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2回目

巻き戻った世界でまた勇者が死んでしまって、はじめてこれはおかしいという事に気が付いた。

勇者が死ぬこと自体があり得ないのだけれど、そういう意味ではなく、前回の彼の死がアクシデントでも何でもない事に気が付いた。


そんな偶然が二回も立て続けに起こるはずが無い。


私は調べた。そしてその時ようやく気が付いた。

この国は、……この国の貴族はお姫様と勇者の結婚を快く思っていないことに。


それと同時に私は貴族と政治について調べた。

幸い魔法使いは調べ物をすることが多い。そういう事をすることに苦は無かった。

それから、強い解毒のための魔法が込められた魔道具の作り方などを調べた。

勇者は魔王を倒して、この世界が平和になったらお姫様と結婚して民を幸せにすることを楽しみにしていた。


それは旅の途中で何度も勇者は言っていた。

だからその夢をかなえてあげたいと思う。

だって魔王を倒した英雄のそんな夢すらかなわないなんて、悲しすぎる。


勿論お姫様が最初から嫌がっているなら仕方がないけれど、旅立ちのあの日、王様がその案を出した時お姫様はニコニコと笑顔を浮かべていた。

だからお姫様は勇者が魔王を倒したら結婚するという事に同意していた。

王様もそうだ。


だから、彼が毒殺さえされなければ皆幸せになると思った。


これできっと次こそは勇者を救えると思った。


1回目は髪の毛の色を対価として支払った。

今回魔法が求めたものは師匠からもらった魔導書だった。

思い出の品だったけれど、仕方がない。内容は全て暗記している。


それを渡して私は、再び時を遡った。

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