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二章中編2話 二人の密会

どうも作者のビタミンです。

今回の話は前回出てきた謎の魔女との話になります。謎だらけの魔女、敵なのか?味方なのか?

それでは今回もお楽しみください。




「それにしても面白そうな状況だね。フツバ」


 女が嬉しそうに話す。


「面白そうなんて優しいもんじゃないけどな。追われるのは流石にキツいんだぜ。町じゃあずっと周りに警戒しとかないといけないからな。泣けるだろ?」


 ため息を吐いて体の力を抜く。

 緊張を久しぶりに解いたようだ。


「更についさっきまで…」


 フツバが今の状況の説明を続けようとすると


「小隊一つと戦い、全員戦闘不能にして来たんだろ?」


 推測が出来る領域ではない事実を口にする。


「お前見てたのか?」


「まぁね、それにどうやら隊長さんには無力神殺まで使ってあげてたじゃないか。あれの調子は?」


 更に情報を付け加える。


「そこまで分かってんのかよ。あんなのはおまけみたいなもんさ。久しぶりに実戦で使ってみただけさ。調子はまだまだだな。未熟過ぎて師匠に怒られるレベルだったよ、今日のはな。泣けてくるよ」


 フツバが素振りで調子を確かめる。


「まぁ、そこは別にいいんだ。それより何で逃げ方をあの子に考えさせるなんていうめんどくさい方法を取ったんだい?」


 女が首を傾げる。


「深い意味は無いよ。桃色髪の子は今までにも何人か見てきたからな、人を信じれない事も知ってた。あの作戦には俺を信じる事が必須条件だろ?だから考えさせた。味方になるまでは流石に驚いたがな。とにかく助けたかったんだ」


 フツバが笑顔で作戦の意図を語る。


「相変わらずで良かったよ。だけど、」


 女の目が真剣な目付きになる。


「あの子には警戒したまえ。分かっているだろうが、まだ何か隠していると私には見える」


 フツバを案じているのが分かる。


「その通りだとは俺も思う。まぁ、今は味方になるって言ってんだからいいだろ。いつか分かる時まで待つ事にするよ」


「そのいつかが来たときにはもう遅いのかもしれないよ」


 女の言葉に更に真剣味が増す。


「遅くはなんねぇよ」


 フツバの表情には確かな確信がある。


「何故そう言い切れる?」


 その質問にフツバは少し笑って見せると


「遅くなんない為のお前だろ?違うか?」


「私の事を何故そこまで信頼できる?君が私を信頼するのが未だに理解し難い。ガーリンが殺された所に現れ、私は君に少し助言したに過ぎないんだよ。もう一度聞こう何故私をそこまで絶対的に信頼できる?」


 自分に対する絶対的信頼を不思議がる。


「そこまで不思議でもねぇだろ。お前と俺はそんな浅い関係とは思えないんだけど。だってお互いに唯一の話し相手じゃないか。信頼する理由はそれだけだ」


 女は一度ため息を吐き、少し考える。


「それはそうだね。君の思惑通り一応私もあの子については調べておくよ。でも警戒を怠ってはいけないよ」


 改めて警鐘を鳴らす。


「ありがとう。それでだな旅人経験が長いお前に聞きたい事があるんだが。」


 フツバが前のめりになる。


「食料問題かな?」


 女が静かな声で言い当てる。


「そうなんだよ。何か森に生えてるいい植物とかないか?」


 女は杖で頭をポンポンと叩き考えてるフリをする。


「まぁ、一応あるよ」


「何処に生えてる⁉︎」


 フツバが声を大きくして聞く。

 フツバの腹も限界を迎えつつあった。


「何処にと聞いたね。それは、」


 女が嬉しそうに笑い、足元から置いてあった袋を持ち上げる。

 机に置くと中から大量の球体が転がった音がする。


「ここに大量にあるよ!」


 女が袋を手で叩く。


「俺が悩んでる事分かってたんなら何で一瞬考えてたんだよ、まったく泣けてくるなぁ。それはどんな食べ物なんだ?」


 フツバが女の用意周到さに驚く。


「これは簡単に言うと木の実みたいな物さ。小さいが味は少し甘くてとても美味しいし、なんと言っても腹持ちがいいんだ。私も持ち歩いているよ」


 女が袋の中身の説明をする。


「お前は食べる必要ないだろ」


「確かに私は食べなくてもいいが旅をしていると食料は持っていると何かと役に立つのでね。ちなみにこれはコルトと言うんだ」


「コルト!それってスープにする奴だろ」


 フツバがコルトと言う名前に飛びつく。


「おや、よく知っているね。これを煮込んでスープするんだ。生でも食べれるから安心してくれ」


 女がスープにしなくても良い事を袋から取り出して食べてみせる。


「食べれるかどうかを心配したんじゃなくて、コルトスープは毎日飲むくらいのお気に入りの食べ物なんだよ。だからつい嬉しくなってな」


「なるほど」


 女が食べながら滑舌悪く納得する。


「有り難く頂くよ。ありがとう」


「まぁ、三人だから食べるペースには気をつける事だね」


 女は快くフツバに袋を手渡す。


「それじゃあ、俺は見回りしないといけないからそろそろこの辺で、」


 食料を貰い本来の目的を果たそうとする。

 しかし、立とうとする手を掴まれる。

 フツバが苦笑いしながら女の方を見る。


「安心しろ。この周りには結界を敷いといたから敵が来たらすぐに教えてあげれるよ。だ、か、ら、」


「俺は一応明日結構歩く予定なんだけど」


 フツバが何とか帰る理由を探す。


「それは大変だが君なら大して問題ないだろ。だから朝まで話そう」


 女は決して手を離そうとはしない。


「それにまだお土産もあるから損はしないと思うよ」


 女は杖で自分のポケット指す。

 何か入っているのが分かる。


「観念するからもう手を離してくれ。それじゃあ」


 フツバがまた椅子に座り、話す姿勢になり話し出した。





 





 

読んで頂きありがとうございました。

今回ではまだ魔女について殆ど分からなかったでしょうがお許しください。相談や食料をくれたりと味方と思ってくれて大丈夫です。

ちなみに城から飛び出して逃げた後の洞穴的な所を教えてくれたのもこの魔女です。

更にちなみにコルトはさくらんぼのような見た目です。

それでは次話でお会いしましょう。

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