表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王様の溜息  作者: 黒筆猫
第4章 魔王様の食事情
16/26

 クルー・ウィック(最近はクルーと呼んでいます)が来てから、もう2年半も経ちました。


 私がここに生まれて、3年になるって事ですね。


 生クリームとバターの作り方をクルーに説明したら、嬉々としていろいろな料理に試していました。


 アイスクリームやパフェ(食べ物を冷やすのは生活魔法で簡単に出来るそうです)、クッキーとか、美味しいものが増えて嬉しいですよ。


 私も、乳製品を使った食品に何が使われているかは知っていましたが、手順や分量はわからなかったので、初めは失敗もありましたが、最近ではクリームチーズも安定して作れるようになりました。


 普通はレンネットを取るのに牛を殺さなければいけないのですが、さすがは魔法がある世界です。動けなくしてから、お腹を切り開き、胃液を取ったら魔法で治療をすると、すぐに歩き出すんですよ。


 最近はお金儲けの為に、バターの販売もしています。おかげで最近人手が足りません。ついでに、ここにいる人間は女性の方が多いので結婚相手がいなくて、何とかなりませんか? と相談されています。


 私の補佐官をしているアヴァ(アヴァンドの事です。最近こう呼んでます)に相談した所、婿入り先の無い農家の三男辺りをスカウトしてはどうかと言われました。


 農家の三男以降(次男は予備としてキープされるらしいです)は、女の子供しかいない農家の婿になるか兵士になるか、料理人になるかで結構大変らしいです。魔族にさらわれるように女性は綺麗な人が多いので、女性で釣ってしまいましょうなんて言って、実際に何人か成功しているようです。


 アヴァ、おぬしもワルよのう、と冗談で言ったら、『魔王様の訓示のおかげです』と返されてしまいました。意外と冗談も好きなようです。


 そんな感じで、私の食事事情は充実しているんですが、最近、私の真似をして食事をする魔族が増えています。クルーに料理を教わる魔族までいて、人間たちの農場だけでは、食料が足りなくなってきました。


 その分を、人間の国から買うんですけど、魔王領には今の所、魔晶石とバターくらいしか売れるものが無いので、なにか無いかアヴァに探させています。


 せっかく充実してきた食事ですが、お金を稼ぐ手段が必要になりました。


 国って難しいです。


「はぁ」

誤字修正:4/27

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