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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

俺はゴリキュア -契約して魔法少女になっちゃったよ-

作者: ゴリアーティ教授


「私と契約して、ゴリキュアになってよ!」


 赤いプリーツスカートをはいたゴリラが上記のセリフを(腹底に響く重低音で)言って来たら、皆さんはどう思うだろうか?

 俺は……自分の頭が壊れたのかと思いました。


 時刻は夕暮れ時。

 ゴリラの背後では茜色の空が美しい。


「…………」

「……私と契約して、ゴリキュアになってよ!」

「別に聞こえなかったわけじゃねえよ!?」


 まったく同じ文言を繰り返すスカートゴリラ(推定2m越え)に思わず怒鳴る。


「あら? ならどうして……?」

「それ言わなきゃわかりませんかねぇ!? 何の変哲もない高校二年生が帰宅途中にスカート穿いたゴリラに『私と契約して、ゴリキュアになってよ』って言われて固まらないわけないだろうがよっ!!」

「えっ……私で、固くなったの?」


 スカートゴリラ(筋骨隆々)は頬ポッと赤らめて身体をくねくねさせる。


「違ぇよ!! お前ふざけてるのか!?」

「ふざけてないわ!! 私は真剣に言っているのよ!?」

「真剣だぁ?」

「えぇ、この世界では人知れず魔法少女――通称、ゴリキュアが悪の組織『チンパン』と戦いを繰り広げているのよ!」

「魔法少女ぉ? ち、チンパン? ふざけてるなら帰るぞ?」


 そもそも何故このゴリラ(無駄に毛並みがサラッサラ)と会話を試みたのか自分でも謎だ。

 このゴリラ(どう見ても着ぐるみじゃない)は知能がそれなりにあるようだし、早々に引き揚げさせてもらう。


「あらっ、待ちなさい! まだ話は終わってないわ!」


 告げるなりゴリラは俺の行く手を阻み、その丸太のように太い腕で地面を殴る。

 するとコンクリートが蜘蛛の巣のようにひび割れた。


「きょえぇぇぇええええっ!!」

「いい? 話は最後まで……って、こら! 逃げないのッ! 待てぇぇええ!!」

「無理無理、逃げる逃げる!!」


 全力ダッシュでゴリラから離れるけれど……ちらっ、と後ろを見ると、牙をむき出しにした獣モードのゴリラが迫っていた。


「死ぬ、死ぬ死ぬ死ぬッ!! 殺されるぅぅううう!!」

「殺しはしないわよぉ!!」


 結局、鬼ごっこと言うより狩りごっこだったそれは、夜の帳が降りるまで続いた。



 ★



「今から百年前、『チンパン』は突然現れた。『チンパン』は人類を全て滅ぼし、この星を侵略しようとしている。それを知ったゴリアーティ教授は『チンパン』に唯一対抗できる人間――魔法少女ゴリキュアへ変身できる力を編み出したの」

「…………」

「そしてそのゴリキュアの適性を持つ人間を見つけるために、ゴリアーティ教授は私たち『九兵衛』を生み出したの」

「…………」

「本来ゴリキュアになれるのは十代の少女だけのはず……。でも、あなたからは今までにないほどの強いゴリパワーを感じたわ! お願いっ、私と契約してゴリキュアになって!!」

「…………」

「ちょっと! 何とか言ったらどうなのよ!」


 ゴリラの九兵衛(上半身はセーラー服)が無言の俺についに切れた。

 けれど、聞いてくれ。

 俺にも言い分があると思うんだ。


「話聞いてほしかったら、俺の足を持って逆さ吊り状態にするのやめろよ!!」

「だってあなた逃げるじゃない!」


 場所は自宅付近の公園。

 そのジャングルジムのてっぺんで俺は九兵衛に捕まっていた。


「ったりめぇだ! 大体何がチンパンだよ! ゴリキュアだよ! お前は馬鹿か!? しかも侵略って何だよ! 古いんだよ!! 日曜朝九時の女児向け番組でももうちょいましだろ!!」

