第四話 似ている人
「おーい、ヒナター!朝だよ早く起きてよー」
「むにゃむにゃ、え、ミルクもう朝?」
人間界に来てから1週間が経過した。寝食を共にした私達は、何年も前から友達だったかのようにすっかり仲良しだ。
「今日はユキミさんが退院する日でしょう?早く準備を終わらせて出発するよ!」
あの病院の一件のあと、私達は毎日ユキミさんのお見舞いに行った。その時に改めて挨拶も済ませた。私が住まわせてもらっている家はユキミさんの家で、ヒナタも居候の立場だと教えてもらった時は驚いた。確かに、よくよく考えてみればヒナタの一人暮らしにしては部屋が多すぎると後から納得した。
「あら?ヒナタ、頭に可愛い羽根つけてるわねぇ。ミルクとお揃いかしら?ふふ、私もね羽根のアクセサリー鞄につけてるの。お揃いね」
3日目のお見舞いの時、ユキミさんは彼女の髪と同じように黒い、羽根のアクセサリーを見せてくれた。ちらりと横を見るとヒナタが三人でお揃いになったことを喜んでいて、私もなんだか嬉しくなったものだ。
退院の手続きが終わった帰り道、ユキミさんは私の髪色と羽根について聞いてきた。
「ミルクの髪とその羽根は、生まれつきだったわよね?私、あなたみたいな人を知っているの。今から会いに行ってもいいかしら?」
「もちろん、会ってみたいです!」
人間界に来て、初めての姫様を連れ戻せるかもしれない手掛かりだ。もしも姫様に繋がらなくても、私と同じように夢世界からこの世界にやってきた人がいるかもしれない。胸がドキドキする。
家に着くと車と言う動く塊に乗った。ヒナタから万能の物体「スマホ」を借りて仕組みを調べたが、よくわからない言葉ばかり並んでいて理解できなかった。うーん、やはり不思議だ。
「その似ている人ってどんな方なんですか?」
車への思考は一旦置いておく。
「確かおばさんが頻繁に会いに行ってた人だよね?お友達なんだっけ?私も会ったことないなぁ。おばさん、どんな人なの?」
ヒナタは頬に指を当てて首を傾げながら、質問に同意を示す。
「ええそう、お友達よ。今日退院するって連絡したらあなたたち二人を連れてきてって返信があってね。30年くらい前に突然現れた彼女は美しかったわ。白い髪につけた美しい二枚の羽根………まとっている雰囲気はヒナタにすこし似ているかも」
鏡越しにヒナタの顔を見たユキミさんの目元は微笑んでいるように見える。
「その人とは出会ってすぐに友達になったわ。ただ、あまり外を出歩きたくないみたい。彼女、前にメールで私がヒナタと出会った日におかしなものを見たって言っていたの。今日その話をしてくれるらしいわ。もしかしたら、ミルクの知りたいことが少しならわかるんじゃないかしら」
そうか、ユキミさんなら、これから会うその人なら、姫様の居場所も知っているかもしれないのか。
「さあ、着いたわ」
そんなことを考えているうちに、車は止まり、目的地へ到着した。




