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蛇姫

作者: 秋葉竹


  


1 ね、わたし?


忘れがちだけど人って人に

好かれるために努力しているんだ

希いを叶えるために。


好かれることを放棄する

気楽な人もなかにはいるけど、ね、

わたし、とか?



わたしの堕ちた闇は

夜の乾いた砂漠のように冷たかったが

そんなことよりただじぶんが

大事なだけだったから

砂に埋もれきってしまわないようにと

それでも

それだけは

じぶん自身に命じて


生きて来た

血ぬられた嘘や偽り

妬み嫉みそういう負の感情を

空気のように吸って


生きて来た


それだけで

ようやく

生きて来れた

みんなのような美しく気高く可憐な

お姫さまじゃ

なかった


忘れがちだけど人って人に

好かれるために努力しているんだ

けれど、とある希いを叶えるため

ただそれだけのために

好かれることを放棄する

気楽な人もなかにはいるけど、

ね、わたし?


貴女方はそんな風には

ならないで。

ね?

堕ちる必要のない穴になんて

堕ちちゃ駄目です。

わたしはもしかしたら

とんでもなく弱かっただけ

なのかもしれません。



日常から

外れることなんて、しちゃ駄目です。



わたしみたいな孤りっきりの蛇に

ならないためにも、ね?



姫様たちは、そのままでいいと想う

じぶんを信じてあげて

じぶんをたやすく売らないで

そして

ねぇ、

わたしのおバカなおはなし聴いて

笑ってよ、

ね、姫?


ハハ、

そう云えば

わたしもかつては姫と呼ばれた

わたしは、そう、

姫は姫でも、

《生き埋め姫》と呼ばれたおんな。




2 生き埋め姫のゆめ


助けてと

魂切たまぎる声で 叫んだの

遠い風景 ゆめも泣いてた


卑怯だと

目をみて云われた ことはない

媚びず 我を張り やって来たけど


好きだった

たにんの視線が痛くても

じぶんを好きでいられたあの頃


泣いたのは

ひとりで生きていくための

いちばん綺麗な 言葉が欲しくて


ああ だから

助けて欲しいと縋ったが

ホントの言葉は 無視してください


嘘みたい

こんなになるまで 弱かった?

星座の見方も しってた はずよね


星ひとつ

みえない絶望 知ってても

無視して はしゃいで あすだけ感じた


ひとりでも

生きていけると誇った日

生き埋められても 歯をむき 笑った







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