落ち武者とレベルギャップ
「古院 キョルン βの時には3層しかなく2層に噴水があったはず。」
「ボスが強いのか?」
確かあの時はまぐれで在るものも神薙は入手できた。まっ今回も似たような展開にならないと良いのだが。
「いや普通のはず。いくら第3の町に来れるプレイヤーが少ないとはいえどもここは其れなりに外れだけから大して探索されていないはず。」
「情報なしか。まぁ何とかなるか開けるぞ。」
開けるとギギギと錆びた音を立てて扉が開く。中の作りはどちらかと言うと和風で在り襖もある。あれ?何でドアは金属製なんだ。如何でも良いけど其処は気になる。恐る恐る入るとドアが独りでに閉まる。
「インスタントダンジョンか。」
「何だそれ?」
「パーティーごとにダンジョンが生成されるシステム。此処から先は私たち二人だけで対処する必要があります。」
「マジか・・・・。まあ良いか。」
あの時も二人だったし。というか俺向こうで何回建物に閉じ込められたんだ?
「何か強張った顔していますけどどうかしましたか?」
「いや何処の世界に居ても閉じ込められるなと思ってしまった。」
「何か行かなくてよかった。」
「でもテンスの勇者に迫る力を持っているから召喚に遭っても問題はないと思うよ。」
武器の捌き方に関しては今まであった人の中で5本指には入るレベルだ。間違い無く神薙を扱えるだろう。
「1層の敵は・・・落ち武者?」
確かに持っている武器は刀のようだし鎧は和風だ。
「正式名称はフゥリーグンソードマン」
それ墜ちた剣士じゃないのか?
「来るって速っ!」
此方に走りながら抜刀し斜めに振り下ろして来る。ちっ!速度がケタ違いだろ。向こうでもこんなに強くないぞ。バックステップを踏み俺が居た地点に刀を振る。その隙をつき頭に唐竹割りを繰り出す。そしてその場で飛び俺の背後からアイが薙刀を下から突き上げる。
「エンチャント STR カースド VIT」
攻撃力を上がるエンチャントをアイに、防御力を下げるカースドをソードマンに施す。
「真意の突き」
白のエフェクトを纏った薙刀が首に突きささる。
『リョー様とアイ様がレベル30に達しました。』
「「また世界情報報道か!!!!!」」
どうもレベルギャップみたいです。
「にしても今日だけで何回流すんだろ」
「さぁ~。にしても幽霊屋敷か?」
さっきから人玉かフゥリーングンソードマンしか相手にしていない。
「何処にあるんだ階段?」
先程から階段を探しているんだがなかなか見つからない。というかこんな造りだったか?あの時。何かしらのギミックかイベントが必要なのかと思ったその時アイが
「ここってひょっとして地下に進むのじゃない?」
「地下か、何処に進む場所があったか?」
一つだけ心当たりがそう言い連れてこられたのは主に宴会などで使われそうな大広間だ。
「確かこの辺りの何処かに階段が出ると・・。」
階段まさか・・・・そう思いインベントリを確認する。
「どうかしたのか?早急に驚いたりして」
「まさか階段と怪談を組み合わせるとは」
インベントリの中には上層へのカギが入っていた。