「なによ、うるさいわね! そもそもあなた状況わかってるの!? 地球が狙われているのよ!?」

「だからそれが嘘くさいって――」


 言い返そうとした瞬間、九兵衛の表情が真剣なものになる。

 普通に怖い。

 普通に殺されそうで怖い。

 内心びくびくと怯えていると、九兵衛がぼそりと呟いた。


「――来るッ」


 刹那、月明かりで明るかったはずのジャングルジムに大きく影が差す。

 九兵衛は、バッと背後を振り返り、夜空で輝く満月を見やった。

 するとそこには空中に浮かぶ人影――。


「あれがチンパンよ」

「マジかよ……」


 人影はこちらには気付かず、何処か離れたところを見ていた。

 それはJKを物色するエロ親父の如し。


 身長はおそらく170㎝ほど。

 背筋がピンと伸び、同様に尻尾もピンと伸びている。

 ぎょろぎょろと充血した瞳が動き、フクロウのように首を動かし気味が悪い。


 気味が悪いところを除くと、一見して背筋の良い猿だが、動物園でキーキー鳴いてる猿と違う点が一つ。


「何故、メイド服……」


 奴はメイド服を着ていた。


「冥途と掛けてるらしいわ」

「くだらねぇ!!」

「ちょっ、声が大きい……!」


 思わず大声になった俺の口を九兵衛が塞ぐ。

 頭を握りつぶせそうな巨大な手が顔に触れて生きた心地がしない。


「アイツ、得物を見つけたみたいね……」

「得物……?」

「えぇ、でもどうしましょう。この辺りに他のゴリキュアは……」

「俺はやらないからな」


 ちらちら視線を向けてくる九兵衛に冷たく告げる。


「そうだ、あなたも一度その現場を見れば心変わりするかもしれないわ! 行きましょう!」

「え、ちょ、まっ……っ!」


 制止の声も届かず、九兵衛は大きく跳躍。

 足を掴まれたDK(男子高校生)と2m越えのDK(ドンキー)が夜空を舞った。


 何度か地面に着地しながらも恐ろしい速さで先ほどのチンパンを追い――とある廃工場まで来るとそっと下ろしてくれた。


「中を見て見なさい。ただし、声は出さないで……」

「(……ゴクリ)」


 真面目トーンで告げる九兵衛に頷き返し、ちらりと覗く。

 するとそこでは……先ほどのチンパンが一心不乱にバナナを食っていた。


「…………?」


 一度目を擦り、再度覗き込む。


「むしゃ、はしゅ、ごくっ! むしゃむしゃ、ごくっ!」

「ただの食事中じゃねえか!」

「こら大声は……っ! 見つかったわ!」


 九兵衛に言われてみると、充血してギョロついた瞳がこちらを捉えている。


「……っ! た、確かに怖いが、あれのどこが侵略なんだよ!」

「貴方何を言っているの? おそろしい、おぞましい……。チンパンはバナナを食べると狂化されていくの。そしてその力で人々を襲うわ! ……っ! 危ないッ!」


 九兵衛が俺を突き飛ばす。

 2mのゴリラの膂力は凄まじく、俺は10mほど吹き飛ばされた。

 正直、死にそう。


 文句の一つでも言ってやろうかと九兵衛を見ると……そこには九兵衛の首に手を掛け、片手で浮かせているチンパンの姿。

 あの巨漢を片手で、だと!?


「九兵衛!!」

「くぅ……!」


 マズい! 九兵衛の言っていたことは本当だったんだ!

 確かにゴリラを片腕で持ち上げるチンパンを相手に、人間が勝てるはずがない!

 相手がもし腕力だけなら大丈夫かもしれないが、今のチンパンの動きは目におえないほど速かった。


 冷や汗がたらりと流れる。


 くそ、こんなのが野に放たれたら……っ!


