イベント 初日 レイドボス攻略 4
聖剣を召喚したリョーをは止める間もなくタトルに向かう。光の残像を残しながら。
「ダブルスラッシュ」
光り輝く剣が素早くタトルを斬り裂く。かと思うと離脱してタトルの咆哮攻撃のダメージを軽減している。咆哮が止むと直に飛び出しかなりのダメージを与える。
「何か踏ん切りがついたようだね。彼。」
エドさんとクロードさんが此方に来てそう言った。
「にしても本当にあったんだな聖剣召喚」
「何だソレ?」
確かに聞いた事が無い。まあ私もエドさんも後衛だから知らなくても何ら不思議はないのだけど。
「文字どうり聖剣を召喚するスキルだ。まあユニーク級であることは間違いないらしいがあの感じまだ何個か召喚できるみたいだな。」
さてレイドに1人で大ダメージを与えている兄を如何しよう。数日前にプロゲーマーとしての戦い方を教えてくれと願われたがあの剣技は間違えなく世界中探しても雀の涙程度しかいないはずだ。
「クロードさんこの前リョーからプロゲーマーとしての戦い方を教えてくれと言われたんだけど・・・・。」
恐る恐る聞いてみた。ただその表情は・・・・
「あれで自信が無いとかふざけてんのか?あんな綺麗な型を見せておいて。こっちが自信無くすぞ。と伝えてやれ」
驚愕と畏怖それに尊敬の表情がごちゃ混ぜであった。
だが本人からしてみれば生き残る為に磨いたスキルでしか無いのだろう。双大剣や槍でのパリング常識外・・・これが異界の勇者として彼が持つ能力。
「ちょっ速くないか?もう残りHPバー4分の1も無いぞ。」
「ぐずぐずしているとラストアタック貰うぞ。」
たった一振りの剣でプロゲーマーをも魅了する戦いをしている異界の力を持つトッププレイヤー。あれが私の兄で在り私の残された唯一の肉親。血はそれなりに遠いけど。
「足止めをするからあの馬鹿兄からLAを奪って。 シャイニング グラビティボール」
一度見せって貰った支援者の戦い方。私はそれに憧れ魔法職になった。さっきのエンチャントも知っていたが私にはあの使い方は出来ない。異世界を知っている人間が不遇スキルを選ぶ意味が無いはずだ。ただの暗視兼遠距離視認が可能なスキルでは無い。
この回想は止めておこう。いつかボロが出る。私が彼に持つ思いを告げれる日が来るまで。
「ミィーナ、ラスト貰うよ。ウィンドショット」
「えっ!ちょっ!ライトシャワー」
こんな感じだったのかなテンスの勇者は。
「クロスフィア リョーが行った方に飛ばしてくれ。」
急に嫌な予感がした俺はリョーが託してくれた森神竜にそう頼む。
『コーダの坊主如何した?お主のその強張った声は魔物暴走列車ぐらいだぞ。』
確かに急な展開に驚いたの確かだがラーア・・・一也は何がしたいんだ。何を知ってんだ?リョーにすら告げていないはずだ。それにさっきのは皇女がテイムした亀の子供のはず。
勝負師としての勘が警報を告げていた。この感覚は誰よりも優れていた為偵察も任されていた。頼むまで死に戻りをしてないで居てくれリョー。




