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科学エッセイ

地球外知的生命体が見つからない理由について

作者: デイロー

始めに


 よく冗談で地球は未開の文明みたいな扱いで、銀河連邦とかが存在しているというのなら彼らが我々を受け入れてくれるのはあり得ないという話がなされたりしますけど。

 少し前、英語圏ミームサイトで自分たちの惑星が太陽を一周したくらいでお正月だのニューイヤーだの騒いでるなんて、こいつら馬鹿じゃないのかと宇宙人が我々が知らぬ間に観測しながら言っているのではないかと言うミームを見て爆笑したことを思い出して。

 確かに優れた知的生命体からしたら我々と接触していいことなんて一つもないという考えにも納得が行くという話です。

 それでも地球外生命体、その中でも知的生命体は、どこかの時点ではイレギュラなデータを見せるので隠そうとしない限り観測することがあったっていいはずなのに、それがないのは単純に我々が比較的に詳しく観測できる範囲内に存在しない可能性が大きいかもしれない。

 と言うことで、その可能性がどれくらいなのか、そしてその可能性が事実だとして、我々はいまどのような状態にあるのかについていくつか語りたいと思います。


 1.フェルミのパラドックス、或いはフェルミ-ハートのパラドックス


 やはりこの手の話をするならフェルミのパラドックスは欠かせません。フェルミのパラドックスとは物理学者エンリコ・フェルミが考えた概念で、宇宙の広さ的に考えて、我々が宇宙人を観測出来ないなんておかしいという現象に対してのパラドックスを指す言葉です。

 特にこれこそ理由であると言っているわけではないんですね。

 これには政府が宇宙人の存在を隠しているとか、宇宙人が我々の政府を乗っ取ったなどと言う陰謀論まで含まれていて、創作のネタにも欠かせません。

 詳しくはウィキペディアを参照してください。

 投げやりな気がしますけど、コピペをするわけにもいきませんので。

 ただ可能性だけを考えるなら、フェルミのパラドックスで語っている宇宙人は高次元生命体であるなどと言う検証不可能な思考実験的な話ではなく、実際どれくらいの可能性を持っているかを検討する必要があります。



 ☆レアアース仮説について


 その1:液体コア


 レアアース仮説とはそのまま、地球のような惑星はレア、稀だということですね。じゃあどのような部分が稀であるのか。

 初めて地球外のハビタブルゾーンに位置する金属惑星を発見してから今まで見つかった惑星の数は59個と言ったところです。

 ただそれは実際に発見した数であって、可能性を考えると途轍もない数に増えるでしょう。

 ちなみにハビタブルゾーンとは惑星の位置と惑星が公転する恒星の明るさ的に生命体が住むには丁度いい範囲を指します。太陽系で考えると金星から火星までと言ったところでしょうか。

 ハビタブルゾーン内ではいきなり太陽光に焼かれる心配や太陽が遠すぎて凍える心配をしなくて済みます。

 問題はこれだけが条件ではないということですね。

 ハビタブルゾーンの内側にあるとしても、火星も金星も生命体が住むに適した環境ではありません。

 ハビタブルゾーン以外の条件があるということですね。

 活動しているコアによる地殻変動は大気に安定的に粒子を供給し、自転周期を安定させることを始めに様々な条件が必要となります。

 地球の核、コアは流動体ですけど、火星と金星のコアは流動体ではありません。なぜ地球のコアが流動体になったのかと言う話ですけど、地球は最初から今の地球ではありませんでした。テア(Thea)と言う今の地球より一回り小さい惑星とぶつかって今の地球となったんですね。その衝突によりコアが一度溶けて、それから壊れた地球が再び球形になる過程でコアが解けたままの状態で地殻が形成されて。

 このコアがないと、周りの重力へ引っ張らたり、そもそも自転が遅くなってて、何かが飛んできてぶつかるたびに自転周期が変わったり。

 生命体が住むに適した環境ではなくなる確率が格段に上がるんですね。

 そして地球では地殻変動によってさまざまな物質が循環し、火山活動により土地と大気の成分が生命体に有利になるよう働いています。

 火山活動が特定の生命体を絶滅まで追い込んだり、普通に災害になったりもしますけど、火山活動がそもそも起きない場合はただの死の惑星となり果てる可能性が極めて高いんですね。

 そしてコアの最も重要な役割ですけど、宇宙から来る強力な宇宙線を遮断する電磁場を作ることですね。宇宙線とは、宇宙船の変換間違いではありません、space radiation、つまり宇宙から来る放射線のことです。

