第4話。どうやら、防具屋の開店だ。(独り言パート4)
右にチェンメイル。左に魔法エンチャト防具なんちゃら。待てよ…?。『エンチャト』って!?。
RPGとかで、防具に付属させる『エンチャント』の事か…?。
明らかに間違ってるよな…。店員のミスかっ!。
ヒューマンエラーか!。もう一度聞かせろ!。
あの店員は遅いな…あれから体感的に一時間は過ぎてないか…?。てか、俺が心配してどうする!。
店長は店長で独り言が増えてるだよな…。本当に大丈夫か…。
まぁ…なんだ…俺も「同胞」になるのか…。
店長!。今戻りました!。遅くなってすいやせん!。
「おぅ、っで…?どうだった?」
店長、どうやら、『特級装備』は入荷無しみたいです。
「チッ!入荷しないのか、まぁ、仕方がない」
どうやら、武器屋と防具屋は連携してるみたいだ。
特級装備…?。聞いた事もない名称だな。
RPGっで言うなら…レア、Sレア、SSレアみたいな物か?。
店長!、この『腐った鎧』はどの階級に致します?。
おぃ…ふざけけんな!!。先は「汚い鎧」っで、今度は「腐った鎧」かよ!。腐敗してないぞ!。
「あ〜?階級?『猫、犬、装備可能』でも書いておけ」
へい。書いておきます。カキカキ…。筆の音がする。
「おっ!それとな『子供専用防具』だな!!」
へぃ!。「子供専用防具」っと…。
お―――い!。適当すぎるだろ!。子供専用って…。
意味を分かって言ってるのか!!。
『専用』って言ったら…あの赤いM…うん。これは言うの止めておこう…。ジャンルが違うしな…。
この店長と店員は本当に防具屋なのか!。
そもそも、客一人居ない時点で怪しいぞ!。このお店は!。
店長!。そろそろお時間では?。開店しますか?。
「おし!開店の時間だな…OPEN出してこい!」
へい!。店長、OPENしてきますぜ!。
入り口から扉の音がする。そしてカチャ音ともに『OPEN』の文字が浮き上がる。
あれも…魔法の一種なのか…?。さすがは異世界だ。
ん?。今何って言った…!。OPENだと……。今からなのか!。だよな…安心したぜ!。
店長…今日こそは、お客は来ますかねー?。
「どうだろうなー、去年は30人しか来なかったしな…」
あ……今……聞き間違い…だよな…おぃ…。
もう有名になってるみたいですよ…。『世界一売れない防具屋』だと…。
「いいか、世の中は、甘くはないぞ?武器屋があるから防具屋は必要ないだよ」
いやいや!。この店長…思考がおかしいだろ!。
防具屋が無ければRPGとか成り立たないぞ!。
むしろ…その発想はどこからきたんだよ!。
冒険者を守るのが「防具」だろうがっ!!。
「いいか!超有名パーティーはな、すんげぇ、武器あるから、防具なんて、ただの紙なんだよ!」
「ほいほい、一撃で倒す糞野郎どもめ!」
店長……。店長は防具屋の鏡です!!。一生ついていきやす!。
店長は高笑いしてる。いや確かにRPGとかで、難関難易度のボスとかは「即死」級あるけどなぁ…。
でもなぁ…発想がおかしいだよなぁ…。この店長と店員はよ…。
ちょっと待てよ、今の話では、去年は…30人…だと?。
おぃおぃ!そうすると…もうほぼ、1年間は誰も来てないだろうが!。
この防具屋どうやって、光熱費を稼いでるだよ…!。
あー駄目だ。独り言が多すぎて…。本当に、ただの鎧になってしまいそうだ。
すると入り口から、足音が聞こえてくる。
次へ続く。ヨロイ。