 思い浮かぶのは学校の友達や家族の顔。


 どうする、どうすればいい!!


 考えている時間は無い。

 あのゴリラ曰く、この近くにはチンパンに対抗できるゴリキュアは居ないらしい。

 だからと言って、俺が素手で挑むなどそれこそ無駄死にだ。


 考えろ、考えろッ!


 その時、俺の脳内に九兵衛の言葉がリフレインする。


 ――『本来ゴリキュアになれるのは十代の少女だけのはず……。でも、あなたからは今までにないほどの強いゴリパワーを感じたわ! お願いっ、私と契約してゴリキュアになって!!』


「――ッ! 九兵衛! 俺、ゴリキュアになるよ!」


 九兵衛は言った。

 俺は今までにないほどのゴリパワーを持っていると!

 それが何なのか皆目見当つかないが、ゴリキュアになるのに必要な要素だと言うことだけはわかるっ!


「あなた……っ! こ、これを使って!!」


 九兵衛はスカートをめくり、青のパンツの中に手を突っ込んで中から一本のピンク色のバナナを取り出し、投げる。


 何処に入れてんだ!!

 てか、何でピンクなんだよ!


「おっとと……生暖かい!! くそ、これをどうすればいいんだ!?」

「説明書が付いてるでしょ!?」

「説明書!? 説明書何てあるの!?」


 よく見るとバナナの皮の所に文字が掘ってあった。

 ギャルっぽい丸文字だった。


『せつめいしょ♡

 ☆は・じ・め・に☆

 ゴリスティックを使って、キミもゴリキュアになろうっ!

 ゴリキュアは愛と勇気を持つ、正義の魔法少女なのだっ!


 ☆つ・か・い・か・た☆

 皮をむいてぇ~一気にたべちゃうのっ!

 え? 無くなっちゃうって?

 大丈夫♡ ゴリスティックは、九兵衛からいくらでももらえるからっ☆


 たべちゃったあとは、変身の呪文が頭に浮かぶはず!

 元気にお空へ叫んじゃおう♡』


「…………」 


 期待を裏切らねえぜ、ゴリキュア。

 いろいろ突っ込みどころはあるが、この際無視だ無視。


 俺はピンクの皮をむいてバナナを頬張る……うめぇ!! 何だこのバナナ、超うめぇ!!


「むっ、これが変身の呪文……え?」


 食い終わった俺は頭に浮かんだ呪文に絶句する。

 だって、それは……言えば人間として大切な何かを無くす気がするから……。


『うぅ……ゴリキュアの、気配? ……貴様……貴様だな!?』


 ふと、恐ろしいほどの萌えボイスが聞こえてくる。

 まさかと思って振り返ると、それはチンパンのものだった。

 奴は九兵衛の首を絞めることを止め、こちらに向く。

 そしておもむろに取り出したバナナを頬張った。


『全力で、殺戮する……』

「……っ!」

「は、早く! 早く呪文をッ!」


 九兵衛が必死の形相で叫んだ。

 くそ、やるしかないのか……ッ!