 核融合を繰り返す天体がすぐ近くにあるのです、一体太陽からどれほどの放射線が放出されるのかと言う話で。

 単純に外側からも多く流れ込んできますからね。それこそ超新星爆発とか起きた日には一体どれほどの放射線が地球に注がれるのかと。

 それを防いでるのが、流動体の金属コアが作り出す電磁場です。この電磁場のおかげでシールドになってる地球には生命体が遺伝子を損傷なく広まる環境があると言っても過言ではない、火星にも金星にもこれは存在しません。

 なのでどちらかの惑星を完全にテラフォーミングするためにはコアを爆発させて溶かす必要があるんですね…(遠い目)。


 その2:木星と言う防護壁

 

 次に太陽系の外側から流れてくる天体を吸い込むバキューム役割をする巨大な惑星が外側の軌道に存在すること。

 太陽系の場合は木星がそれに値します。土星も大きいんですけど、やはり木星ですね。太陽の重力に引っ張られてくる天体が途中で木星の重力に吸い込まれるということです。

 これがですね、宇宙的に見るとあまり一般的な現象ではないみたいです。殆どの恒星は一番大きな親玉として形成し、周りは残った屑である金属の惑星が回る。

 小惑星なんてそんなにしょっちゅう恒星の重力に引っ張られてくるようなものではないんですけど、木星のような巨大なガス惑星が存在しない場合、ハビタブルゾーンに到達する小惑星は、割と簡単に災害レベルに達するんですね。

 たとえ一万年に一個ほど、巨大な恐竜を絶滅に追い込むほどの小惑星がたどり着くとしても、生命体が安定的に進化する期間は少なくとも百万年単位です。

 じゃあなんで太陽系には木星があるのかと言う話ですけど、宇宙に結構多い太陽系の形の一つが連星系です。大きな恒星が離れた距離で二つ以上出来て、互いを回るんですね。

 ちなみに恒星と惑星を区別する基準は自らの重力によって核融合が起きるか否か。

 木星は核融合が起きるほどの大きさになるには至らなかったということです。余談ですが核融合が起きるほどの重力があるとしても、必ずしもまぶしく光るということではありません。

 ギリギリのラインで核融合までは起きてるけど、比較的に外側にあるガスはそのままで、ガスが光を吸収して全然明るくない。

 このような天体を褐色矮星と呼びます。

 木星は下手したら褐色矮星になったかもしれない。だけどそうはならなかった。

 またまた余談ですけど、太陽系にもう一つ存在するとされてる謎の星Xは褐色矮星である可能性が高いようです。

 とのことで、木星と言うありがたい天体のおかげで天文学的な確率ではありませうけど、一万年に一回ほどの確率で巨大な小惑星が衝突しなくて済むんですね。

 比較的に最近だと500メートルほどの大きさを持つ天体が2009年、木星に吸い込まれたそうです。

 このまま吸い込み続けて褐色矮星になることだってあるかもしれない…、ないかもしれない…。


 その3:その他


 これ以外にも海の対流を安定させ、地球の表面温度を維持する月の存在とか、太陽系の外側に存在する大きな小惑星帯であるエッジワース・カイパーベルトで定期的にレアな金属や鉱物が含まれた小惑星が太陽の重力に引っ張られて来て、それが地球に到達しているところとか。

 そもそもこの太陽系自体、比較的に宇宙線濃度の高い銀河の中心部からは離れているところとか、近くに超新星爆発が起きそうな恒星やブラックホールが存在しないところとか。

 考えてみればどれほど特殊な条件がそろわないといけないのかと言う話で。

 よくライトセーバーを振るう有名なスペースオペラなどでは、銀河の中にはどの惑星にも行ってみれば人が活動できたり様々な知的生命体が簡単に交流したりしていますけど、果たして宇宙はそんなに都合のいい場所なのかと、近年の科学研究の成果で疑問視されているんですね。


 2.ドレイクの方程式とその限界


 じゃあ実際その可能性を数字として表してみたらどうなのかと言うことで、我々の地球と近い環境の星々が存在する可能性を方程式に表したのがドレイクの方程式です。これもまた詳しくはウィキペディアを参照に…。

 またやり投げな感じですけど、別に説明したくないのではなくて、ウィキペディアでちゃんと説明がされてるのを繰り返すのもどうかと思い…。

 それでその最近の研究結果なんですけど。

 この広い銀河内でも36ほどの惑星が地球と全く同じくらいの環境と言う結果が出てます。ただ問題はと言うと、これはあくまで我々が知っている範囲での生命体の在り方と言うこと。

