先輩
読みに来てくれてありがとうございます!
どのくらい泣いていたのか分からないが、その間ずっと先輩が頭を撫でてくれていたのに気づいていたのでお礼を言った。
「あっありがとうございます」
先輩はノートに文字を書き見せてきた
[どういたしまして]
「先輩のおかげで元気になりました!もう、戻りますね!」
完全に強がりだった、気持ちは全く晴れておらず灰色の世界のままだったがこれ以上迷惑を掛けたくないと席を立つと先輩に別れの挨拶をして急いで図書室を出た。僕は急いでいたせいで、学生証を落としたことに気付かず教室に戻った。
僕が出て行った後、先輩は落ちている学生証に気付き拾ったあと、図書室を出た。
「はぁ~」
それから、教室に戻ってから学生証がない事に気付き完全に図書室で急いだ時に落としたんだと思った。探しに行けよと思うと思うが今朝、先輩にあんな恥ずかしい所を見られ少し顔を合わせずらかった。けど、ずっと教室にいる事も出来なかった。嫌でも、同じクラスにいる芽衣の楽しそうな声が聞こえてくるからだ。
「はぁ~」
もう一度、深いため息を吐くと席を立ち図書室に向かった。教室にいる方が辛かったのだ。
図書室にたどり着き、中に入ると先輩はカウンターの中の椅子に座っていた。
先輩は、僕が入って来たことに気付くとこっちに走り寄ってきて手に持っていた学生証を渡してきた。
「拾っていてくれたんですね。ありがとうございます」
先輩から学生証を受け取ると、直ぐに図書室を出ようとすると服の袖を掴まれた。
後ろを振り返ると、ノートを片手に持った先輩が
[話したら楽になる事もあるよ]
その文字を見て、先輩の優しさが滲み出ているようで再び涙が出てきそうになったが何とか堪え先輩に話してみる事にした。
それから、昨日の事、これまでの事を全て話した。話終わってから先輩は
[辛かったね。頑張って話してくれてありがとう]
「いえ、こちらこそ話を聞いてくれてありがとうございます」
[お話を聞くことなら全然できるからまた、話したくなったら聞くよ]
「ありがとうございます」
そこで、こんなに優しくしてくれている先輩の名前を知らない事に気付いた。
「そ、その名前を教えてくれませんか?」
すると、明らかに先輩がビクッと驚いた。その反応をみて、聞き方がまずかったなと聞いてから思った。
「あっごめんなさい、こんなにお世話になっているのに名前も知らないのは失礼かなと思って、それで、その」
僕は、慌てて言い繕うと
先輩は肩を震わせ、ポンポンと叩いてきた。
そして、
[君、慌てすぎだよ。ちょっとびっくりしただけだから]
また、恥ずかしい所を見られたと顔を赤くしていると
[私は、花宮 麗子だよ、2年。君の名前は?」
「僕は、田中 空です。1年です」
今になって、自己紹介しているのが可笑しくて先輩は肩を震わせ僕は声を出して笑った。他に人がいなくて良かったと思った。じゃなきゃ、怒られていたと思うから。
「また、話に来てもいいですか?」
[いいよ。私は、いつでもここにいるから]
「ありがとうございます!」
時間もいつの間にかもうすぐ予鈴がなる時間になっていたので僕は先輩と別れ図書室を出た。その日は久々に、気分が軽かった。
その日から、図書室で先輩と話す頻度が増え先輩に癒されながら教室での辛い事を緩和していた。そんな生活が一週間続き、その日もまた昨日と同じように一日を過ごしていくんだと思っていたらその人は突然教室に入ってきた。
「少しお邪魔するわよ~。田中君ってどの子かしら?」
昨日ぐらいに図書室に行った時に、先輩と仲良く話していた先輩が何故か教室にやってきて僕の事を探していた。クラスのみんなが全員こちらを見て僕は頭が真っ白になった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
少しでも興味を持った方、続きが気になった方は
お手数ですが、ブックマークと下の方にある☆で評価をして頂いたら励みになります!