表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/31

婚約破棄宣言の後

祝賀会が終わった。


今晩王宮に泊まって、明日私は毎回お払い箱になる。

何度か王宮に残ろうとしたことはあったけれど、ここは高貴な者の場所だという事でいつも追い出すように別れになってしまう。

その後はどんなに強い防御魔法を勇者にかけても、必ず勇者は死んでしまう。


勇者という特性は魔族には圧倒的に強いけれど、人間に対するアドバンテージがあまりないのだと思った。


けれど勇者も明日ここを発つらしい。

それであれば、今日、すべての人類の悪意から彼を守ればなんとかなるかもしれないと思う。


けれど、同じくらいじゃあ明日からはどうすればいいの? と思う。


何故、勇者が魔王を倒した後に何度やり直しても死んでしまうのか、について、わかっていることはいくつもある。

その一番の理由は魔王を倒せるほどの強さを持った勇者への恐怖心だろう。


いつ今度は勇者に支配されてしまうのかという畏怖に近い恐怖をすべての人類がうっすらともっているのだ。

その中でもより大きい恐怖を抱いたのがこの国の貴族と王族だった。


調べぬいて毒殺の実行犯を巻き戻した後止めても、別の貴族との政治的な闘争に巻き込まれて勇者は死んでしまう。

それの繰り返しだった。


だけど今回は勇者からそれらを切り捨てた。

けれど、彼らの恐怖は消えたわけではないだろう。


彼らが勇者を亡き者にするのならきっと今日だ。

勇者は魔族の討伐で各地を回ると言っていた。

だから彼が襲われるとしたら今日が一番危険だ。


彼の部屋に魔法をかけようとして思いなおす。

彼自身に守護の魔法をかける方が早い。

それに、それとなく勇者に注意を促せばいい。


そう思って向かった部屋で、まるで勇者は私を待っていた様にたたずんでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