 流動体状態の金属コアが存在し、軌道の外側に木星のような巨大なガス惑星が小惑星を吸い込み、月が海の対流を安定させていて、銀河系の外側にある惑星の数は、36ほど。

 銀河系に存在する1000億ほどの惑星の中で、たったの36。なんて…、夢も希望も…、なくはない…。


 a.ケイ素ベース生命体


 ですがこれはあくまで、炭素ベースで酸素を呼吸する生命体に限る話です。ケイ素ベースの生命体のことは考慮してません。

 炭素ベースでも人間と全く違った形で進化した生命体も考えられない。だけど知っている標本と言えるのは今の我々しかいない。

 ちなみになぜ炭素ベースの生命体が一般的なのかと言う話なんですけど。炭素は宇宙の中でも最も多い元素のひとつで、どこにでも見つかり、水とも相性がいい。

 そして水は、割と多いんです、宇宙には。なぜ炭素が水と相性がいいのかと言うと、炭素は水素と酸素に結合しやすいからなんですね。

 つまり宇宙で最も多い結合しやすい部品が、宇宙に広くある液体である水が組み合わさった場合の可能性が一番考えやすい。

 炭素は、周期表でも6番で水素から核融合をしてすぐにたどり着けます。

 ただケイ素も14番で、炭素までは行かなくともそれなり宇宙に広く存在しています。

 地球でも岩や砂はケイ素を豊富に含めてるんですね。

 ケイ素と炭素は分子の性質が似てて、比較的に安定していながらも簡単に他の元素と結合して性質を変換させます。

 地球では誰もケイ素生命体は見たことがない…。

 だからとケイ素ベース生命体の存在自体が否定されるのかと言うと、そうと決まったわけではありません。

 地球の生命体が基本的に炭素ベースの生命体になっているのは、単に惑星全域にある主な液体が水であることに起因している可能性が高いですね。

 炭素は二酸化炭素になってからイオン化して、水に溶けたら炭酸水となります。

 イオン化した炭素が水に溶けている状態は地球上のどこでも見つけられて、大気中にも二酸化炭素が豊富にあります。

 それに比べて、イオン化したケイ素が液体や大気に溶けているなんて、聞いたことないんですよね。つまり反応可能なシリカの量は炭素に比べて少ないどころか、ほぼ安定した砂や岩の一部となっているということで、地球の環境でケイ素ベースの生命体が誕生する確率は格段に劣るんですね。

 ちなみにケイ素の場合は核が炭素よりずっと大きいんですね。

 するとケイ素結合分子が別の分子と結合した場合、炭素の場合は原子と原子の間の距離が広いんですけど、ケイ素は短くて、この短さからどのような組み合わせが可能となるのか、あまりピンと来ないのが現状です。

