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二章後編28話 心配

どうも、ビタミンです。

今回はタロンの全身があんなことに……って感じです。

そろそろ、タロン戦も近いかもですね。

先にアトラと社長の会話を書くのでもう少し待ってください。

という訳で今回も楽しんで頂けたら嬉しいです。


「タロンって何言ってんのよ?アイツこんな頭おかしくなかったでしょ」


 ライラが馬鹿馬鹿しいとばかりに鼻で笑う。

 フツバがそれを聞きマジマジと黒ずくめの男を見つめる。

 つられてライラも否定を求める様に男を見つめる。

 しかし一向に男は否定しない。

 

「ねぇ、嘘でしょ?アンタがタロンっていうの?だってタロンは坊主だし、そんな喋り方じゃないし、それに」


「姫さん、もういいよ。コイツはもう俺らが知っているやつじゃない」

 

 フツバが理解が追いつかないライラを止める。


「もう知ってるやつじゃない?馬鹿なのか?元々、俺はこういう人間さ。俺は二十歳の時、桃色になった。あの時から俺はずっと変わっちゃいねぇよ」


 タロンが今までは見せなかった怒りの感情をあらわにする。

 タロンは体に纏う様に着ていた黒い服を破り捨ててゆく。


「なっ……」


 ライラがその光景に目を疑う。

 破かれ、地肌が見える筈の場所から見える物それは


「機械ってことはまさか、アンタ⁉︎」


「あぁ、そういう事だよ!今まで地下で使われてたあの実験体共は全員俺を強くする為の犠牲なんだよぉ!」


 言葉と同時にタロンは顔の布を破り捨てる。

 床に放り投げられた布には皮膚の様な肌色の物もくっついていた。

 タロンと名乗るその男はフツバの言っていた通り別の人物と化す。

 顔面全体が機械仕掛けになっていて体のあらゆる所に武器やら何やらが搭載されている。

 

「これが最強の俺の姿だ!どうだ⁉︎オトメ・フツバ⁉︎お前でも倒せ、ってどこに行きやがった?」


 フツバがさっきまでいたライラの隣からいつの間にか居なくなっていた。

 

「なぁ、姫さん。この扉の向こうにアトラが居るんだよな?」


 フツバが扉の前に立ちそう呟く。


「えぇ、そうだけど」


 あまりの落ち着いた態度に呆気を取られる。

 

「何分ぐらい経つ?」


「たぶん五分弱ぐらい」


「なら、大事なことは大方済んでるだろ。よし、姫さんちょっとこっち来て」


 ライラがほっとかれているタロンを横目にチラチラ見ながら恐る恐る歩き出す。

 その瞬間、機械で作られた片腕を強く握りライラに襲いかかる。


「無視してんじゃねぇよ!ほら、離れたからこうやって敵に殺されちゃうんだよ!」


 タロンが大きく振りライラの顔面に拳撃を打ち込む。

 ライラのいた場所が破壊される。

 破壊されたその地面の横にはライラとフツバが立っている。

 フツバの足で矛先をズラされる。

 足で強く踏みつけられるが痛みは感じない。

 ライラはその様子を見てすかさず扉に向けて走り出す。


「どうしたら良いの?」


「穴開けてあるからそこから中に入って」


 タロンと睨み合いながら指示を出す。

 ライラが扉を一周見回し、一人分の穴を見つける。


「いっつも思うけどいつの間に開けてんのよアンタは」

 

 ライラが屈みながら中に入っていく。

 後ろからは壮絶な衝撃音が聞こえる。

 機械と強烈な何かがぶつかる音。


(見たくない見たくない見たくない見たくない)


 ライラは振り向く事なく中に入る。

 中ではアトラが待っていてくれた様で話も一区切りはついている様子だった。


「大丈夫ですか?あの音が聞こえたので何かと思えばフツバさんは間に合った様ですね」


「間に合いはしたけど。今外でヤバめのタロンと激闘中」


 もう一度扉の向こうから衝撃音。

 激しく撃ち合う音が聞こえる。

 あの全身機械だらけの男にもフツバは勝てるのだろうか。

 フツバはメルト戦の後でもある。

 消耗していないなんてことはいくらなんでもあり得ない。

 アトラが部屋の中に入ってから辺りに振り撒く様に放った殺気はドイルに相当する物を感じる。

 色は違うが量は一緒だった様に初心者ながらにライラは思う。

 そんな事を考えている内に扉から何かが勢いよくぶつかった音が聞こえる。

 その少し後でライラの入って来た一人分の穴も塞がれた。


「今のはフツバのヴェーラのよね。ならぶっかったのもフツバって事?」


「私は相手を見ていませんがこれはもしかすると倒すのではなく撤退が優先になるかもしれませんね」


 いつも信じる二人でさえ、心配してまうほどに危機感を感じる。

 それに二人は共通の一つの心配があった。

 話し合った訳ではないが自然と感じる。

 最近のフツバは自分たちの所為でもあるが頑張り過ぎなのではないかと。

読んで頂きありがとうございました。

タロンは地下の人達の実験の集大成というよりも元々自分にするつもりだった手術を地下の人達で試しているだけですね。

ところでなんと、この作品をブックマーク登録してくれてる人がいる事を知りました。嬉しいですね。

という訳でまた次話でお会いしましょう。

良ければ感想、アドバイス、質問、お願いします。

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