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二章後編35話 待望の俺

どうもビタミンです!

はいはい、という訳で今回も引き続きタロン戦になります。謎の状態フツバにフルボッコにされた後のお話ですね。

いつも通り気ままに書かせていただいたので時間が遅くなってしまっていますが許して下さい。

それでは今回もお楽しみ頂けると嬉しいです

 機械仕掛けによる奇想天外な攻撃はフツバを惑わし、フツバの疲れによる隙を突き頭に強烈な一撃を決めることにタロンは成功した。

 その一撃によりフツバは意識を失った。

 そのフツバが突如として目覚めた時、その時フツバは人格が何故か変わっていた。

 いつも話していた少し早口な口調ではなくカタコトのようなおぼつかない言葉選び。

 目の周りをクマが一周したかのような黒ずんだ目。

 殺気を桁違いに放ち太刀筋さえ変わっていた。

 よろつき真っ直ぐも歩けないような状態なのにも関わらずいつものフツバよりも動きが軽快で力がある。

 更にそんなフツバは前動作無しに『(いくさ)』を放つことが可能だった。

 タロンはその攻撃をまともにくらってしまった。

 いくら機械の体とはいえ多少は存在する内臓に響く。

 また壁に勢いよく打ちつけられる。

 何度も何度も強い威力で打ちつけられている壁は崩壊仕掛けている。

 廊下の窓はほとんど割れ風通しの良い廊下へと姿を変えている。

 タロンが立ち上がるよりも先にフツバが目の前に現れる。

 タロンはフツバが前に現れた事に遅れて気づき攻撃を仕掛けようと手を前に出す。

 しかし数少ない攻撃手段ではすぐに見極められる。

 前に出した手をフツバは片手で力一杯握りつぶそうとする。

 

「クァッ!」


 タロンが手の痛みに耐えかねて悶絶する。

 片方の手で抵抗するが一切離す気配がない。

 いくらフツバでも握り潰せずタロンが無限に痛みを感じ続ける。

 フツバはもう一方の手を使ってタロンの首を掴む。

 タロンの体を壁に押し付けながら持ち上げる。

 体はタロンの足が着かない高さまで持ち上がる。

 足をバタつかせフツバの体に蹴りを入れるがそれも虚しい威力しかでず攻撃をやめるまでには至らない。

 

(クソッ!確実にさっきの内部までの攻撃が効いてるな。力が入りづらい)


 タロンは先の攻撃が内部まで刺激を与えていた事の影響を考える。

 普通の人ならばどう頑張っても表面の鉄板により振動が吸収されて終わる。

 しかしフツバはレベルの違う攻撃を撃つことが出来る。

 フツバならば自分を殺す事は可能だとタロンには分かっていた。


(コイツに負けるのか⁉︎まだアイツらを殺せてないのにか⁉︎)


 タロンの脳内で走馬灯が駆け巡る。

 右手が変形していくのを感じる。

 終わりが近づく、近づく、近づく、終わらない。

 近づいている筈の終わりが始まらない。

 すると首を握っていた手が離される。

 床に崩れ、咳込む、右手はまだ痛みが残っている。

 自分の事態を確認した後、真正面に立つフツバを見上げる。

 

「グァグ!クァッ!アグゥ!」


 フツバが何か込み上げてくる物を抑えるように首元を掻きむしる。

 体を右往左往に振り回して必死に抵抗する。

 ヨロヨロと苦しみながら暴れ回り壁に体をぶつける。

 わざと体を壁に強く当たり自傷していく。

 体をぶつける毎に声をあげ、何かを拒むかのようにしている。


「何をしてる?」


 タロンが意味が不明な行動に度肝を抜かれている。

 フツバは今度は奇声を発してだし、タロンを見つけてこちらに走ってくる。

 唐突な矛先の変化に驚くが体力が少し回復しており真っ直ぐ向かってくるフツバを蹴り上げる。

 フツバはそれでも必死の形相でタロンに襲いかかってくる。

 

「何度も何がしたい⁉︎」


 タロンが同じ手を繰り出すフツバにまた同じように蹴り上げてやろうとするしかしフツバはそれを学んだかのようにスルリと体を横に流して躱す。

 フツバは走ってきた勢いのままタロンの首を両手で握ってくる。

 タロンもフツバを止める為に体に蹴りや殴りで邪魔する。

 しかしフツバ是が非でも手を離そうとしない。

 フツバが両手で握り潰そうとしている場所は首で最も厳重に作られている場所だ。

 フツバの力でも中々壊れない。

 するとまたフツバの力が入らなくなる。

 フツバが首から手を離し自分の顔を手で覆う。

 

「ファグ!ウゥッ!アグァ!カエッセ!」


 一瞬意味がある言葉を発した事にタロンは衝撃を受ける。

 会話もまともにしなかったフツバのもう一人の人格が確かな口調で喋ったのだ。

 いや、今の声質はおかしな人格の方の声ではなかった。

 

「オトメ・フツバか?」


 タロンが息苦しそうに聞く。

 フツバは荒く息を吸っている。

 タロンはもう一度の攻撃に備えて攻撃の準備を始める。

 答えが中々返ってこない。

 

「オトメ・フツバ⁉︎テメェは今どっちだ?」


「まぁ、そう焦んなよ。お待たせ、待望の俺だぜ」


 地下にいた時と同じ表情と顔つきと殺気のフツバが顔を上げて笑いながら喋った。


 


読んで頂きありがとうございました

今回は「待望の俺」という訳で最後の言葉からサブタイトルは持ってきました。

次回タロン戦最後になると思います。 

今更気付いたことでここで書くような事じゃないですが僕今までこの作品でフツバの格好についてあまり書けていないことに気づきまして。

今度訂正の時に何処かに入れておくつもりなんですが今ここで言っときますと騎士の時代は鎧という認識でオッケーですが逃げ出してからは動きやすいカッコいい私服的な感じだと思ってください。

きっと今後どこかで書きますし、前の部分では訂正の時に直しておきます。

それではまた次話でお会いしましょう。

良ければ感想、アドバイス、質問などどんどんお願いします。

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