
メリーさん太「……桑○さんが『老女』役をなされるようになるなんて、時代は変わったなあ」
ちょい悪令嬢「いくら時代が変わろうとも、アニメ等の創作物のセオリーは、根幹の部分では不変なのです! 今回の三話にわたる連載では、二つの世界観のまったく異なる作品のメインキャラたちを、あえて『スワッピング転生』させることで検証したわけですが、読者の皆様におかれてはいかがでしたでしょうか♡」
ちょい悪令嬢「──とまあ、今期夏アニメの要注目作品である、『わたしの幸せ○結婚』と『デ○る猫は今日も憂鬱』についてまたしても、いろいろと考証をしてみたわけですが、実はこれによって得た『結論』こそは、特にこの『わたくし、悪役令嬢ですの!』を始めとする、本作の作者の自作づくりの基本的モットーに、大いに関わっていたりするのです☆」
メリーさん太「……うんまあ、そもそもこの【座談会】であえて他人様の作品を取り上げて、『アニメ談義』なんかをやっているのも、すべては自作づくりのためなんだからな」
ちょい悪令嬢「もちろん、最初は単なる『妄想』でいいんですよ、『わたしの幸せ○結婚』と『デ○る猫は今日も憂鬱』のメインキャラの構成が似ているとか、単なる『こじつけ』に過ぎないし、異能の名家の家政婦さんが実は『物の怪』に違いないとか、もはや『言いがかり』レベルですしね」
メリーさん太「……それなのに、三回にもわたって連載化したのは、どうしてなんだ?」
ちょい悪令嬢「『無理筋』を通してこそ、『新たなる発見』的にトレーニングになるからですよ」
メリーさん太「は? 『新たなる発見』的な、『トレーニング』って?」
ちょい悪令嬢「普通、いくら『異能の力』が有ろうとも、大正時代の人間が現代の一流企業でやっていけないし、たとえバリバリの企業人であろうとも、ファンタジー世界で化け物退治なんかできないでしょうが?」
メリーさん太「そんなの当たり前じゃん、何言っているの?」
ちょい悪令嬢「その『当たり前』のことを、ジャンル全体でねじ曲げているのが、『チート転生系なろう作品』なのですよ」
メリーさん太「あ」
ちょい悪令嬢「まさしくかの悪名高き【架空戦記】そのもので、ヒトラーみたいな絶対権力者になって、しかも第二次世界大戦の推移を知り尽くしている『現代知識』さえ有れば、(コミュ障で社会不適合者でも)無双できるなんて、幼稚園児以下の低脳判定を下されても文句を言えないでしょう。こういうバカどもに対しては、『だったらおまえは、ルーズベルトやチャーチルに転生して、連合軍を確実に勝利に導くことができるのか?』のたった一言で、完全に沈黙させることができるでしょう」
メリーさん太「そりゃあ『世界大戦』なんて、たった一人の転生者なんかで、どうにかなるものじゃ無いしなあ」
ちょい悪令嬢「その点『幼○戦記』はよくできてますわね。むしろ『転生作品』は、ああいった『シチュエーションを楽しむもの』であるべきでしょう!」
メリーさん太「『シチュエーションを楽しむ』、とは?」
ちょい悪令嬢「現代日本の効率至上主義のエリートサラリーマンを、世界大戦真っ最中の異世界に、下士官レベルの現場指揮官として転生させて、時代の趨勢に翻弄されつつもどうあがき続けるのか、『観察』することですよ♫」
メリーさん太「──うわっ、作者は鬼か⁉ さすがは『存○X』様(Web連載用のペンネーム)」
ちょい悪令嬢「それに対してほとんどの『なろう系』が、世界大戦だろうが国家運営だろうが魔王退治だろうが、たった一人の転生者の『チートスキル』でゴリ押ししていこうとするのだから、『無理筋』と言うものでしょう」
メリーさん太「……な、なるほど」
ちょい悪令嬢「それは『わ○婚』と『デ○猫』のメインキャラのスワッピングでも同様で、いくら異能を持っていようが企業スキルを持っていようが、本来ならまったく異なる世界においては通用するわけがありませんよね?」
メリーさん太「そりゃそうだよな、特に文字通り『反則技』の異能ならともかく、何の変哲も無い『ビジネススキル』の持ち主を、剣と魔法のファンタジー異世界とか、世界大戦進行中の時代とかに突然放り込んだところで………………って、ああっ、これって、まさか⁉」
ちょい悪令嬢「ようやく気づかれましたか? わざわざこうして『延長戦』をやった甲斐が有りましたよw」
メリーさん太「そうだ、これって『幼○戦記』のシチュエーションそのものじゃんか⁉」
