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ヒスヴィル-HISVIL 〜そのためならば何度でも〜  作者: ビタミン
プロローグ・話のまとめ
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二章前編まとめ 〜アンandドイル戦〜

※この内容には多分なネタバレが含まれています。本編をしっかりと読みたいという方はこの話を読むのはお勧めしません。

 長々と読むのは疲れるのでサラッと最新話まで読みたい人におすすめします。

 この話には伏線や細かい設定、描写、セリフなど省かれている物も沢山ありますのでご了承下さい。

 

 






 











 フツバが街中を全力で走り抜ける。

 時間は遅く、もう人通りも少ない。

 フツバは誰にも邪魔される事なく、騎士団のテントが見える所まで来る。

 騎士達の行動を観察している余裕はなく、フツバは止まることを知らずに騎士団の仮拠点にまっしぐらに進む。

 橋が架けられておりそこを自分の剣を引きづる様な形で進んでいく。

 大きな音が立ち、騎士達にも気づかれ橋の出口を囲まれる。

 しかしフツバはそれを問題と思わず、橋の出口直前で大きく飛び上がる。

 空中でフツバは詠唱を唱え、ヴェーラを発動させる。

 フツバが剣をひきづった後が光り、橋が崩れる。

 これは外回りをしていた援軍が来ないようにするためである。

 フツバはそのまま騎士達の頭の上から剣を振りかぶって攻撃する。

 大きく振りかぶった攻撃は騎士に当たることはなく地面にぶつかる。

 その衝撃により砂埃が辺りに立ち込め、フツバの姿が見えなくなる。

  

