番外編:1回目前日譚
勇者視点
教会で神に祈りを捧げ魔王を倒することを誓う。
勇者はそういう儀式をしなければならないと知ったのは王宮で、そのまま魔王討伐にむかうメンバーと教会に向かい、俺は信託を受けた。
曰く、俺は魔王を倒す定めを持ったものであること。
その人生には困難が伴う事。
それを聞いて魔王を倒すのだから当たり前だと思った。
それから、人間を嫌いにならないで欲しい。
そう女神を名乗る光の塊は言った。
それから祝福を与えると言われた。
祝福の内容は『ひきつぎ』と『女神の恩寵』の二つだった。
二つとも意味がわからない。
特に『ひきつぎ』が……。
「この引継ぎというのは、前の勇者から何かを教われるという様な事でしょうか」
「そうではありません。次へひきつぐための祝福です」
「次の勇者にですか?」
俺が魔王を倒せたとしても魔族というのは一定期間が経つと再び勢力を増す。その時に次の勇者に何かを伝えられる能力のことだと思ったがどうも違うらしい。
「あなたが次の世界に能力を引き継ぐための祝福です」
「能力? 生まれ変わっても記憶があって同じ魔法が使えるという様な……」
「記憶は残念ながらこの祝福ではひきつげません」
光の塊はそう言った。
この祝福は俺の能力だけが次に引き継げるらしい。
けれど次、来世……と言われてもピンとこなかった。
女神の祝福は、精神攻撃を軽減してくれるものと説明をされて、それから女神が降臨した奇跡をもって俺は勇者として教会に認められた。
僧侶はあなたと縁を結べたという事は教会での地位は安泰です。と喜んでいた。
それ以外の二人、魔法使いと戦士はそもそもそういったことに興味が無さそうで、魔法使いは教会の建物の古い意匠に興味を持っていた位だった。
後で旅の途中で聞いたが、魔法は神の力とは別の力のためあまり神というものに興味が無いらしい。
この世界はゲームに準拠しているという訳ではなく、神様の世界がSF的な感覚のある場所だというイメージでとらえていただければ
青いネコ型ロボットの映画版の世界みたいな…