2話メイオルン帝国
2話目です。
その音の正体とは…
「ゴブリンの変異種…ですか。」
ミイサが小さな声で言う。
「ガルルルルルルルル!!」
ミイサと俺に向かってゴブリンの変異種とやらは
向かってくる。
「冒険者ランクがAランクの私に向かってこれるとは、
度胸があるのね。でもね、お前じゃ私に、勝てない。」
ミイサは腰から剣を抜く。月の如く輝いているその剣は
ゴブリンを真っ二つにする。
「あなたの終わりをあげます。終死」
その技の名前をゴブリンが死んだあとにミイサは唱えた。
「Aランクってことは結構強いんですよね?」
俺はミイサに問う。俺の認識が正しければ、Aランクは
相当強い。だから…
「どうでしょうか。Bランクくらいまでなら余裕で
倒せるけど、Aランクともなれば勝機は五分五分って
ところですかね。」
「ちなみに今のゴブリンの変異種となるやつはランクは
いくつくらいなんだ?」
マジでこれは気になるだろ!多分そんな強くないはずだと。
ゴブリンは弱小って言われてるし…
「変異種なのは魔物Cランクより少し強い程度でしょう
か。ちなみにあなた。これからどうするんです?転生者
ともなれば行く宛もないでしょう。保護施設的なのに
言ってみますか?それとも私とついてきます?でも、
私は冒険者なのでかなり危険なこともあると思います。」
いや!ミイサとついて行きたいだろ!だってそんな異世界ハーレムの幕開けみたいな感じの雰囲気だしてるじゃん!
「俺は一応ミイサとついて行きたいかな。嫌だったら話は
違うけど。
「いいけど、死ぬってこと考えてるんです?あなた。」
「俺はいいって!保護施設的なのに知り合いもいないし。
ミイサとなれば、少しは気分的に楽かなって。」
少し顔をなぜか赤らめるミイサ。暑いのかな?
「わかりました。でも、その前に。メイオルン帝国の
王とその妃に会いに行かせてください。私についてきて。
少しその人たちに話をしたくて。でもさっき逃げ出して
きちゃって、だからです。」
「わかった。てか敬語やめようぜ?これから旅をしていく
仲だろ?」
「わかりまし…ううん。わかった。」
「てかメイオルン帝国はどこにあるんだ?」
「だからついてきて。」
そう言って歩き出すミイサ。そのあとをつける俺。
なんかストーカーみたいだ。いやね!ミイサがついてきてって言ったからついて行ってるだけで!勘違いすんなよ!
歩き続けて、30分くらい。やっとついた。
「ミイサ?バスとかないとか不便じゃねこの世界。」
「馬車などはありますけど。結構高いですよ。」
「あるにはあるんだ。」
「ほら、ついたよ。カナタ。」
「名前で呼んでもらったのなんだかんだ言って初めてじゃ
ね!?」
俺はテンション爆上がりだった。美少女に呼び捨てで、
呼んでもらう日が来ると思わなかったからだ。
「そんな喜ばれることした?これからはそうやって
呼ぶよ。」
嬉しいことこの上ない。
「ミ、ミイサ様!!すぐ王たちのところへどうぞ!」
門番のようなものが慌てている。ミイサはお偉いさんなのか?様ってつけられてるし。まぁいいか。
「メイオルン皇帝。リアリー王妃。ただいま戻りました。
さきほどは……」
「なぜ逃げ出した?もう魔物への改造はやめると言ったで
あろう。」
魔物への改造?なんだそれ?ミイサは魔物ってことなの?
俺の中で疑問が尽きない。
「私は魔物になんか!クソみたいなのに!なりたいなど
言ってないだろ!それを勝手に自分たちの都合を
押し付けやがって!くそが!」
ミイサは怒鳴る。
メイオルン皇帝が驚いたように倒れる。
な、何が起こっているんだ……
俺は目を見開く
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