二章後編8話 エイゾウ
どうもビタミンです。
今日も書か始めようとしていますが、やはり癖づいてきていい傾向ですね毎日投稿は。
この調子で続けていけたらと思います。
この作品は長ーくなる予定なので末永く読んでいただけると幸いです。
それでは9話スタート!
「セメラルト三大会社の一つトロストル社を潰して欲しいんです」
タロンがフツバ達三人と向かい合いそう呟く。
その話を聞き三人は広場の事を思い出す。
「トロストル社ってあの広場で演説してた奴だろ、何故あそこだけなんだ?」
フツバの中に疑問が生じる。
三大会社と言っているのにも関わらず一つだけを潰してもあまり意味がないように感じられる。
「まず根本的な問題としてはあなた達三人では一社でも厳しいというのもありますが、理由はもう少しあります。それはトロストル社が最も多く人体改造に携わっているからです」
タロンが疑問に答える。
トロストル社、この都市『セメラルト』の中でも三大会社と呼ばれる大企業の一つだ。
三大会社とは他の会社よりも二回り程も大きい会社の事だ。
その中でも一際絶大な力を持っているのがトロストル社という訳だ。
「トロストル社を潰せば良いのは分かった。問題はどうやればそれを成し遂げれるかだな」
フツバが顎に手を当て思案をする。
そこでタロンが
「策ならばもうあります」
フツバ達が同時にタロンを見る。
タロンが更に話を続ける。
「それはただ一つ、トロストル社は悪魔で実験として人体改造を行っています。それならば確実にその証拠を残してるはずなんです。それは」
「映像ですね?」
アトラが横から話に入る。
その答えを聞き、フツバがその解答に納得して小さく頷く。
「エイゾウって何?」
ライラがいつものように不思議そうな顔で三人に聞く。
「そうですね。映像を知らないのも無理はありません。最新の技術ですからね。映像とはまだ数分ほどしか撮れませんが、トロストル社が開発した長期間撮れる写真のような物です」
タロンが何とか身振り手振りで説明をする。
ライラも分かったような顔をしている。
きっと分かってない。
それでも話は進んでいく。
「つまりはトロストル社のどこかにある実験映像を持ってきたらいいんだよな。そこからは?」
フツバが映像の事を思い出したとほぼ同時に映像にはながせるものがないといけない事も思い出す。
「それは私達、ここに住む者達の長年の成果です。今ここにはありませんが少し先の開けた所に映像を流せるだけの機械が置いてあります。それを使えば流すことだけは可能です」
フツバとアトラはそれを聞き作戦の大部分を理解する。
フツバとアトラは目を合わせ、フツバがアトラに説明を譲るように目配せをする。
「まとめますとですね、ライラさん。まず私達三人がですね、協力してトロストル社に潜入します。そこで無茶苦茶暴れてでも何でもいいので実験映像を盗み出します。そしてそれを大衆の前で流す。それも実験された方を近くに置いとくことでより効果は絶大という訳です。それであのトロストル社は社会的に崩壊するという算段です」
そこにライラが作戦から生じた当たり前の疑問を持ち出す。
「どうやって会社の中に入るのよ?だって凄いとこなんでしょ?そりゃあ厳重なんじゃないの?」
フツバが発案者のタロンを見るが気不味そうな顔でこちらを見ない。
考えてない事が窺える。
きっとそこはどうにかしてくれるとでも思っていたのだろう。
「残念だけど入る術は俺たちには、」
フツバがあと一歩まできた作戦を廃案にしようとしたその時。
「ありますよ!」
アトラがいつの間にか立ち上がり、腰に手を当て偉そうな態勢でこちらを見下し声をあげている。
「どうやって?」
フツバが期待をせずに聞き返す。
いつも通りならば「私の機械で最上階まで登りましょう」なんていう不可能な事を言いだすだろう。
しかし、
「お二人にも話てはいませんでしたが話しましょう。私はなんと、あそこの会社の社長と知り合いなんです!」
ライラとタロンが驚き、目を見開く。
フツバは期待をしてないあまりお茶を飲もうとしてしまい、驚きの回答にお茶を吹き出す。
「確かに!何だか用があるって言ってたわよね。それなら行けるじゃない!会社へ入れればフツバが暴れるだけで行けるじゃない!」
フツバが最後の人任せな部分に苦笑いをするが、あながち間違いではない。
タロンが生気を取り戻したかのように机を強く叩き立ち上がる。
「本当に、この作戦を出来る日が来るなんて⁉︎夢のまた夢かと思っていましたがやはりあなた達をここへ連れてきたのは正解でした」
嬉々に満ちた表情をしている。
作戦、『桃色なる逆襲』が今始まる。
(アトラこの作戦名やっぱりダサいぞ)
フツバが心の中で小さくそう呟いた。
読んで頂きありがとうございました。
今回はナイスアトラって感じでしたが、どういった知り合いなのか?
よーく、考えてみれば桃色髪の人を実験に使っているのにそれと知り合いの社長とは何とも意味が分かりませんね。
なんて事を考えて話を読んでいってくださると嬉しいです。それではまた次話でお会いしましょう