檻と魔物爆走列車
「と言う事なんであげるよ。」
俺はそう言いログインしてきたアイに薙刀を手渡す。
「まぁ必要ないのだけどって何コレ?」
俺が送った薙刀それは
鉄鋼殺薙
鉄や鋼レベルの金属・素材ならば意図も容易く斬る事ができる薙刀。もはや斬鉄剣もを超える。
「コレ材料何?」
「鉄だけど」
「なんかリョーと会話していると常識が音を立てて崩れ去っていくわ。」
「それは褒め言葉と取ろうか?」
「そう考えて結構よ。」
アイの性格は少し扱いずらいな。何処となくようじつの堀北に似ている。
「で二人は?」
「さぁ魔法師二人だからそう遠くには行っていないと思うけど。」
「なら第3の町に行かないか?まだ誰も行けていないはずだし」
「いいわね。ところでパーティーの役割を考えたいのだけど。」
「アイは如何したいんだ?」
「三人の時はタンクだったけどできればアッタカーの方が良いかしら。薙刀だと盾持てないから回避盾ぐらいの役割しか果たせないから」
タンクは盾役でヘイトを集めVITの高さで凌ぎ隙を見ては攻撃するパーティーの役割の一つで回避盾はそれとは違いVITではなくAGIが高く敵の攻撃を回避する盾であり魔法との射線に重なる可能性があるのであまり魔法職が居るパーティーでは好まれない。弓や銃職なら山形撃ちである程度対処できるのだが。
「なら俺がタンクやろうか?盾役ならこなせるし」
「確かにあの魔法があるなら良いけど。」
「なら良いな。では行こうか」
「あのあたりのモンスターは皮系の素材落とすから便利なんだよね」
「よう兄ちゃん」
神圧発揮相手は死ぬ(VRギアの補正無視で精神影響が出ます)当然のように精神疲労過多でシステム的にログアウト。
「さて行くか。」
「・・・・これが例の・・・・」
何故かアイの目からハイライトが消え虚ろになる。凄いな、この辺りまで再現するなんて
「お~いアイさんや~い」
「・・・・ハッ!如何しましたか?」
「いや何処か虚ろだったけど」
「気のせいです行きましょう。」
「よう嬢ちゃん。」
「殺っちゃダメ?」
「駄目に決まってるじゃないですか。逝きますよ」
「こんな昼間から「:灼熱の監獄 アビリティ 行動不能ログアウト含む」ハッ!」
「これなら逝かないはず。現実にも戻れないし死にも出来ない。」
「成程そしてあの魔法どれくらい続くの?」
「永遠だけど。」
「お前一人PKして一人を永遠に閉じ籠めておいて何も思わないのか?」
「ネームを見れば分かるだろ軽犯罪者。言葉のレトリックに騙されすぎだ。第一オレンジかレッドネームを攻撃してもPKにはならないしアレ手加減していたぞ。神圧は言葉の通りだ。最悪の場合心臓まひで死ぬぞ。」
(氷結の監獄)
「リョーさんやりすぎでしょ。でも正解って・・・可能だけど下賤の奴には無理ですね」
ポータルで第3の町に来てアイが話をきりだした。
「よく分かったな。あれ。」
「でもいいのかしらあんな物騒な檻置いておいても。」
「まぁ先着2名の大量経験値ブースターDPSチェックだし。運が良ければPKKボーナスまで得られる。そしてPKは一定期間ログインできなくなる。良いことづくめだしな。」
「それもそうか・・・って何あれ?西の外れから煙が上がっているけど・・・。」
「魔物爆走列車・・・スタンビート」
《緊急合同クエスト シークレンの都を守れ が開始されました》
絶望的な戦いが始まる。




