創造とリアルチートな勇者のTCG事情
「創造ってなに?」
「俺が今現在ぎりぎり使える個人スキル。スキルレベルにもよるが最初は創るもの質量(g)×1000のMPを消費する。創れるものは自身の記憶に在りかつ魔力がない事・非生物である事。以上の条件を満たしたものなら何でも作れる。」
「それ職人泣かせ・・・。」
「そうでもない。武器防具も追加効果なし、ポーション等の類に至っては作れない。それに素材の質も記憶の海から思い浮かべる必要がある。神スキルと呼ばれているがそれほど使える訳ではない。」
「そんなスキルがあるとは・・・・でも投石やカタストパルなどの城壁装備には持って来いだな。」
と早くも運用方法を考え出すエド。知謀型だな。魔法剣士型ぽいし。
「でもその感じリョーは使いにくいみたいだけど。」
「まあ万物錬金を使えばどこであろうと武器になるし。」
コレが俺の強みであり真価。最近は官営名義の建物もこれで建てた。どんな施設かは言わない。
閑話休題。
「ほらこんな風に」
トンと足音を立てて右足を前に出すとその数センチ前から石の槍がせせり出てきてエドの首元で止まる。長さ約10mの巨大な槍だ。今思うとでか過ぎるな。
「こっ、これが万物錬金?」
「視認できないほどの速さなんて・・・。」
驚く二人だが俺はミィーナの発言に驚く。まさか万物錬金の発動を視認する気だったのか?そうなると恐ろしい。
「お前動体視力凄いな。」
「人の手札を相手の目から視て作戦を立てるチートに言われたくない。」
確かに俺はTCGをする時それを使っている。流石に誰もそんな狂人じみた行動をされているとは思わず手札破棄やコンボを確実に殺すと言う類のカードが多く搭載されている俺のデッキは全国大会で使用しそのスタイルを停止する為に禁断指定と言われる大会に出る時には使えないシステムがあるが俺はあくまでコンビを切り崩すだけでその類の効果を持つカードが多すぎて指定できないのである。これを真似たデッキは作られたが使えないプレイヤーしかいなかった。当たり前だ。俺は相手の手札を見ながらプレイしているがそんな芸当とても他の人が出来る訳無い。結果俺は全TCG上最強のプレイヤーと言われどんなローカルな大会でも出る事が禁止された。
「なんかリアルチートな兄妹を見ていると自分が弱く見える。」
とエドが部屋の隅に闇を漂わせ体操座りになった。
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