 俺は羞恥心を捨て、一度大きく息を吸うと、満月の綺麗な夜空へ向けて吼えた。


「ウホー! ウホウホ、ウッホーホ! ホーホホーホ、ウッホーホ!! ――『変身』ッ!!」


 この呪文考えた奴殺す。


 殺意を覚えた瞬間、俺の身体をピンクの光が包み込む。


 シュルシュルとリボンが体中に撒きついて、そこに服が形成されていく。

 もちろんふりふりの女物だ。

 日曜朝9時からやっている女児向け魔法少女と同様のエフェクトが身を包み、そして――。


「――愛と正義に燃える心。美しく、儚く咲く花の様に私は今、立ち上がるっ! 魔法少女、ゴリキュア!!」


 何故か、口が勝手に動いたんです。


『き、貴様、変態だったのか……っ!?』

「違ぇよ!!」

『いや、だってそこの窓見てみろよ』


 チラリと俺は廃工場の窓を見る。

 するとそこには俺の今の姿が反射して映っており……。


 頭にはピンク色のベレー帽(少し大きめ&側面にバナナの飾りつき)。

 服装はピンクのゴスロリで、バナナの飾りつき。

 まさかと思いスカートの中に手を入れると女物のパンツだった。


 俺の手の中には先端にバナナが付いた可愛らしいステッキが握られている。

 いや、先端にバナナが付いてる時点で全然可愛くないのだが……。


「これが……俺? まじで変態じゃねえかっ……!」


 思わずうなだれる。

 だが、そんなことをしている時間などない。


『クックックッ、変身したところ悪いが俺はすでにバナナを十本食べている。――俺の名はアポカリプス! 狂化され尽くしたチンパンの恐ろしさ、見るがいいッ!』


 名前カッコよすぎぃ!!


「……ッ! 早いッ! ――ぐあぁぁあああ!!」


 一瞬でアポカリプスの姿が消えたかと思うと、次の瞬間背中から恐ろしい衝撃が。

 廃工場の中へと吹き飛ばされて段ボールに直撃。

 その中身はバナナ。


「くっ、バナナが無ければ即死だった」

『ふんっ、運のいい奴め。だが二度は無い!』


 チンパンが萌えボイスで叫びながら接近、ドラゴンボ〇ル顔負けの連続攻撃ッ!

 俺は腕で顔をかばうように丸くなることしかできない。


『弱い、弱すぎるぞゴリキュアッ! フンっ!』


 鳩尾を殴られ思い切り吹き飛ぶ。


「大丈夫ッ!?」


 そこを受け止めてくれたのは九兵衛だった。


「つ、強すぎる……」

「えぇ、奴はバナナを食べてチンパワーをかなり上昇させているわ。……こうなればあなたもアレを解放するしかなさそうね」

「アレ?」


 アレとはなんだ? と尋ねようとして……。


『俺を忘れるんじゃねえ』

「……っ! ぐあっ!」


 先ほどまでの九兵衛よろしく、今度は俺が首を絞められる。

 恐ろしい力で、持ち上げられた。


『死ぬがよい、ゴリキュアよ』

「く、そ……」

「今よ、必殺技を使って!」


 その言葉に俺は目を見開く。

 そんなの聞いてねえよ! 説明書にも書いてなかったぞ!


「貴方の持つゴリパワーなら十段階狂化されたチンパンでも倒せるッ! 自分の中のゴリパワーを信じて!」


 意味が解らん。

 意味が解らんが……。


「わかった! ぉぉぉぉおおおおおッッッ」


 右手に力を込める。すると、淡い輝きが宿った。

 さらに力が込めると、先端にバナナが付いた杖がへし折れたが……関係ないっ!


『クククッ、無駄な悪あがきを……。……!? な、なぜだ! こいつのゴリパワーが急速に上昇していくだと!?』


 驚くチンパンに、九兵衛がドヤ顔で語る。


「ゴリパワーとは内に眠る大いなる力。人間が進化の過程で忘れた野生の力。えぇ、よく考えれば彼は最初から異常だったわ。私と追いかけっこをして夜まで逃げきり、逆さにつるされた状態でも話し続けていた……。彼が無意識に発動させていたゴリパワーは彼が認識したことでさらに増幅したのよッ!

 決めなさいッ! 選ばれしゴリキュア!」




「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!

 ゴリキュアッ――『終焉の(ファイナル)黄色果実の(ヴァナナ)一撃(ストライク)』ッッッ!!」




 いつの間にか恐ろしいまでのピンク色の光を帯びていた右腕を、チンパンの顔面に向けて放つ。

 すると――ゴキィッッ!! ゴリゴリゴリ……スポンッ! ブシャーッッ!!


