理由とスタイル
「如何言う事だ?ミィーナやエドウィード・・・面倒だからエドと呼ぶぞ。お前らが入っているクランはプロゲーマークランと言う事だろ。」
「そうだな。」
(耳は利かないと死んでるからな)
「つまり俺もプロゲーマーになる必要があるのでは?」
「スポンサーの一人が君を見たらしく身のこなしかたや案外キリッとした凛凛しい感じだから女性受けするだろうだからと。」
「客寄せパンダか?」
「まあ其れに近い感じだね。でも一つノルマが課せられていてね。」
そこから言いよどむエド。
「何か難しいのか?」
「君にはかなり。別ゲームのマジカルソードメイダーと呼ばれるVRゲームで来週開催されるPVPでのトップテンに入る事。」
「それ無理だろ。」
なんせ俺はMMO完全初心者だ。異世界での経験が役に立っているとはいえそれはサービスが開始した直後だからだ。それに壊れない初期武器があってこそ出来た技もある。マジカルソードは古参の由緒正しい?MMOで現在のプレイヤーの最高レベルは140を超えると聞く。俺が寄生しても40に行くか行かないかだろう。それにPVPを意識したスキル構成などを考えているだろうに。
「分からなくもないけどあれはプレイヤースキル測るのに丁度いいから。仮にトップテンに入れなくてもプレイヤースキルが選考会議認められれば特別になれるから。」
「でもギアが無いんだけど。」
懸念しているのはそこだ。ACO専用のカプセルベット型のギアが送られてきただけなので普通のVRギアがない。
「それは大丈夫だよ。先程上の方にミィーナさんが報告していたから。少なくとも必要経費で落としてくれるよ。」
ミィーナがどのレベルで凄いのか知りたくなったが怖くて聞けない。
「マジカルソードは僕のアカウントもあるからある程度の道具は融通が聞くけど完全に重装備の前衛の盾だからスタイルに合わないよね?」
「剣は片手か?」
「そうだね。かなりの重量があるけど。」
「其れがあれば大丈夫だ。そのレベルの剣を二振り貸してくれ。」
「分かったけど・・・要求ステータスとんでもなく成るよ?」
「構わない。」
二大双剣。
それは俺が得意とする両手に別の得物を構える戦法が得意な俺が魔物暴走の際に辺り一面にクレーターを作った戦闘スタイルだ。
「もしかして大剣の二刀流で漸く真価発揮するタイプ?鉈刀?」
本当は飛行魔道大剣だけど。
「双剣の扱いは慣れている。正直言って時間が無いから同一系統武器スキル重ねの攻撃力上昇は有名な話だろ」
これは薙刀を例にしよう。薙刀はアイが言っていたように槍からの派生でできる薙刀術という薙刀専用のスキルがある。それに薙刀の成長先に長槍・魔槍とある。
この四個(槍・長槍・魔槍・薙刀)を全てスキルに組み合わせると全てのスキルの固定ステータス上昇値がXとしてそれが四個分で4X。それに一攻撃での連鎖ダメージが生じる。
そこに「投げ」と呼ばれる物体を投げるのと投げ技に補正を持つスキルとその上位に投擲。其れを組み合わせて投げ槍を投げるとスキルだけでもかなりの補正が生まれる事になる。(ちなみに投げ用のアイテム以外を投げると通常攻撃判定にしかならない)それは所謂ロマン型構成と呼ばれまともに戦える訳ではないモノが多い。その分威力はかなりでかく過去にそれだけでPVPを勝ち上がり優勝した人が居るレベル。
エドは顔を少し曇らせたが
「・・・確かに其れが一番だろうね。」
と同意してくれた。
・・・・あれ?俺いつの間にか別ゲームの大会出場する事になったんですけど




