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二章後編13話 平然な見送り

どうもビタミンです。

毎日投稿は途切れましたがお許し下さい。

ですが前よりも頻度は上げていくつもりです。

今回はまぁ、内容薄めの回です。

ん?いつあの王都の事件の方をやるのかって?

それは最終回ぐらいになると思います。

それでは今回もあ楽しみください。(あはわざとです)


「六割壊れてる⁉︎」


 朝、タロンがフツバ達の宿に来て部屋の中で口にした言葉にフツバが目を見開き、驚く。


「えぇ、色々と点検した所壊れている箇所が複数あったんです。今日は勿論総出で修理に入りますが、間に合うかは……。それに私もそちらに回らなくては行けなくなってしまいまして」


 機械の故障が大きく作戦の歯車を狂わせる。

 しかし、文句を言っていても仕方がない事だ。

 三人はすぐに状況を受け入れそれに合わせた行動をしようとする。


「私達は何をしたらいい?」


 ライラが優しく話しかける。

 今は一刻を争う、タロンがすかさず話を始める。


「まず、フツバさん。あなたはもう理解してるようですが、お考えの通り一人で上の市場に行って頂けるとありがたいです」


 タロンが申し訳なさ気に少し下を向き呟く。

 元々、フツバがタロンを手伝う形で上には出るはずだったが仕方ない。


「俺は上の地図も頭に入ってないから迷っちまうと思うぞ。そうすれば時間もかかるし何より騎士団に見つかりかねない」


「…っ」


 フツバの一人行動の危険性を説明する。

 タロンも分かってはいるが声を詰まらせる。


「子供は居るか?」


 

 唐突にフツバがタロンに質問する。

 タロンはその質問の真意を理解出来てない様子だ。

 タロンはその質問で更に気不味い顔をする。

 少し抵抗しながらも話し出す。

 

「それはですね。……ここには子供はいないんです。少し前までは数人だけいたんですが、その子達は別の場所に逃しておいてるんです」


 タロンは心苦しそうだ。

 ここに子供がいるのは確かに危険だ。

 黒髪と桃髪なら桃色に染まらないかもしれない、しかし桃髪と桃髪の子は必ず桃髪になる。

 ここで生まれた子ならば後者の子ばかりなのだろう。

 子供が好奇心で外に出よう物なら危険が及んでしまう。


「子供がいれば黒髪に染めて怪しまれずに済んだんだがな。やっぱり危険を覚悟で一人で行くしかないか。明日の下見もしておきたいし」


 フツバは火の中に自ら突っ込みに行く事になる。

 きっと易々と帰っては来れないだろう。


「出来る限り役立ちそうな物は渡させて頂きます。地図に煙玉、それからお金も勿論」


 一つのカバンにまとめた状態で机に置かれる。

 

「俺は地図を暗記するから、この二人はタロンに任せた。準備が出来たら一応タロンに声かけに行くから」


 フツバがカバンから地図を取り出し、ベットに横倒れになって真剣に見つめ覚えようと試みる。

 一瞬で本気になったようでアトラやライラが口を出す暇がなかった。


「ハァ、またか」


 ライラも短い間でフツバが自分の強さにそれなりに自信があるのは理解している。

 しかし、今回は流石に無謀だ、無謀なのがフツバだ。

 それは今までもこれからもこの無謀な行動は続くのだろう。

 そして、きっと生きて……。


「それじゃあ私達は何をすれば?」


 ライラが呆れた口調で聞く。


「付いて来てください。向こうで説明します」


 タロンが立ち上がり扉の方へ歩いていく。

 二人も一度フツバを見る。

 フツバは地図の暗記にのめり込んでおり、こちらに見向きもしない。

 二人も準備して、扉へ向かう。


「ご武運を、フツバさん」


 アトラがフツバに向かって小さく喋る。

 二人が扉を出る直前。


「大丈夫だから、安心して準備してくれ。二人とも」


 後ろから声がして二人は急いで振り向く。

 体勢や表情はさっきまでとは変わっていない。

 いつも通り平然な顔をしている。


「はい、行ってきます!」


 アトラが大きな声で返事をする。

 二人は笑顔で外に出て行った。

 フツバ一人の部屋にフツバのため息が小さく溢れた。


――― ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー ーーー ーー

 周りは皆が騒がしく修理にかかっている。

 ライラ達がここに来て以来の一番の騒がしさだ。

 二人はタロンに続く形でそこに着いた。

 タロンが二人を見て説明を始める。


「アトラさんには機械の修理を手伝って頂きます。きっとあなたの力が役立つはずです」

 

 全長三メートルほどある機械を指す。

 アトラも興味深そうにそれを見ている。


「あれに触って良いんですか?」


 アトラが嬉しそうに上下に弾みながらタロンに聞く。


「勿論です。存分に見て、触って、直してください」


 タロンがアトラの勢いに少したじろぎながらも返答する。

 アトラは何も言わずにそのまま真っ直ぐ機械の方へ走って行った。


「私は何をすれば?」


 ライラがタロンに何度も聞いた質問をする。


「そ、そうですね。その、」


 何かを言うのを遠ざけるように言葉が詰まる。


「分かってるわ。みんなの為に水を運んだりするわね。何も出来ないのは知っての通りだから。何か出来ることが有ればいつでも言って頂戴」


 ライラがぐるぐると腕を回して、やる気を見せる。

 ライラのその様子には王女の片鱗も見えない。

 タロンもそれを見て、何故か安心して笑顔で返す。 


 フツバは腰に愛剣を携え、いよいよ外出の準備を始め

た。


読んで頂きありがとうございました。

今回は何だか話が全く進みませんでしたね。

次回はフツバが一人で外に出た話。

そんで次次回はいよいよ作戦執行!って感じになるかなって感じです。

書け具合によってはもしかするとフツバ一人の話が二話分になるかもです。

一応内容は決まっているんですが、文章自体は考えてないのでそこまでは分からないです。

それではまた次話でお会いしましょう

良ければ感想、アドバイスお願いします

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