二章後編36話 爆ぜる右手
どうもビタミンです!
今回でタロン戦決着です!
元に戻ったフツバはどうやって倒すのか⁉︎
この章はもっと短く終わらせる予定が長くなってしまってます。
タロンに何があったかもしっかり書きます。
という訳で今回も楽しんで頂けると嬉しいです。
咽せながら息を整えるフツバ。
体からはありとあらゆる汗腺から汗が流れ出している。
「お前は一体何なんだ?」
「あっ?あれは気にすんなっていうのは無理な話か。……実際の話俺もあれは何だかイマイチ分かんねぇんだよ。俺が意識無くなったり無理に力出そうとしたら出てくんだ」
汗は収まっているがまだ余裕はなさそうな表情だ。
タロンも重い鉄の体で立ち上がる。
タロンの息は荒く、フツバが知っていたタロンよりも疲れ切っていた。
「お前は次から次へと未知の力を見せてくれる。だがな今の状態のお前よりもさっきまでの頭のおかしいお前の方が強かったぞ。今のお前では俺には勝てねぇよ!」
お互いに違う形ではあるが体力を消耗した二人。
確かに元々あのフツバが出てきたのはフツバが脳震盪で気絶した事が理由だ。
この二人ではタロンの方が優勢だ。
と勘違いしても仕方がない状況。
「さっきの奴のせいでちょっと時間が押したんだよ。だから、」
フツバがタロンに向かって人差し指を立てて前に突き出す。
「お前に一つ宣言する。次の一撃でお前を倒す」
タロンがその宣言に鋼鉄の眉間に皺を寄せる。
「お前は一度負けたんだよ!なぜ、その自信に満ち溢れた目が出来る!?」
フツバがその反論に嫌そうな表情で答える。
「よく言われるだよな、それ。負けても絶対に怯えたり怖がったりせずに勝とうとする。俺の短所であり長所でもある。俺にとっては負けた事よりも死んでない事の方が大事だからな」
「強さに対する誇りはないか。お前はここで終わりだ!そんな誇りも持ち合わせないお前に俺は倒せない!強さこそがこの世の全てなんだよ!」
タロンがフツバの発言に何か思うことがあるのか過剰に反応する。
「一撃で終わらせる!」
フツバは重心を前に傾ける。
体からは力が一気に抜ける。
手でやんわりと収められている剣の柄を握っている。
訳の分からない構えにはもう反応をせずタロンもフツバを倒す為の一撃を右手に溜める。
フツバを倒した一撃を濃縮した更に強力な技。
お互いの本気でのぶつかり合いは刹那の間に決着がつく。
「『無力神殺』」
フツバがそう自分に聞こえる声で唱える。
フツバは一瞬だけ足に全身全霊の力を込める。
全身の脱力は空気の抵抗を極限まで下げ、神速の領域に達する。
フツバの鞘から抜かれただけの剣が勢い全てを任せて空を切る。
神速で移動したフツバはタロンが目で追えない速度でタロンの目の前まで来ていた。
目の前まで来ていることにさえタロンは気づけない。
フツバの剣がタロンの攻撃が超濃縮された右手の平に触れる。
フツバの一撃はタロンの体ごと斬り裂く。
タロンの右手が刹那よりも速い速度で二つに斬られる。
右手は大爆発を起こすが、そのちかくにはもうフツバの姿はない。
フツバはすでにタロンの背後へと神速で移動していた。
タロンが気づけたのは自分の右腕が爆ぜた事のみ。
負けを感じるにはあまりに少ない時間だった。
読んで頂きありがとうございました。
今作二回目の『無力神殺』が出ましたね。
ドイル戦でも出ましたが描写は一瞬だけでしたので長々説明を書いたのは初めてですね。
これがこの作品のフツバの必殺技となります。
師匠から引き継がれた技です。
これでもまだ未完成です。これからも敵はどんどん強くなっていきますしフツバもどんどん強くなっていきます。
それではまた次話でお会いしましょう。
良ければ感想、アドバイス、質問お願いします。