14話.パーティー
よろしくお願いします!次話、金曜日更新予定です
「ミイサどこ行ったんだ、痛え。」
俺はミイサを探すため外に出たが、
ミイサは見つからなかった。
魔獣の攻撃の傷がズキズキと痛んだ。
「カナタ!?なんでここにいるの?シュリエルと一緒
にいてって言ったじゃない!」
ミイサはカナタを見つけるなり、そう怒った。
「それもそうだけど、後ろの人は誰?」
カナタはミイサの後ろにいるフラベルを指差した。
「この子はフラベル。私のお友達よ!」
ウインクして可愛く言うミイサ。
「フラベルさん?よろしくね?」
カナタは一応挨拶しておくことにした。
「ミイサ様。こちらの方は誰ですか。」
少し怪しむ様子でミイサに問いかけるフラベル
実際の所怪しさで言えばフラベルが勝っていた。
「この人は、自分の住む場所もない…いわゆる
転生者なの。だから私と一緒に冒険をしようと
してる人よ。怪しくないから安心して。」
フラベルを落ち着かせようとするミイサ。
「そういうことなら。私はフラベルと申します
これから先、一緒に旅をする仲になると思うので
どうぞよろしく。」
ミイサの後ろに隠れ、大人しい可憐な少女を
演じていたフラベル。先ほどまでの元気な少女はどこに行ったのか疑わしくなるほどだった。
「そんな硬くなくていーって!俺はカナタだ
よろしくなっ!」
満面の笑みでそうフラベルに笑ったカナタ。
そして、少し顔を赤らめた、フラベルの反応をみた
ミイサは少し心がモヤっとした。だが、ミイサはその心の気持ちの本当の意味を知りたくはなかった。否、知るのが怖かった。自分の手で殺めたバランのことが忘れられない、そう心の中でずっと燻り続けるような気がして。事実、肉体の支配に成功した、バランに乗っ取った魔物を取り除けば、バランは元に戻ったかもしれない。それを試さなかったのは、自分が無理だと諦めたから。諦めていなかったら、この結末は全く違う方向に傾いたかもしれないのに。ミイサは怖かった。その気持ちを知りたいながらも知りたくなかった。もう失いたくない、そんな弱虫な一面が反映されたのかもしれない。
「ミイサ?どうかしたか?」
ミイサが俯いていたのを気にしていたカナタ。
「いや、なんでもない、よ。」
ミイサは声を小さくして応答した。
「元気ないけど大丈夫か?帝都に戻ろうか」
カナタは帝都に戻る提案をした。
「フラベルもそこで暮らしましょ。皇宮は大きいから
フラベルもカナタもそこで暮らそう。
3人で仲良くやっていきましょ。」
ミイサが少し泣きながら笑顔でそう言った。
そんなの側から見れば…
悲しみを紛らわせるために
仲良しごっこをしているだけ。
そう思われても容易ではなかった。
「パーティでもくみますか?」
フラベルは真剣な顔で2人に打ち明けた。
14話目です。15話は金曜日の9時ごろに更新予定
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全然色んな人に見てもらえないので更新頻度増やします