 砂埃が収まると背後からライラの声が聞こえる。

 背後を取られた騎士達はすぐに声の聞こえた方向を振り向く。

 二人の姿を見て気づく隊士がいた。

 二人は突入して早々に正体がバレる。

 その隊士達の話の中でフツバは隊長以外は整備士の事を知らなかった事を知る。

 それを知るとフツバは隊士達に手加減をし、それぞれを気絶または戦闘不能までの被害で制圧する。 

 当たり前にライラ姫を奪還しようと試みる隊士もいたがフツバが砂埃の中仕込んでおいたヴェーラを使った数十もの落とし穴に引っかかり行動不能になる。

 どんどん隊士が減っていく中一人だけ的確な判断をしていた兵士がいた。

 その隊士の名は「アン」この隊の副隊長だ。

 アンは隊長への報告や隊士の撤退などを感情に任せず行い、最善の行動を取る。

 更には自分がフツバを足止めするという最も危険な事までやろうとするのだ。

 フツバはアンを見て、この腐った国にも食べれる場所がある事を知りまだ腐りきっていないと少し安心する。

 アンはフツバに対して奮闘するも敢えなく戦闘不能になる。

 そんな戦いを終えたフツバはすぐに奥にある大きなテントへと向かう。

 入り口には報告に来た隊士がいる。

 どうやら隊長は頭が固いらしく全然話が通じていない。

 それをいい事にフツバは身長差から報告している隊士の後ろから隊長に初手の一撃を決めることにする。

 フツバはこの一撃に重きを置き、人が死なない程度のある技を放つ。

 その名は「竹のニ『流転突』」

 これはフツバが師匠ガーリンから教えてもらった技。

 その攻撃は風を突き刺すような勢いで報告している隊士の顔の横を掠め、隊長にぶち当たる。

 物凄い音を立てて隊長は吹き飛び、テントが崩れる。

 フツバはすぐに隊士を気絶させ隊長との一騎打ちに持っていく。

 ライラが既に酷い暴力を振るわれていた傷ついたアトラを救い出す、

 傷ついたけどアトラは帽子が外れており自分の髪色がバレても尚助けてくれようとするフツバ達に気持ちとは真逆の言葉が出てしまう。

 何故助けるのかと問い詰めるアトラ。

 そんなアトラを護衛を頼まれたからという理由で終わらせるフツバ。

 髪の事がピンと来てないライラ。

 アトラの必死の主張も常識がない二人には通用しない。

 フツバは騎士団経験もあり、桃髪がどういう扱いを受けているかも知ってはいるがフツバはその常識が嫌いだった。

 だからフツバはアトラの髪色何かで幻滅したりしないのである。

 吹っ飛ばされた隊長ことガロノドイルが汚い声で笑いながら起き上がる。

 ドイルは背負っている大剣でフツバと応戦するがただの二星の隊長がフツバに勝てるはずもなくまた吹っ飛ばされる。

 すると今度のドイルは手に先程までと違った剣を持っており、その剣は異質な殺気を放っている。

 それはドイル曰く魔剣カシマといい、上の者達からドイルにのみ適正があると回ってきたそうだ。

 フツバはまたドイルと戦うが、先の結果とは違い異様な力を出したドイルがフツバをライラ達のすぐそばのテントまでフツバを吹き飛ばす。

 ドイルとフツバの力の差が埋まっている。

 謎の力によって強くなったドイルにまだ勝てると確信しているフツバは一時的に動けるようになったアトラに自分の機械を使い逃げるようにと促す。

 先に向こう岸にアトラが渡り、フツバ達が逃げる手段をフツバのヴェーラを基に考えるようにと命令する。

 アトラはそれを承諾してすぐに向こう岸に渡る。

 アトラが何とか逃げる方法を考えてる間にフツバはドイルを倒さなくてはいけない。

 さっきは圧倒されていたフツバが今はドイルと互角に戦えている。

 フツバは諸事情によりいつも全力という訳にはいかない。

 故に手加減をしているが今のドイルにはあまり手加減をしていられない。

 剣と剣を交わらせている中フツバにライラから騎士の援軍が来てしまったという報告が来る。

 フツバは予めアトラに置いていってもらったネジを使い、ドイルを片手間に忍者の手裏剣のような手法で援軍の急所を一人一本で倒していく。 

 この戦闘法はフツバがガーリンから教えて貰った事だった。

 教えてもらっている時は何のためか分からなかったがこの時になって理解し感謝するフツバ。

 そんな中戦いも大詰め。

 片手間で相手にされた事に焦りを感じているドイル。

 どんどん力を出していき強くなるフツバに仮初で強くなったドイルでは敵うはずもない。

 フツバとドイルが撃ち合い、撃ち合い、撃ち合い、そんな中一歩先手を行くのはやはりフツバだった。

 フツバはドイルの隙を突き、片目を剣で穿つ。

 ドイルが絶叫し、血を吹き上げる。

 フツバが決めの一手を打った瞬間に後ろからアトラの合図が届く。

 フツバはそれにすぐライラを乗せる。

 体重の都合上向こうには渡れないライラだが、体重は上限よりも僅かに上回っているだけ、向こうにアトラが居てくれるなら何とか沈むギリギリで届くだろう。

 フツバはドイルに別れを告げる。

 しかしそれを瀕死のドイルは引き止める。

 片目で戦うことも儘ならぬ状態のドイル。

 そんな状況でも意地を張ってでもフツバに勝とうとする心意気だけはフツバも認める。

 ドイルはわかっている、確実な差がありそれは片手の剣なんかでは埋まらないことも、それでも挑んでくる。

 それは隊長としてなのか何なのかは本人にしか分からない。

 フツバはその最後の挑戦に応える。

 フツバはドイルを本気で倒す事を宣言する。

 フツバは本気を出すのはあまり良くないのだがドイルに本気で向かわないのは失礼が過ぎる。

 フツバが構える。

 その異様な構えにドイルは片目を大きく開き驚く。

 フツバは体のほとんどは脱力し、力が入っていない。

 唯一加わっているのは剣の柄に伸ばされた腕の微かな力と全ての力を集中させたかのような足のみだ。

 ドイルが剣を振り上げようとしたその瞬間。

 フツバが目の前から消える。

 後ろで何か着地をした音が聞こえる。

 自分の後ろにフツバが高速で移動した事に気づいた時、ドイルの鋼の鎧は破裂音を立てて砕けた。

 中にまで傷が入っており、フツバがその技の名前を走馬灯のように思い出す。

 フツバが後ろに高速で移動する直前、『無力神殺』と言ったこと。

 ドイルは泡を吹いて倒れてしまった。

 フツバが近づきドイルが持っていたカシマを見ると抜け殻のように力は失われており粉々に散っていた。

 予想通り、偽物だった事を確認したフツバはその場をすぐに去った。

 


 フツバ、ライラ、アトラ、三人は騎士たちに追われながらも村から逃げ出し、山へ入る。

 山の中の開けた場所で泊まることになる。

 せっかく借りた宿屋も全て無駄になる。

 フツバがライラに今夜はご飯なしという絶望を突きつけ、一通りの件が終わった後本格的な話に入る。

 三人は火を囲って座る。

 フツバとアトラが火を挟んで向かい合い、ライラがどちらかと言えばフツバ側に座る。

 フツバがアトラに今後の選択を迫る。

 ここまでアトラとは仲良くしてきたし、助け合ってきた、フツバ達の素性も知られている。

 アトラがどうしたいのか、フツバ達に付いてきても良いのか、セメラルトまでなのか。

 フツバはこの質問は人生を大きく左右すると分かっていた。

 だから長考すると思っていたがまさかの即答。

 アトラは付いていく事を選ぶ。

 アトラの中ではとっく前に答えを出していたようだった。

 フツバが現状を説明し、危険が襲いかかる事を伝える。

 それでも意見を変えず即答。

 アトラには断固たる決意があった。

 そしてアトラには心配な事がもう一つ。

 もちろん髪の話である。

 アトラはこの髪の事をフツバと同じく伝え、迷惑をかけてしまうという事も伝える。

 しかしライラは何で桃髪がダメなのか分からず、フツバに至っては事情を知った上でムカつくからその謎の差別の文化を嫌いだと言ってのける。

 二人がどれだけ笑顔で迎えてくれようとしても、アトラは安直に喜べない。

 アトラは今まで信じてきた人何人にも裏切られてきた。

 だからこそ念入りに念入りに説明する。

 だけど二人の意見は変わらない。

 髪色見ても表情一切変えず、怒るのではなく、暴力を振るうのでもなく、ただ笑って迎え入れてくれてる。

 その状況に思わず涙が出てしまう。

 泣きながらどれだけ、どれだけ、自分の事を否定しても目の前の二人が肯定してくる。

 アトラの過去の経験則が全て通用しない者が一人に飽き足らず二人もいるのだ。

 フツバはアトラの否定癖を責めようとも辞めさせようともしない。

 フツバは自分の好きなだけ否定して、いつか自分の過去の否定を否定できたらそれでいいとそう考えている。

 一人は箱入り娘馬鹿でもう一人は価値観正しい方向にひん曲がり馬鹿の二人だ。

 二人が笑って受け止めてくれる。

 二人が馬鹿みたいに無邪気な笑顔で笑ってこちらにピースサインをしてくる。

 無条件で受け止めてくれるのである。

 そのアトラにとって理想郷のような場所にこれ以上何をやっても意味がないと悟ったアトラは自分の心をねじ破り、ライラに泣きつく。

 アトラが産声のような鳴き声を森中に響き渡らせる。

 フツバとライラは目を合わせて勝利を喜んだ。

 二人に一人の小さな少女が仲間に入った。

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