-4- 残酷描写有
※最後に動物を殺す描写があります※
この世界に来て三日目。
少しでもここの事を知る為に身振り手振りで連れてきてもらったお城の図書室で、出来るだけ挿絵が沢山載っている本を読み漁っていた時の事だった。
「怪物を家畜みたく育ててるってどういうことよ。初日に見せてもらった絵本のような事態にはなってないってワケ?だったらあたしが召喚された理由って――――待て、そもそも。本当にあたしは望まれてこの世界にやってきたの、かな」
ふと浮かんだ疑問。周りの人々のあたしに対する態度。
あたしの召喚が予期せぬものだったら、何らかの事故又は副産物だったとしたら。
「この上ない邪魔者じゃないですかー……」
気付きたくなかった可能性にがっくりと肩を落とす。
怪物の事が引っ掛かってたあたしは取りあえず生物図鑑であろう分厚い本を開いており、適当な頁を開いてそこに顔を埋めた。字は読めずとも絵は見える。そこには昨日目にした首二つの鶏が卵を産卵している様子が描かれていた。
「こっちでは怪物のようなアレが動物として認識されてるのかなぁ」
だとしたらあたしの世界の「動物」はこちらに存在していないのだろうか。かなりヘコむ。
そんな時、窓際からチュンチュンと懐かしい音が聞こえてきたのである。
「ん?…あ、スズメだ!!良かったーっ、少なくともこっちの世界にもスズメは存在してるんだ」
嬉しさのあまり窓に駆け寄り勢いよく開け放つ。しまった!と焦ったけれどスズメは何故だか逃げ出さず、桟の部分に留まったままだった。
「人慣れしてるのかな?こっちにおいで………菌とか持ってるって言われてるけど、すぐ手を洗えば大丈夫…だよね?」
腕を伸ばして指をちょいちょいっと動かすと、スズメは軽くジャンプしてあたしの手の中に収まった。
野生のスズメとこんなに触れ合うなんて初めてでぷにぷにつついてみる。可愛い。
「随分大人しいんだね、誰かに飼われてるのかい御嬢さん」
女の子か分からないんだけど。
机の上にスズメを置いてじっと観察してみる。元の世界の時はそんなにスズメを観察したことがなかったから、相違点があったとしてもよく分からない。ただ見慣れているスズメよりも若干もっふりしているのを見てみると、これから寒くなるのか若しくは日本よりもこの土地が寒いのかという推測は出来た。
「さて。あんまり引き留めちゃ悪いもんね、付き合ってくれてありが」
「z、mvxbん305¥26い3b!!!!!!!!!!!」
「なななななっなに!!???」
再びスズメを手の中に収め窓際に近づいていくと、少し遠くからあたしを監視していた茶髪の女の人が突然大きな悲鳴を上げた。そして悲鳴に反応してけたたましく図書室の扉が開き廊下から甲冑の兵士たちがなだれ込んでくる。
「なにごと………」
「−35m。、!!」
「pw3おい5mb。sd」
「えぽwt!」
「えぽwt!」
瞬く間に兵士たちはあたしを囲う様に円陣を組む。
本当になんなの?あたしなんかした?スズメ?スズメなの?この世界の人はスズメが嫌いなの?
「痛っ――――――ひぃっ」
戸惑うあたしの隙をつき、兵士の一人がスズメを収めていた手首をばしんと払った。
反動でスズメは手の中から飛び出し、そのまま、別の兵士が、スズメを。
「どう……して…」
突き刺して、殺した。
刺されたスズメはビクンと一つ痙攣して、それから動くことはなかった。




