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異世界転生したので最強勇者目指します  作者: 抹茶
パーティー編
17/18

17話・カナタには…

「2人ともっ!」


カナタが急いで2人のところへ向かう。


「まっ、たこいつ何もしなかっ、た……」


死にかけのような声でフラベルが言うと、

ミイサが立ち上がって、フラベルに治癒魔法を施す。


「ミイサは大丈夫なのか?」


「平気…っ…」


ミイサがカナタに体を預けて、後ろに倒れた。


「ミイサ…っ!!」


カナタはミイサを揺さぶる。


「そっとしなさい。寝てる、だけだから…っ」


「大丈夫か?」


「大丈夫よ、あんたに心配されなくたって」


フラベルが強がる。傷は治っているが、使った魔力の量は絶大。


「本当か?」


「本当よ」


「絶対?」


「何回もうるっさいわね、アンタ何もしてないん 

 だ、か…ら……」


そう言った後に、フラベルが倒れた。


「2人とも…」


死んではいない。死にもしない。ミイサは自分で魔力を使い、内側から治癒したし、フラベルもミイサに、治癒してもらっていた。死にはしない。だが…


「ガルルルルルルルル」


その声が聞こえた。

カナタは振り返る。


「ガゥゥゥゥルルルルルルルル!!!!!」



右目がない鼻が欠けている、開けた口元からは

舌も歯もない魔獣がカナタを襲った。

ミイサから月の剣(ルーナ)を奪い

剣先を魔獣に向けて剣を握る。


「ガゥルルルルルルルル」


突進してきた魔獣にカナタは為す術もなく殺された。―わけではなかった。


「ら、ら、終死(ラスト)!」


カナタはミイサがやった技を再現する。

再現しかできない。だが…

(カナタのような並の人間が再現できるわけなどない。なのに再現をしている。元の技より上手く、魔力を制御できている。)


ミイサがそう思いながら、カナタと魔獣との対決を見ていた。

助けたいのにできない。動かないミイサはそれを見た。月の剣がカナタに呼応した以上、ミイサの出る幕は無い。


そのままカナタは目を瞑りながら、剣を振る。


「ガゥルルルルルルルル……」


鳴き声が途中で止む。


なぜなら、魔獣の首が落ちていたから。


(なんで…月の剣がなぜ?あんなにも強く光った?なぜ?なんで?私は月の剣の所有者として剣から認められていなかった。だけど、あれは、帝王が使っていた時よりも光っている…なんで?でも、まさか…)


カナタは気づいていなかったがカナタが剣を振るった直後、剣が強く強く光った。


カナタには秘めざる力が…―


ミイサはそう考えた。



次話も見に来てください!

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