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二章前編15話 正解は?

ども、ビタミンです。今回は二章13話になります。

まぁ、逃げるだけの回なのでかるーく見てください。

この二章カラクリ少女の前編も終盤です。

アトラの心境の変化も楽しんでください。


「おーい、フツバー。こっちよ、こっち」


 ライラが向こう岸で飛び跳ねながら手を振っている。

 フツバがその方向に走ってむかう。

 岸に着いたフツバにライラが聞く。


「ちゃんとアイツは倒したんでしょうね?」


「あぁ、勿論ぶった斬って来たから安心しろ」


 フツバは晴れ晴れした表情をしている。

 その発言にアトラとライラの表情も少し明るくなった事が対岸からも確認できる。


「それで天才が導き出した答えはどんな方法だ?」


 フツバがアトラに余裕綽々と喋りかける。


「自分で答えが分かっているのならもう言えばいい物を」


 アトラは自分の答えに少しの不安を抱いている。

 そしてアトラがフツバの方を向き解説を始める。


「まず!私の答えが正解になる為にはある仮定が事実でないといけません」


 そしてアトラが一度息を呑み言葉を続ける。


「あなたは私に結合というのを基に考えろと言いました。更にはその結合は空中でも使用できる。ではここで質問です。あなたのその能力は空中で使用するとその結合している物体は空中で止まり続けますね?」


 アトラが真剣に質問する。

 これが間違いならこの答えも必然と間違いになる。


「お、お前、その答えは流石に想像力豊か過ぎないか?」


 フツバがまるで呆れたような表情で呟く。


「それじゃあこの仮説は間違いでしたか?」


 アトラが一気に不安そうな表情になる。


「ふっ、いや、大正解だ!天才ちゃん」


 フツバが口調を急に切り替え「騙されたか?」と言わんばかりに笑っている。


「よ、良かった」


「でも、よく分かったな。あのヒントだけで」


 フツバが自分で出した問題に答えられて嬉しそう活、不思議そうに聞く。


「えぇ、寧ろそのヒントとやらの数が少ないおかげで助かったと言えますけどね。数が少ないほど考えれる可能性が狭まります。しかし流石に今回のは普通考えついたとしても却下の意見ですがね」


 確かに空中で能力を使えばその物体は運動エネルギーを結合に回され、停止するなんていう仮定は通常なら棄却すべき仮定だ。

 それも位置エネルギーは保持され続けるとかいうとんでも仕様だ。


「じゃあ何でそんなよく分かんないのを採用したのよ?」


 ライラが口を挟み質問する。


「それは私にも分かりませんよ。でもあの二つの条件で逃れる可能性なんてそれぐらいしかないかと、後、」


 アトラが途中で口を止める。

 ライラがそれを不思議に思い下から顔を覗き込む。


「後、何なのよ?」


「フ、フツバさんの実力を信じました」


 聞き取れない程の声量でボソリと呟く。

 思わずライラが聞き返す。


「何て言ったの?フツバが何て?」


 アトラの顔がどんどん赤くなっていく。


「フツバさんの実力を信じましたーー‼︎」


 急に大声を出したのでライラがビックリして後ろに仰反る。

 向こう岸にいるフツバも急な大声に唖然としている様子だ。

 それに何故かアトラの顔が真っ赤になっている。


「お前達!色々聞きたいことだらけだけど、さっきの大声でそっちに援軍の奴らが向かってる早くそっちに渡らせてくれ」


 フツバが少し焦り気味に喋る。


「は、はい。分かりました。それではライラさんこの拾ってきた木の板を二つを一つにして投げて下さい」


 アトラは顔を恥ずかしそうに隠しながらライラに木の板を渡す。

 ライラはその様子があまりに可愛らしくて思わず笑顔になる。


「分かった。じゃあ私が先に投げるわね」


 ライラが作戦を何となくで理解して木の板をなるべく遠くへ投げる。

 その様子を見てすぐにフツバが足に力を入れて高く飛び上がる。

 そして


「『分解せよ!結合せよ!』」


 フツバが空中で詠唱する。

 抜剣した剣が少し光る。

 そしてその剣を木の板二つに付ける。

 すると二つの板がメキメキと音を立てながらくっついていく。

 木の板は結合の間一時的に空中で動きを止める。

 フツバはそれを足場にして更にもう一回飛ぶ。

 今度はアトラの投げた板に同じことをする。

 それを何度も巧みに繰り返し岸に到着する。

 フツバは片手をつき着地する。


「何だか久しぶりな気がするなアトラ」


 アトラにフツバが明るく喋りかける。


「そ、そんな事は無いと、思いますよ」


 アトラはまた顔を赤くする。


「それでどうするの、フツバ?ていうか私質問してばっかね」


 ライラが不意に思ったことを口にする。

 追われている割には随分余裕がある。


「まぁ、良いんじゃね。また戦う方の脳は鍛えたら良いだろ。それより今は逃げるのが最優先だ。その他諸々は後で聞く」

 

 そう言うとフツバはアトラとフツバをそれぞれの手で抱えて走り出す。

 フツバは素早く走り出す。


「今、私フツバさんに抱えられてる!ちょっと下ろしてください」


 アトラは恥ずかしさが限界に達したのかフツバに抵抗して足をバタつかせる。


「や、やめろ。俺が抱えた方が今は早いだろ」


 フツバが抵抗するアトラを落ち着かせる。

 ライラがその様子を見て溜息を吐く。


「やっぱり私たちは逃げ続けなきゃいけないのよねぇ」


 しかしその発言とは裏腹に嬉しそうな表情をしている。

 それは戦いが終わりに向かっている事への嬉しさなのか新しい仲間のアトラへの笑顔なのか分からない。


(いや、両方か)


 とフツバは思う。

 フツバはそんな事を思うと更に後ろを追ってこようとする騎士達と差を広げて町を抜けた。

 戦いが終わった村では村人が目覚め何事かと騒いでいる。

 家から溢れる光はフツバ達の背中を照らしていた。

 辺りの森林は真っ暗でその村の光だけが暖かく周りを輝かせていた。

 


読んで頂きありがとうございました。

アトラは顔を真っ赤にしているのは何故でしょうか?

フツバに惚れているのか否かは次回に分かるかなぁ?

前編は次回終了です。前編終われば一度二章を読み返してちょっとした修正は入れれたらなぁと思います。

修正といっても読みやすくする物なので気にせずお願いします。

それでは次話でお会いしましょう。

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