神武器と精霊王の呪縛
「にしても揺れが無くなったな森神竜での移動の時。」
確かに初期の森神竜は暴走竜だったので揺れが酷く家みたいに使えなかった。
『主、我を家のように扱おうとしていたのか?』
しゃーねぇーだろ。生活水準低すぎるんだから。
「そうなんですか?全くもって感じませんけど。」
「そうですよと言うかお二人は知り合いなんですか?」
「そうだけど・・・何で?」
「いえ初対面にしては馴れ馴れしいしこのテイムモンスターを預けて行くぐらいだから。」
テイムモンスター?如何言う事だと言うような視線をコーダに向ける。
「?俺テイムモンスターって言ったけ。」
「コーダさん何を仰っているのですか?普通モンスターはテイム出ない限り・・・いえ例外はありましたね。」
コーダの近くに居た男性プレイヤーがとても気になる事を言った。
「神武器の獣化は皆知っているぞ。俺が嬢ちゃん達に教えたからな。」
ソレは助かるんだが・・・
「というよりも神武器ACOではどんな扱いなんだ?」
勇者や神の加護や寵愛を受けている人間でないと神武器はその力を全力で引き出せない。それでもかなり強い為アイには神薙を獲得させたが槍の勇者がこちらにログインしていないのだろう。
「それは今だ分かっていない。俺やチェルンはマジカルソードで手に入れたからな。クロノはACOらしいが。」
で俺はACOとマジカルソードで。訳わかんね。
「まあスタッフに一也がいるから大体は一也の所為で皆片づけているよ。」
「コーダさん・・・それにリョーと言う人も聞きたいんだけど」
コーダの後ろに居た男性プレイヤー2が一歩出て訊ねて来た。
「そのGMの一也さんって凄い人なんですか?」
俺とコーダは顔を見合わせる。
「凄いも何もアイツは次元が違うからな。」
「お前が言うか?でも確かに次元が違うレベルに強いどころじゃない。」
「コーダさんがそこまで評価するなんて・・・」
「でもどの位なのあなた。」
「あなた?・・・ああ精霊王の呪縛か。」
呪縛って・・・確かにそうだけど。初代様め殺してやる。・・・故人だけど。
「でも確か九つの盟約で相手は自由なんじゃあ?」
九つの盟約。それは火(炎) 水(氷) 風(嵐) 土(大地) 光(聖) 闇(宵)と影 時空 無 の大精霊と結んだ契約でありその一つとして妖精王(婚約者)の選択である。
「妖精の性質知ってんだろ?ユンの場合役割が大妖精に好かれる所謂初代妖精王の戦い方に近いんだ。」
「・・・なるほど。要するに潜在的な本能と言う訳か。」
「そう言う事だ。」
『そろそろだな。』
『ですな。』
『この辺りとは。』
『うむこの気配は。』
『久しい。』
神武器に宿る獣が声を上げる。つまり・・・
「「総員 防御態勢」」
コーダともう一人の男性プレイヤーが声を上げる。
「エンチャント VIT MIND」
前衛数人と森神竜から降りて斥侯をしていたプレイヤーの耐性系のステータスを底上げする。
「槌界」
コーダのの防衛魔法が森神竜をも含めて発動する。直後、
「2時の方向に魔物が約300。」
その報告を聞いて瞬間俺は視線を感じる。
「競争だな。行くぞ。」
コーダが2つの神装備を装備し飛び出す。
「行くぞデニュニル グロウ」
俺も相棒を手に握りいつもどうりエアロブラストで駆ける。さーてと久し振りに雑魚相手にフルスペックで戦いますか。