ちょい悪令嬢「そうなんですよ、今回ほんの思いつきで、『デ○る猫は今日も憂鬱』の登場人物を、『わたしの幸せ○結婚』の世界に転生させてみたわけですが、これによって何と、長年の『疑問』が氷解したのです!」
メリーさん太「……長年の疑問、て?」
ちょい悪令嬢「ですから、『幼○戦記』ですよ、『幼○戦記』! たかが効率至上主義の現代日本のビジネスマン風情が、世界大戦期そのままの時代背景の異世界に転生して、第一線の部隊の指揮官として活躍できるなんて、どう考えても有り得ないでしょうが?」
メリーさん太「──『幼○戦記』、全否定じゃねえか⁉」
ちょい悪令嬢「しかしそれが今回の三回にわたる『思考実験』によって、完璧に解明されたのです!」
メリーさん太「……と言うと?」
ちょい悪令嬢「ターニ○ちゃんてば、前世の『効率至上主義』ばかり注目されていますが、他人に対する『操心術』もビジネスマンとして、もしかしたら『本人無自覚』的に超優秀だったのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「『操心術』、だと?」
ちょい悪令嬢「『人心掌握術』と言い換えてもいいですけどね。ビジネスシーン等において、部下や上司の心を捉えて、自分の思い通りに操ることですよ」
メリーさん太「ビジネスマンとしても軍隊の中間指揮官としても、最強じゃねえか⁉ テ○さんてば、それを無自覚にやっていると言うのかよ⁉」
ちょい悪令嬢「『できるビジネスマン』としては、普通のことですよ。ぶっちゃけ『使えるやつ』として、上司からは重宝がられて、部下からは頼りにされるだけですから」
メリーさん太「……まさか『幼○戦記』が、単なる『サラリーマン指南書』のようなものとでも、言うわけなのか?」
ちょい悪令嬢「少佐殿の周囲の評価を鑑みれば、一目瞭然ではありませんか? どんな激戦においても部下を的確に指揮して、ギリギリのラインで困難を乗り越えているし、上官の意を汲み取り多くを語らずとも理想的な作戦遂行と抜群の成果をもたらしてくれるし、これで部下と上司の両方の信頼を得なければ嘘ですよ」
メリーさん太「そうなると、大隊長殿の部下に対する命令や上司に対する進言は、快く受け取ってもらえるようになって、基本的にすべてが『彼女の思うがままに事が進んでいく』って寸法か?」
ちょい悪令嬢「それが彼女にとって、本当に幸せか否かは知りませんがねw」
メリーさん太「……なるほど、彼女の部下に対するリーダーシップに関しては、疑いはしなかったものの、確かに上司にとっても、『使い勝手のいい部下』であることは間違い無いよな」
ちょい悪令嬢「結局、異世界なんかに突然放り出されてしまえば、たとえチートスキルを持っていようが、個人的にできることなんてほとんど無く、その異世界のプロである『異世界人』に頼るべきなのですよ。──そこで生きてくるのが、エリートビジネスマンならではの、『効率第一主義』と『操心術』であり、それができてこそ周りに優秀な人物ばかりが集まってきて、上司か部下かを問わず信頼を得ることができて、世界そのものを理想的な方向に動かすことが可能となるのです」
メリーさん太「そしてそれは実は、『わ○婚』や『デ○猫』のような、和風幻想ファンタジーや日常系OL物語でも、変わりはしないってことなのか?」
ちょい悪令嬢「そうです、『真に理想的な異世界転生』には、チートスキルなんて要らなかったのです。普通に現代的なビジネスセンスさえ有れば、世界大戦の時代であろうとも、生き延びていくことができるのです! 今回はこれがわかっただけでも、めっけものでしたわ♡」
メリーさん太「……いやこれって逆に言うと、コミュ障で社会不適合者の引きこもりどもは、たとえ異世界で生まれ直してチートスキル与えられても、何の役にも立たずのたれ死ぬだけと言う、(今期夏アニメにおいて二期目が絶賛放映&配信されている某作品を始めとする)『なろう系』全否定じゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「それを『幼○戦記』と言う作品の中で初めて実証なされたのは、あくまでも『存○X』先生であり、本作の作者は今回その事実に気づいただけですわ☆」
メリーさん太「──こ、こいつ、都合の悪いことはすべて他人様のせいにして、すっとぼけるつもりだな⁉」