 ただ、形が今の我々が知っているような生命体ではなくなるのは、ほぼ確実だと思われます。

 実際に専門家たちが想像したケイ素生命体は、なんというか…、生命体より機械に似てます。

 曲線を描くのではなくもっと角ばっているんですね。

 ちなみに地球上でケイ素は微生物が外骨格を作る時に使われることが発見されています。

 整理すると、地球はケイ素生命体が発生するに適した環境ではないだけで、実際にケイ素自体は限定的ではありますが生命体が使ってはいる。

 そして炭素と水の組み合わせがよかったと。

 ケイ素は水と高温でなければ反応もしないので別の液体が望ましいです。メタノール、アンモニアなどが可能性として考慮されているとのことです。

 ケイ素はメタノールに溶けるわけではないんですけど、メタノールを見えないほどの小さい粒になって揺蕩うことはあり得るらしいですね。

 アンモニアは、シリコンと反応したら結合して分子になったりするので…。

 ケイ素生命体はアンモニアの入った液体を飲んで、水素と結合しやすいところから酸素の代わりに水素を呼吸するという、とんでもない性質を持っている可能性が…。

 そして同じ炭素ベースの生命体だとしても、地球とは違う環境で誕生する可能性もまた十分考えられます。


b. 赤色矮星の場合


 その可能性の中に最近想定されている話があります。

 ちょっと興味深い環境であると思ったのでここで紹介したいと思います。

 赤色矮星を近くで回る惑星。

 赤色矮星と言うのは、褐色矮星よりは大きく太陽よりはずっと小さい、赤色で光る恒星のことです。

 この赤色矮星、我々の太陽と違って温度も低くエネルギーの放出もそんなに激しくありません。

 太陽とか水星の大気を太陽風で蒸発させてますからね。

 赤色矮星は活動がそこまで活発じゃないため、ハビタブルゾーンもかなり恒星の近くに位置することになります。

 するとですね、赤色矮星自体の重力で小惑星が引っ張られて吸い込まれ安い。

 そしてこの赤色矮星のハビタブルゾーンの面白いことなんですけど、赤色矮星を回る惑星は、簡単に自転と公転が同期してしまうんですね。地球にとっての月みたいに。

 するとどうなるか、赤色矮星である恒星に向かって惑星はずっと同じ方向を向いている状態となって、常に夜の場所と常に昼の場所が出来ちゃうんですね。

 そして常に昼のところでも、常に夜のところでも住むには適していない。

 じゃあどこが適しているかと言うと、常に夕日が見えるトワイライトゾーンです。

 ロマンを詰め込みすぎて爆発してしまいそうです。トワイライトゾーンに作られた惑星、一体どのような景色が見れるでしょう。

 ちなみにですね、赤色矮星は太陽よりずっと小さく核融合が行われるスピードもずっと遅いことから、寿命がかなり長いんですね。

 それで太陽系の太陽が寿命が来るまで我々があまり進化してない状態に何十億年も生きていたら、赤色矮星のハビタブルゾーンに入っている惑星に移住するとずっと長くそこで生活出来ちゃいます。

 この惑星での生活を題材にした作品とか、面白いかもしれません。

 そして赤色矮星のハビタブルゾーンを回る惑星、銀河系にとんでもない程の数があるらしいです。

 その中に一つくらいは、知的生命体に至るまで生命体が進化しているかもしれない。

 このように、我々の地球とは全く違う環境は、ドレイクの方程式ではあまり考慮していないわけなんですね。


 3.フェルミのパラドックスの向こう側


 それでこのような可能性があるとして、実際に地球外生命体が存在していることは確定であると。

 なのに、見つからない。

 それはどうしてか。

 ここで暗い森仮説(Dark forest hypothesis)と言うのが出てきますね。

 現在天文学の業界で密やかに考慮されているのがこれです。話自体はフェルミのパラドックスが出て間もないころから成されていたんですけど、今になってはもはや無視できない可能性になっている感じです。

 宇宙は実はまるで暗い森のように思ったよりずっと冷たく暗い場所で、誰も積極的に意思疎通なんて図ろうとしない場所であるというのがこの仮説の肝です。

 自らを発展させる過程でも同じ種族同士でどれだけの争いを経験していたのかと。

 知的生命体なら必然的にパラドックスやドクトリンを経験します。

 しかも知的生命体は共同生活をして発展しますから、集団に適応するために個としての判断能力よりコミュニケーション能力を優先する場合も少なくありません。

 そしてコミュニケーションは誤解を生み、互いを違う集団として認識した時点では互いに無制限の暴力を振るうことすら厭わない。

 ぶつかり合い、いがみ合い、どこかの時点では理解することすら諦めることもままあります。

 なのに宇宙単位で、完全に違う環境で育った知的生命体同士でコミュニケーションをとっていいものなのか。

 互いを理解しあって交流をすることこそが互いにとっての有意義であるとなぜ断定できるのかということで。

 しかもですね。

 この考えを深めるとある結論にたどり着いちゃうことになります。

 潜在的に脅威となりえる競争相手の知的生命体を抹殺して回る殲滅者が存在するかもしれないという…。

 超捕食者仮説(Super predator hypothesis)です。

 ただこれは極端な話で、真実はもっと複雑なところにあるかもしれません。

 天文学にはカルダシェフ・スケールと言う単位がありまして、これもまたウィキペディア…、いや、まあ、短いのでそのまま引用します。


タイプI文明は、惑星文明とも呼ばれ、その惑星で利用可能なすべてのエネルギーを使用および制御できる。

タイプII文明は、恒星文明とも呼ばれ、恒星系の規模でエネルギーを使用および制御できる。

タイプIII文明は、銀河文明とも呼ばれ、銀河全体の規模でエネルギーを制御できる。


 と言うわけですね。

 これはですね、我々の生物としての進化には欠かせないというか、いずれタイプIIIを越えて宇宙全体をタイプIIIIと言うんですけど、これにたどり着かないといけないかもしれない。

それはなぜかというと、すべての物質は崩壊するように定められているからです。これは前に書いた量子力学に関しての話にもちょこっと紹介してましたけど、物質には寿命があります。そして宇宙のエントロピーは減っていくだけ。

