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魔王様の溜息  作者: 黒筆猫
第3章 人間返還計画
8/26

 今日から、さらわれていた人間達が、この城に集まってきます。人間と直接会うのは初めてなので、緊張していつもより早く目が覚めてしまいました。前の世界では、家族か病院の先生や看護婦さん以外とは、ほとんど話をしたことがないんですよね。


 しかも、さらわれてきた人達です。怨み言を言われたら、立ち直れないかもしれません。考えただけで怖いです。


「おはようございます、ミナ様」


 そんなことを考えていたら、今日の朝の当番のマーシュアが来ました。


「おはよう、マーシュア」


 マーシュアは人魚族です。上半身が人間の体で、下半身は魚の状態と、人間に変身できます。髪は銀色に輝いて、お尻の辺りまで有るストレートです。薄紫の瞳が印象的でスレンダー美人です。一番綺麗なのは声で、この間の夜に眠れなくて、子守唄を歌ってもらったらうっとりしてしまいました。声のせいか人魚族の女性は、ほかの魔族に子守をよく頼まれるそうです。魔王がいない間の魔族同士の共食いが起きていた時も、人魚族だけは手を出されなかったそうです。育ての親には酷い事は出来なかったみたいです。


 最近はミナと呼んでもらっています。陛下とかミナフィリス様とか呼ばれても、自分じゃないような気がして、落ち着かないのでお願いしました。様付けも本当は嫌なんだけど、それは絶対譲ってくれませんでした。しかも最近は敬語とか丁寧に話すと、返事をしてくれません。今の私は生まれたばかりで、出来ることが魔力の放出と、イメージしたものを一時的に出現させる事が出来るくらいなので、誰かの手を借りないと子供の体の今、移動ですら大変なのでうっかり敬語を使わないようにしてます。


「それでは失礼します」


 朝一番の入浴のために、抱っこをしてもらって浴室まで移動します。


「うん」


 抱っこと言っても、左腕を体の前で座り安いように曲げてもらって、その上に座って私が右手を肩か首の後ろ辺りにおいてバランスを取るようにしています。抱っこしてくれる人に対して、体が横になる感じって言えば判るかな?おんぶは格好が悪いし、普通の抱っこでは前が見えにくいので私が嫌なんですよね。


 マーシュアは人魚で水に関する魔法が得意で、体を洗うのが4人の侍女の中で一番上手です、とっても気持ちいいんだよ。この世界では石鹸とかは無くて、水の魔法で洗うのが普通なんだって。さすがファンタジーですよね?



 入浴が終ると、今日の洋服担当のオトゥナが服を持ってきました。オトゥナはこの間話しをした、魔族とドラゴンのハーフの魔竜族です。火竜の系統で、そのせいか目の覚める様な真っ赤な髪で、自然な感じのショートヘアです。目の色はドラゴンと同じ金色です。ドラゴンはみんな金目だそうです。ボーイッシュな顔立ちで、スカートを履かなければ性別が判らなくなる様な体系をしています。


 ちょっとコンプレックスなんでしょうか、オトゥナが選ぶ私の服は、いつも女の子らしい可愛い服が多いです。


 今日は初めて人間と会うので、落ち着いた感じの服にして欲しいと言っておいたんだけど、ちょっと不安です。


「今日のお召し物はこちらになります。よろしいですか?」


 いつもと比べれば、落ち着いた感じです。安心しました。


「うん」


「それでは着させていただきます」

 

 今日の洋服は、白くて縁にレースをあしらったシュミーズ?の上に、膝下までの黒い袖付きワンピースで、ちょっと太目のリボンで腰の左の脇辺りで、大きく結んだもの。ワンピース自体は全ての光を吸収したみないにま漆黒で、それにスカートや袖、襟の縁に光沢の有る黒い糸で綺麗な模様の刺繍がしてあって、リボンも黒で両端に白い糸で飾り止めしてあるもの。膝上までのストッキングは、黒くて薄っすらと肌が見えるものに、何かの花の刺繍がしてあるもの。対照的に白くて光沢の有る、足首の上辺りまでの編み上げショートブーツ。


「ミナ様いかがですか?」


「うん、綺麗」


 スカートからちょっとだけ見える、シュミーズの白と、ショートブーツの白が印象的で落ち着いた感じがとても気に入りました。いつもは膝上のミニスカートばかりで、抱っこをしてもらうと下着が見えそうで、実はちょっと恥ずかしかったんですよね。シュミーズならともかく、やっぱり、ショ、ショーツが見えるのは、恥ずかしいじゃないですかっ!?


 今日は安心です。ブイッ


 次は食事です。迎えに来た給仕担当のファサナに抱っこしてもらって、食堂へ行きます。


 ファサナは人獣族で、ヒョウ?みたいな、猫科の獣に変身します。髪は濃い金色に所々黒いメッシュが入っています。前髪は普通なのに、後ろ髪は後方にツンツンと立った不思議な髪形をしています。コード○アスのカレンみたいです。スタイルはなんとなく猫科の動物が人間だったら、こんなこんなだろうなって言う感じそのままです。


 最近思います、魔族って美形しかいないのかな?


 そして最近の悩みの種の時間です。自分でお願いしたので、あまり文句が言えないのが困った所です。魔族は料理と言うものを殆どしないので、ご飯が美味しくありません。


 お肉を焼いただけとか、野菜を茹でただけとか、味付けは塩味だけです。お茶は紅茶みたいな物を好んで飲む人がいるので、淹れ方も研究されてて美味しいんですけどね。


 人間の事が終ったら、何か考えないといけません。


 食事が終った頃、シャーナンが人間が到着したと報告に来ました。


 緊張してきました。


 落ち着くために、姿見を出してもらって変な所がないか、服装や髪をチェックします。私はまだ、前の世界でよく使っていた物や、簡単なものしか出せないんです。


 何とか落ち着いてきました。


 こちらの世界の人間と初対面です。

指摘をいただきましたので、誤字修正をしました。

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