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二章後編20話 謎の別れ

どうもビタミンです。

書いてて不意にアクセス見たら63ってなってて驚きでした。何があったのか分かりませんがもしかすると初めて小説関係の引用ツイートとかツイートをしたのでそれのおかげ?

とにかくその63の中にハマってくれた人がいたら嬉しいです。

それでは今回もお楽しみください。

 朝になる。 

 しかし地下は太陽の位置などに関係ない。

 来た時も、出る時も、ずっと同じ光景。

 時間感覚がおかしくなるのは当たり前。

 せめてもの思いで中央に少し大きめの時計が掛けられている。

 そんな変わらない光景から抜け出すべく考案された作戦が開始される。

 

 (自分達よりも悪い奴を晒し上げる、いや私達は何も悪いことなどしてはいない。ただ桃色の髪が生えているだけの人だ。

 それだけで蔑まれ、嫌がらせを受ける対象となるのだ。

 何が根拠かは知らんが『悪魔の髪』などと呼ばれるせいで自分達よりも性悪な者に実験体として扱われる。

 その性悪さを証明して自分達よりも醜い物を見せる事でそちらに矛先を向けさせてやる。

 その人はどうなる?そんな事は関係ない。

 他己犠牲だろうと這い上がる。

 良いではないか、犠牲になった者たちはこの市民には嫌われるし、一部の国民からも嫌われるが良いではないか、世界に嫌われてないだけよっぽどマシだ。

 どこに居ても後から指を刺される訳ではない。

 別の名前を名乗るだけで、また始めれるのだから。

 だからお願いだ、犠牲になってくれ)


 そんな思いを胸にカルロは薄暗い道を大勢で歩いていた。

 皆それぞれの荷物を持っている。

 この道を歩くのは入った時以来の者が大半を占めている。

 先導して歩くのはタロンとフツバ、その後にアトラとライラが付いている。

 

「着いた。地上の様子をまず私が見てきます。昨日のフツバさんの一件もある警戒の度合いも見ておかなくてはいけませんからね」


 そう口にした後早々と梯子を登っていくタロン。

 帰りを待つ間も誰一人として喋らない。

 静寂、まさに嵐の前の静けさそのものだ。

 数分の間静寂は続く。


「遅くないでンゥゥ」


 耐えきれなかったアトラが口を走らせるがフツバが口を塞ぐ。


「帰ってくる直前なのはわざとか?」


 フツバがその発言をした後すぐに上の扉が開き、タロンが戻ってくる。

 アトラはフツバに口を塞がれた事が何だか嬉し恥ずかしそうだ。

 口の周りをクルクルと指でなぞって頰を赤らめている

 タロンが下まで焦った様子で戻ってくる。


「何があった?」


「地上には大量の騎士が配置されています。それも何故かこの辺りは特に多く。まるで位置が把握されているかのように」


 タロンが息を上げながら報告する。

 フツバがそれを聞き頭を手で押さえて考え出す。


「この人数はもちろん無理だよな」


 フツバがダメ元でタロンに聞く。


「えぇ、この人数は不可能ですね」


 返答を聞き、小さく息が溢れる。


(何で場所がバレた。何故向こうじゃなくこっちを?今はそんな事を考えてる場合じゃない。大勢で移動できないんなら…)


 フツバ達が最初に入った方の入口だけでなく昨日使った方にまで騎士が集まってきている。


「俺達だけで行く」


「えっ?今何とおっしゃいましたか?」


 タロンが聞き返す。


「この人数じゃ無理なんだろ。俺達三人で向こうまで行く。会社の中は手薄だろうからそこまでならバレずに行けるだろう。それから俺達が騒ぎを起こせば向こうはこっちに人手を回さざるを得ない。そしたらお前らが作戦通りの位置まで行ってくれ」


 フツバがまだ頭を押さえながら口早く伝える。

 フツバは眉間に皺を寄せている。

 きっと無茶を言っているつもりなのだろう。


「それだと騒ぎが起きてから設置完了までの間フツバさん達は?」


 タロンの後ろに立つ右目が機械になった男が声を振るわせながら聞く。


「何秒要る?設置までに何秒かかる?」


 フツバがタロンに聞く。

 解体してから組み立てるのは誰もが未経験。

 誰も答えが分からない。

 無言の時間が続く。


「十分じゃ。十分で終わらせる」


 大勢を掻き分けてカルロが前に出てくる。

 

「出来るんだな?」


 フツバがカルロの目を見て尋ねる。

 カルロが強い目付きになり、後ろに顎をしゃくる。


「見てみぃ。コイツらの目を。怯えとるじゃろ。怯えを皆は恥ずかしい物と言う。怯えている様子は確かに惨めで滑稽じゃ。だけどのう、我らは違う。桃髪になり、差別をたくさん受けて来た。そんな我らにとっては怯えとは当たり前の姿よ。怯えてなくては調子が悪い。

安心せい!今の我らは絶好調よ。任せておけ」


 最後にニヤリと笑いフツバ達に別れの笑顔を見せる。

 カルロの後ろからやる気が溢れ出ている。


「頼んだぞ。お前ら」


 フツバがそう言うと、返答はない。

 ただやる気に満ち溢れた熱気が伝わって来た。

 三人は目を合わせて覚悟を決める。


「行くぞ‼︎」


「やってやるわよ。何にもすることないけどね!」

「やってやりましょう!」


 二人も全身全霊で答える。

 フツバが梯子に登ろうとした足を急に止める。


「どうしたのよ?」


「お前らに言っておきたい事がある」


 フツバがさっき別れを告げた皆を見る。


「俺達はちょーー悪い奴らだからな。ちゃんと恨めよ。それだけだ」


 フツバが訳の分からない言葉を告げて梯子を登り出した。

 アトラとライラは気にせず後を登る。

 残された皆は不思議そうな表情になる。

 そんな空気の中フツバ達が飛び出していった。


作戦『桃色なる逆襲』開始!

読んで頂きありがとうございました。

フツバの最後の不思議な言葉。全くフツバというのはよく分からない事だらけですね。

まだまだ隠している事もあるのでそれが明かされるのを楽しみにしといてください。

まだガーリンも姿が描かれていないのでいつ出るのか。書く事沢山で何かミスって忘れちゃいそうだけど頑張ります。

それではまた次話でお会いしましょう。

良ければ感想、アドバイス、お願いします。

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