 宇宙全体をコントロールするほどのスケールまで成長しないと、いずれすべては無に帰しなくなると言う…。

 ただ冷たい鉄になって、光も熱も消えた世界。

 数千兆年どころかそれ以上先の話ではありますけど、必然である滅亡を受け入れないためには段階的にシフトしていかないといけない。

 知的生命体が科学技術の発展で永遠の寿命を手に入れたら、永遠なんて実はそんなに夢幻のようなことではなくなるかもしれない。

 それに我々がやらなくとも、もっとすごい知的生命体がやるかもしれない。

 それが果てしなき旅路であろうと、やらずにはいられない、宿命のようなもの…。

 ここで、タイプを越えていくことのシフトが一体どのように観測されるかに関して考えてみましょう。

 暗い森の中にポツンと光が灯されているというか…、闇が照らされている感じですね。

 なぜって、そもそもタイプをシフトしていくために、周りのエネルギーを使わないといけないので。

 周りの森=天体が出すエネルギーを吸い込んでしまいますからね。

 吸い込んだエネルギーは自らの文明を改善するために、未来へ進むために使われるでしょう、普通に遊びとかにも使われると思いますが。今みたいに。

 知的生命体が作り出す文明とは、本質的に近くの環境を改善することにかかっているかもしれません。

 光年単位の距離を移動するのも一筋縄ではいきませんし。

 なら他の知的生命体と交流するのはその周りが重なる時点でいいという…。

 つまり私たちが、タイプIIの状態となって、次の恒星に向かおうとします。

それが次々と増えて、36ある同タイプの知的生命体が作ったタイプIIの建造物と融合するという。

 ちなみに、怪しいものが観測されてて。

 タイプIIの建造物をダイソン球(Dyson sphere)と言うんですけど、恒星を太陽系の物質をすべて使って囲んで、恒星のエネルギーを満遍なく利用できる状態ですね。

 これらしき反応と言うか、ダイソン球を完成するまでには恒星を回るベルトのようなものとなるんですけど、それが遠くからはどう見えるかと言うと。

 点滅します。恒星が点滅するとか、普通に考えてあり得ないですよね。それも定期的に。前を何かが通らない限り。

 つまりダイソン球になる前段階のベルトのようなのが、定期的に回転していて…。

まあ、これにも種と言えるものはありますけどね。単に前に観測出来てない大きな天体があるだけとか。ダイソン球じゃなく褐色矮星とか。

 いや、それがダイソン球である可能性も…。

 まだわからないんです。わからないんですけど、あり得ないことではありません。

 それに宇宙には超空洞と言う空間があります。

 銀河がたくさん集まってるんですけど、我々が存在する銀河は、銀河団と言って、多くの銀河が集まって、また銀河団が集まった超銀河団で、それこそ数えきれない星々が輝いているんですね。

 なのに、超空洞は、それがないんです。超銀河団がまるっと入れるほどの広さを持つ宇宙空間が、ただの空白なんですね。

まあ、一つや二つ、本当に少ない数の銀河が発見されてはいます。

 ただですね、冗談でこんなことを言われたりして。

 “他のすべての銀河はタイプIII状態に入ってるけど、観測されてる銀河は自然保護区みたいに残しているだけではないのか。”なんて。

 ちなみにこの超空洞、拡張している場合もあります。超空洞が拡張して突然銀河が観測できなくなるという…、消えているとしか見えなかったりするんですね。

 嘘じゃないです。

 これが空洞ではなくタイプIIIに入った文明が瞬時に銀河全体を植民地の中に取り組んでいるというのなら…。

 まあ…。



終わりに


 この間、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が発射されましたね。

 順調にいくとこのまま安定した軌道で今まで発見できなかったことが見つかるようになります。

 果たしてどのような発見があるのか。

 赤外線ではガスに隠れた向こう側も見えたりしますからね。ここでどこぞの星からダイソン球とか見つかったら果たしてどうなるかと…。

 普通に赤外線感知で生命体が住む惑星が見つかるのが先と言う話ですけどね。 不安半分期待半分…。

 どちらにせよ、人類は地平線の向こう側へと進んでいる途中であるということが出来ます。


少し内容に追加がありました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 確率的に地球のような知的生命体の存在する惑星は他にあり得ない、という話は聞いたことがあったのですが、それは酸素ベースの生命体の話で、人類にとって未知の形態で存在する宇宙人もいるかもしれない…
[一言] 夢がありますよね、実は銀河連邦が存在して地球は未発達の文明で保護観察されている・・・。ハリウット等の創作物ではと妄想してしまいますが、実際は、同文化レベルの有する知的生命体が同一線の時間線上…
[一言] わかりやすくて面白かったです。 もう少し改行入れてくれるとありがたい…
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