昏き心
世界は並行して無数に存在し。
また、それらの世界に住む住人達の分だけ、願いもある。
だが、神は一人しかいない。
神は全ての始まりと共に生まれた。
全ての世界は、神にとっては言わば、兄弟の様なもの。そこに住む住人達もまた、然りである。
だが、神は彼等の願いを叶えることはない。
願いという物は矛盾している。
世界は自動で回っている。
神はただ、日と日の堺にその日その世界が活動出来るだけの動力を注ぎ込んでいるだけである。
これに介入出来るのは神だけであるが、一つの願いを叶えてしまうとその世界が壊れてしまうから。
それは即ち神の消滅、全ての消滅に他ならない。
死に行く我が子を見つめることしか出来な母親の悲痛な願いも。
終わらない戦争の終わりを終わりを望む願いも。
神はそれらから目を逸らそうとした―が、出
来なかった。
見たく無いものも見えてしまう。
嘆き、悲しみ、神は己の心を一部だけ残し封印してしまった。
ただ神としての責務を果たすだけの機械的な日々。
永劫に続く永い永い時を、神はただ見つめるだけ。
ーだが、ある日。とある世界の地球という星に、神と同じ力を持つ男が現れた。
ここ迄読んで下さり、有難う御座います!
次回は不幸者の少年のお話です…