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魔王様の溜息  作者: 黒筆猫
第1章 ここってどこ?
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 はい、美奈です。


 死んだと思ったら魔王になったようです。


 今私は、オオカミさんの背中に乗ってお城に向かっています。


 あっ、オオカミではなくて、魔狼まろう族のゲルフさんという名前だそうです。


 シーツを羽織っているだけなので、片手で抑えて、片手で毛をつかんでいるので、ちょっと申し訳ないです。


「痛くない?」


「大丈夫です。陛下に心配していただけて光栄です」


 大丈夫だそうです。でもちょっとだけ注意して持つようにします。


 私が目を覚ました所は、ゲルフさんの群れのテリトリーだそうで、私の放出した魔力を感知して迎えに来たそうです。


 どうして私が魔王なのか聞いたら、魔王の魔力は特殊で魔族なら間違えることはありえないそうです。


 でもいきなり魔王といわれたのに、何故私は納得したのでしょうか?


 あの時、びっくりはしましたが、すぐに納得してしまったのです。普通ならありえませんよね?


 やっぱり私は、あの時死んでしまって、前世の記憶を持ったまま転生でもしたのでしょうか?


 不思議ですね?


 でもちょっと、わくわくしています。私は病気のせいで本ばかり読んでいました。特に好きだったのはライトノベルの異世界ファンタジーです。こんな私でも異世界に召喚されて、勇者として活躍してみたいとか思ったものです。


 魔王なのでちょっと違いますけどね。


 でも、魔王なのです。よく考えていました。勇者が成長する前に、魔王が出て行って戦えば絶対勝てるのになあって。


 それとか、別に魔界で平和に暮らしていけるなら、それでもいいですよね?


 色々と想像していたら、お城が見えてきました。


 綺麗です。すっごく綺麗です。


 黒い半透明の宝石のようなお城です。遠くなのでよくわかりませんが、お城の周りの城壁見たいな物は半分くらい奥が見えています。でもお城本体は中が見えないみたいです。


 どうなっているんでしょう。不思議ですね?


 そんなことを考えていたら、もうお城が目の前です。自動車より早いような気がします。

あまり揺れなかったので、そんなに早くないと思っていたんですけどね。


 やっぱり、魔力というからには、何か魔法のようなもので移動したんでしょうかね。


 よくイメージする、謁見の間みたいな所に着きました。


 奥の中央に黒曜石見たいな物で出来た、王様が座るような凝った彫刻がされた大きな椅子があります。その椅子の正面に4人、膝を付いて頭を下げています。


 あ、隅の方に別のオオカミさん・・・じゃなくて魔狼さんがいます。連絡をすると言って先に行った人だと思います。


 黒曜石の椅子の所まで着ました。


 「どうぞお座りください」


 オオカミさんが言います。(もう魔狼とか言いにくいからオオカミさんでいいよね?)


 すわ・・・んしょ


 座り・・・んしょ


 大きすぎて届きません。


「座れない」


 困りました。


「失礼いたします」


 4人のうちの女の人が手伝ってくれました。


「ありがとう」


 お礼はきちんと言いましたよ?


 それにしてもこの椅子、座面が広すぎて上手く座れません。仕方がないので、座面の上で横座りをしました。


 上手く座るまで待っていたのでしょう。


 私から見ると右側にいた、さっき座るのを手伝ってくれた、女の人がしゃべり始めました。


「長らく空位でありました魔王陛下のご生誕、誠におめでとうございます。」


 かしこまった言い方をされて、ちょっとむずがゆい感じです。


「続きまして、自己紹介させていただきます。四魔大公筆頭を勤めております。水魔大公

シャーナン・スルネイトでございます」


 すぐに右から二番目のほっそりとした男の人が続いて言い始めた。


「次席を務めております。人魔大公、イルファータ・キュバスです。よろしくお願いします」


「私は三席の鳥魔大公サーナリア・ランフェルスともうします」


「末席を勤めています。獣魔大公ガリアス・ガンドルフです。よろしくおねがいします」


 次々に紹介されて、ちょっと混乱気味です。覚えられるかな?


「えっと、シャーナン、イル、サーナ、ガリアって呼んでいいかな?」


 覚えにくいから、呼びやすいように言ってみた。


「陛下の呼びやすい様、ご自由になさってください」


 シャーナンが答えてくれた。うん、よかった。自己紹介してくれたんだから、こっちの名前だって教えてあげないとね。


「私は、ミナフィリスです。これからよろしくね」


 え?いやいや!


 私は『波野なみの美奈みな』って言おうとしましたよ?『みなふぃりす』って何ですか?

指摘をいただきましたので誤字修正しました

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