 チンパンの首が折れたかと思うと、そのまま回転してついにねじ切れて何処かへと飛んでいき、信じられないグロ映像の果てに帰り血の雨が降った。


「「おぇぇぇぇぇえええええええええええええ」」


 九兵衛と一緒に吐いたのは言うまでもない。


 そして廃工場には、魔法少女のコスプレをした血塗れの男と、同様に血塗れのゴリラ。メイド服姿で首から上のない猿の死体が残った。


「……おめでとうゴリキュア!」

「ふざけんな!」


 サムズアップしてきたゴリラの頭を殴ったのは言うまでもないだろう。



 ★



 廃工場の夜から三日が過ぎた。

 結局しばらくするとチンパン――アポカリプスの死体はどういう理屈か地面の中に吸い込まれていき、返り血も同様に無くなった。

 本当によかったと、俺は泣いて喜んだ。


「で、何でお前が俺の家にいる?」

「駄目かしら?」

「駄目に決まってんだろ!?」


 九兵衛はと言うと、リアルゴリ姿からデフォルメっぽい感じでちっこくなりやがった。

 それでもセーラー服に赤いプリーツスカートのゴリラと言うのは可愛くない。


「何で駄目なの?」

「キモいから。大体、お前はゴリキュアになれる少女を探してるんだろ? こんな一か所にとどまってたら駄目だろうがよ!」

「あぁ、それなら大丈夫。私は何人もいるから」

「それなら納得……するわけねぇだろ!? はぁ!? 何人もいる!?」

「えぇ、私は製造番号3784572。魔法少女ゴリキュア選別体『九兵衛』よ」

「衝撃の事実!」

「それに、強いゴリパワーを持つあなたの周りには、同じようにゴリパワーを持つ女の子たちが集まっているはずよ。そう言う物なの」

「何そのご都合展開! 聞いてない!」

「今聞いたわね!」

「ふざけんな! クソゴリラ! 鍋にして食っちまうぞ!」

「やれるものならやってみなさい」

「くそっ、大きくなるのは卑怯だ!」

「でも、実際の所、変身に必要なゴリスティックを出せるのは私だけだし、いざというときゴリキュアになれないと困るでしょ?」

「はぁ、でもチンパンは昨日倒したじゃんか。他に居るのだとしてもそれは別のゴリキュアが……」

「いえ、無理よ」

「なんでや」

「先日のアポカリプスと言うチンパン、ゴリアーティ教授によるとかなりの高位素体だったようで、チンパン達はこの街を危険と判断して、この街の上空に第35チンパン部隊の艦隊を送り込んだそうよ! その際街を囲むように結界が張られて、強いゴリパワーを持つゴリキュアは入れなくなったみたいなの! だから、一刻も早くこの街で他にもゴリキュアの素質がある子を探さないと……っ!?」


 九兵衛の目が見開かれる。


「お出ましのようね……」


 九兵衛はパンツの中からピンク色のバナナを取り出す。


「さぁ、変身よゴリキュア!」

「え? まじで!? まじで言ってるの!?」

「マジよ!」


 嫌だ。

 正直超嫌だ。

 せめて仮面ライダーが良い。

 何故、女装魔法少女になって戦わなければならないのだ……。


 でも……。


「あぁ、もうくそっ! わかったよ、やりゃあいいんでしょ、やりゃあ!」


 俺は部屋の中で変身すると、そのまま飛び出す。


 今の時刻がお昼時で、女装魔法少女となっている姿をご近所さんに見られたと知ったのは、すべてが終わり血の雨を浴びている時だった――。



 ウホー! ウホウホっ、ホホーッ!! ウホホーッ!!(よければ感想ください)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 女装魔法少女、少年?というあまり見ない設定。 情景がありありと浮かぶ文章。 キャラがインパクト大。 [気になる点] >「アイツ、得物を見つけたみたいね……」 >「得物……?」 ここの…
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