亮哉の日常
「ソレ連れてお風呂行っていいよ。その間に夕食作っておくから。」
美波を指差し上がら
「「はい。」」
「弁当箱も出しといて。明日の分の弁当も作るから。」
「良いんですか?」
「コレが迷惑をかけた駄賃と思ってくれればいいよ。」
「ではお言葉に甘えて。」
「行ってらっしゃい」
「最後まで無視ですか。」
美波の淋しげな言葉は虚空に呑みこまれた。
「「「御馳走様でした」」」
「お粗末さん。さてと プロシウブ 」
夕食が入っていた食器を念動で動かし洗浄魔法で洗い棚に戻す。
「にしても便利ですね魔法。」
「お前等変な奴に目をつけられないように気をつけろよ。あの事件も転移と収納を使ったのが原因だから。」
「それは気をつけたいわね。」
「私は自衛出来るから問題ないね」
愛子は意外と武道派である。
「そうか・・・。杞憂だな心配するなら。」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
暫く無言の時間が続く。なお三人とも宿題は終わらせているらしく暇らしい。風呂に入った後なので動き回る訳にもいかない。なお現在21:40程。
暇なので日課通りにニュースを見ながら商品・・・あっ!
「そう言えば報酬忘れていた。」
「確かアクセですよね。本当に良いんですか?」
「良いんだ。さっき説明したとおりに本来は手間賃・工賃だけども良いけど市場荒らす羽目になるから高めで特殊効果付きなんだよ。」
効果は一番上から収納・記憶力が上がる・常時体力回復や下の方だと点火や洗浄など様々だ。また新婚向けもある。何が回復するとは言わない。
「取り敢えず収納・転移・点火・洗浄・体力自動回復・鷹の目・認識阻害・記憶力上昇・俊足で良いか?」
これは美波に持たせている防犯ブザーと似ている。こんなんだからシスコンと呼ばれるのだろう。気にしないし義父になんて言われるか分からないからね。
「良いですけど・・・・本当に良いんですか?」
「良いよ。で確か愛子は十月、雫は三月で合ってるよな。」
送るなら誕生石にしよう。四月生まれは困るよね。ダイヤだから。
「そうだよ。」
「合っています。」
愛子用にトルマリン・雫用にアクアマリンを取りだす。指輪とネックレスを造る。ただ同じ宝石じゃ芸が無いので愛子用にダイヤ(さっきとの矛盾は無視)雫用にサファイヤと金属部分用に白金とミスルリと取り出す。コレは合金にすると見た目白金・性能魔力・電流をよく通す・ある種の魔法に反応して加工しやすくなるというチートスペックなのだ。オリハルコン?あれ金だから白金メッキしかできないんだよね。
錬金・錬成を織り交ぜ時に差材そのものに付加をしていく。およそ五分で愛子のがそのまた五分で雫のが出来る。収納の中にそっと忘れていた財布を入れる。勿論中身をある程度入れて。
「ほい完成。一応サイズは自動で変化するし所有者固定もしたから。」
所有者固定は盗難防止で所有者が戻ってこいや戻れなどの帰還命令で自分の元に戻って来る機能だ。
「有難う御座います。これでいろいろと楽になります。」
「認識阻害は有難いです。よくナンパ紛いの事を受けるんで。」
「よし!二人用に護衛兵器も作ろう。」
「出たよ。亮哉さんの保護欲というかなんか分からないけど。」
それはテンスの際の癖だから治せないよ。
翌日いつもより早く起き日課も1.5倍速で進める。なんせ弁当三人分だし。(基本的に朝ご飯も一緒に作るので・・・。)今日は和食だから弁当は洋かな。鯖を焼き鮭をムニエルして野菜などの副采をもる。今日のデザートはマフィンで良いかな。と考えながら湯を沸かす。コーヒー用に。と一連の料理が終わったのが6時半。おおむねいつも通り。もう直夏休みだから美波の出費も増えるだろうし授業の間に摘まめるものを多めに作る。これで6時50分。今日は遅いな。そろそろご飯食べる時間のはずだが。いいやいつもの仕事でもするか?野菜と回収していつものように袋に詰める。それをトラックに運びリビングに戻る。この間およそ十分。いつものペースだ。
「ふわ~おはようございます。」
美波一人が眠たそうな顔をしている。対して二人は、
「早いですね。」
「それに美味しそうだし。」
既に制服を着て鞄を持って降りてきている。いつもこんな感じでいて欲しいものだ。
「早く食べな。弁当も詰めておいたから。」
と言いながら美波にコーヒーを渡す。とても苦く入れたヤツを。正直青汁より苦い位の飲料を平気で飲める事に驚きがいまだに隠せない。朝からかなりのカフェイン摂取量だ。そして今だにカフェイン中毒では無いのだ。毒性無効のスキルわるから分からなくも何のだがそれだとカフェイン摂取の意味が無い。
昼食を食べ終え俺はガレージに向かう。当然のように美波は着いてくる。それもそうだ俺がシステムごと一新させたトラックは空間拡張時間経過停滞というトラックの中の時間進行が遅くなるシステムでそれは前部席のみに取り付けられている。つまりここでどんなにグウタラして居ても良いのだ。非常に便利で加工が間に合わない時も此処を利用する。
「何をしているの?」
玄関からそのまま学校に向かおうとしていた二人に美波が声をかける。
「いや学校に行こうと?」
「あれ?いつも送って貰っているて言ってないけ?」
「初耳だけど?亮哉さんは良いの?」
「作物卸すついでだから関係ないよ。」
なんせ高校の近くに道の駅があるからね。
「そう言えば親があそこに年中いろんな野菜が揃っているから便利だと・・・。」
「ご名答。それより行くぞ。」
「行ってくる。それと今日は辛い物で」
「はいよ、行ってらっしゃい。二人もいつでも来て良いからね。」
「「お邪魔しました。」」
と三娘を送り道の駅に野菜を卸し昨日の売り上げを頂きデパートにより必要なモノを買い家に帰る。さて今日もログインだ。双剣を使えるように頑張るか。
「という事ですね。」
「それお前等の日常だろ。」
「そうだな。というか案外自分が桁はずれな行動しかしていないように感じる。」
「「「「今更か?」」」」
「・・・そうだな。あっ!トーナメント始まるから行くわ。」
「頑張れよ。」
「応援しています。」
「それは有難いが俺の解説控えてくれ。」
「あぁ。」
「「「はぁ~い。」」」
さてと頼もしい?応援団も居るし頑張りますか。




