番外編:オオエド・ステーション ~爆裂!マグロとタコの彼方~
オオエド・ステーション――銀河最大の温泉リゾートだったはずが、今や瓦礫と湯気の楽園。
その地下深く、古代のサウナ神殿が唯一稼働していた。
「ふぅ……サウナか。できれば温泉がよかったがな」
晃司がタオルを巻き直しながら、つぶやく。
「チョウオン……ジュンビ……カンリョウ……」
そのとき――
ドガァァァァァァァン!!!
天井が爆発!瓦礫と湯気の中から――
「サウナが俺を呼んでいるゥゥゥゥ!!!」
マグロを担いだヒゲのオッサンが、逆落としの姿勢でサウナシュート突入ッ!!!
「どうやって突入してきたんだあんた!?外は 宇宙だろ!?」
「俺の名はヒゲオッサン!! ロマンがあれば何でも出来る!!」
背中で爆風を受けながら、ヒゲオッサンが雄叫びを上げる。
その瞬間――今度は壁が裂ける。
バリィィィン!!!
8本の触手とともに現れたのは、演歌と湯気の女帝。
「ごきげんよう……湯煙ども……」
“タコババア”、降☆臨!!(齢180才)
・タコ足8本(1本に2つのスピーカー16和音、マッサージ機能付き)
・胸元に金の湯桶
・登場BGMは演歌『蒸し風呂人生一直線』
「また、濃いのが……ヒゲオッサンお前の知り合いか!?」
「知り合い? んなワケあるか!!だが、良い 女”だ!!」
「あら、嬉しい!ワシは、この神殿の管理人じゃ!」
そして始まる――
《超サウナ・バトル・地獄篇》
審判は、サウナ専用判定ロボが行う。判断基準は謎の基準"ととのい"具合!
タコババアが全触手でロウリュ! 熱波が空間を裂き、グニャグニャに揺れる!
「“熱波地獄 絶唱演歌斬りィィィ!!”」
演歌ビブラートで振動が増幅、サウナストーンが爆発的に熱波を発生!!
「くっ……大根さん、反撃だ!!」
「ダシミサイル!!」
サウナストーンにダシが、かかり熱波と、何とも言えない良い香りが辺りに広がる。
タコババアが絶唱!!
「人生~、熱波とともにィ~、流されてぇ~……」
その声が、湯気を光に変える。空間が虹色に輝き、審判ロボたちが次々に号泣。
だが、晃司も負けていない。
「……澄子の鍋も、こんな匂いがしたっけな」
語るだけで周囲の温度が10度下がる。
審判ロボたち、機能停止。全員“ととのい過ぎ”で電源が落ちる。
その時、ヒゲオッサンがマグロをぶん回す!
「いっけえええええ!!」
タコババア「フン、甘いわ!!」
たこ足でマグロを迎撃!バシーン!!
マグロ「グオォォォ!!」
次元が裂ける!
バァァァン!!!
サウナの蒸気が宇宙空間にまで届き、《惑星ジャグジー13号》まで湯気まみれに!
そして――
戦いの果てに――
タコババア「……やるじゃないの……"ととのい"すぎて、あたしゃ腰が抜けたよ……」
ヒゲオッサン「このロマン、あんたにもわかるか」
晃司「サウナと魂は、銀河を越える」
大根さん「……アツアツ……シミシミ……」
この後、晃司が、おでんを作ってる話をしたら、タコ足串とマグロ串を貰った。