二章後編まとめ セメラルト到着
※この内容には多分なネタバレが含まれています。本編をしっかりと読みたいという方はこの話を読むのはお勧めしません。
長々と読むのは疲れるのでサラッと最新話まで読みたい人におすすめします。
この話には伏線や細かい設定、描写、セリフなど省かれている物も沢山ありますのでご了承下さい。
フツバ達一行が次にたどり着いた街、「セメラルト」
工業の街として発展したセメラルトには高い建物が立ち並んでおり、一部から工場の排出ガスが出ている。
街は便利な道具により栄え、賑わい、街は幸せな空気で満ちていた。
この街の闇も知らずに……
フツバ達は身バレ防止の仮面を付けセメラルトへと入る。
入った途端にアトラがはしゃいでどこかへ行ってしまう。
アトラにとっては魅力的な物がたくさんある。
アトラに無理矢理、機材の諸々の出費を出させられる。
午前中は機械の街ということもあり、アトラに自由にさせてあげる。
仮面を付け、道中にフツバの協力者から貰った黒髪染をアトラにさせていれば全く目立たず街を歩き回れる。
昼飯を食べ終えると店の外が少し騒がしくなる。
外では一方向に人が歩いていく。
その中のおじいちゃんに少し話を聞く。
するとトロストル社という会社の社長が演説してるという。
トロストルという単語に妙に反応するアトラ。
その反応を不安に思い尋ねてみると、アトラの当初フツバの仲間になる前の目標がその会社だったという。
大きな会社であるトロストルの社長の演説を聞いてみたくなりフツバ達は行ってみることになる。
セメラルトには中央に広場がある。
そこの中心で演説している男がいた。
しかしその時フツバが広場で騎士団特有の金属製の防具の音がすることに気づく。
フツバは二人に聞こえるように警告し、まだこちらに気づかぬ因縁のメルトから逃げようとする。
メルトは幸いにもまだ気づいていないならば穏便に済ますことができる。
ライラはすぐに動いてくれたがアトラが動いていない。
アトラは中央の男をみて唖然としている。
おかしな様子のアトラをみてすぐに通常ではないと気づいたフツバはすぐにアトラに近寄り、ライラを抱えたもう片方の手で抱える。
しかしその僅かな時間ロスによりメルトの視界に入ってしまう。
メルトは迷うことなくフツバ達目掛けて追いかけてくる。
フツバの目の前の課題は二つ。
メルトを遠ざける事、なるべく遠くへ逃げる事、の二つだ。
これをフツバは取捨選択はしない。
欲張りにも両方取るのだ。
メルトはライラを抱えていることを考慮していないのか抜剣し斬りかかってくる。
フツバはその剣にドロップキックのように剣に地面と水平になりながら踏み込む。
普通ならメルトの剣がフツバの足を切り裂きフツバは重症となるだろう。
しかしフツバは師匠から硬質化させる特殊な闘方を学んでいる。
これは武闘家が剣に対抗するために生み出した技である。
フツバの蹴りの力でメルトはのけぞり、フツバは遠くまで飛ぶことができる。
しかしそれも逃げ切れるとまではいかない。
フツバの後ろをメルトもすぐに追いかけてくる。
広い街の中央で出会ってしまったのだからすぐにはこの街から出られない。
複数の雑兵が出口に先回りしてる可能性もある。
そんな風にここからの対処法を考えるフツバの横を走る一つの黒いローブを被った影。
敵かと勘ぐるフツバ。
しかしそいつは男の声で味方ではない事を主張し、フツバに次の角を曲がり路地に入ることを指示する。
この街で逃げるにはそれしかないという誘い文句を付けて。
この後街の騎士団もどう動くか分からない故に今はコイツの言葉を信じて見る事にする。
騎士団だとしたら妨害する方が得策だし、敵だとは考えにくいと思ったが故の判断だ。
角を曲がり路地裏に入ったフツバをしっかりと捉えたメルトはその角を曲がる。
しかしそこは行き止まりで、フツバの姿は無かった。
フツバ達が消えたトリック。
それはシンプルに隠し通路である。
それも騎士団に情報が入らない程の通路。
通路というより下水道と言ったほうが適格だ。
フツバは男の正体を問うが男はある一族とだけしか言わずそれ以上は明言せず、フツバということだけは気づいて助けたようだ。
フツバに頼み事があるようだ。
男はローブを外さずひたすらに歩き続ける。
そして目的地へと到着する。
そこにはフツバ達が来るのを知っていたらしく大人数がこの目的地の地下街の入り口を囲っている。
三人はすぐにその人達を見て気づく、一部の人の体が機械になっていることに。
しかし囲っている人達の問題点はそこ以外にあるようだ。
中心に立っていた老けた人がローブの男に怒鳴る。
老人曰く、ここは桃髪が集まる場所でこんな場所に黒髪や金髪、一時的に黒髪のフツバ、ライラ、アトラ、を入れることは許せないらしい。
住民達はフツバ達に拒絶反応を示し、抵抗としてフツバに石を投げだした。
フツバはその石が他の二人にぶつからぬようにと庇っている。
これは一つの街の闇を描くお話である。