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二章前編13話 天才に託す

どうも、作者のビタミンです。 

今回の内容は前に引き続きドイルとのバトルになります。

前回は謎の魔剣カシマが出て来た訳ですがその力とはどれほどか?

それでは二章12話始まります。


「魔剣カシマだと?何でそんなもんがここにある?」


 フツバが剣の名を聞き警戒する。


「どうして?そんなの決まってるじゃねぇか!俺様が優秀だからだよ!ついこないだ力が大きすぎて誰も使えないから上からって回ってきたんだ、この魔剣がな!そして俺は適合したって訳だよ!」


「適合しただと?お前程度がその剣に適合できる訳がないだろ。その剣は使うな。『魔剣』と呼ばれる代物だぞ、ただじゃ済まない」


「お前程度?ただじゃ済まない?さっきから上から目線で気に入らねぇな!俺が本当の適合者である事をその身をもって味わいなぁ!」


 ドイルが勢いよく剣を振り上げ地面を斬りつける。

 辺り一帯に砂埃が舞い、フツバからドイルの姿が見えなくなる。

 ドイルには見えていなかった筈だがこれはフツバが隊士達にした小細工と同じだ。

 ドイルは気付かぬ間にフツバに皮肉な事をしていた。


(何処だ?何処から来る?一切の殺意が感じられない。これも魔剣の御加護かよ)


 フツバは全身に注意を張り巡らせる。

 僅かな足音が背後から聞こえる。

 その音に即座に反応し振り向く。

 しかし遅い。

 剣の速度、強さ、全てが先ほどまでとは比にならない。

 フツバは腹が裂かれる僅か10cm程の所で剣を受け止める。


「惜しかったか。流石に三星の名は馬鹿になんねぇか。」


 ドイルは余裕の笑みを浮かべる。

 フツバは必死で言葉を交わす余裕もない。

 次の瞬間魔剣に力が加わる。


(ヤバイッ!)


 先程までとは打って変わりフツバが勢いよく飛ばされる。

 ライラ達のいる横のテントまで吹き飛ばされる。

 テントは崩れフツバに降り注ぐ。


「フツバ!」


 ライラがフツバに近づこうとする。

 


「来るな!」


 フツバが大声でライラを止める。

 

「今ので分かっただろ?この剣を持った俺とお前では格の差があるんだよぉ。諦めてお姫さま渡して、俺を昇格させてくれると助かるんだがなぁ?」


 ドイルがフツバを哀れむかのような目で笑う。


「確かに今の俺とお前では格の差があるな」


 フツバが小さく返答する。


「そうだよ。分かるだろ?だったら」


「でもなぁ!」


 フツバが語気を荒げて遮る。


「お前は勘違いをしてる」


「あ?」


 ドイルは予想だにしない返答に顔を顰める。


「力に分があるのは俺の方だ」


 フツバの八重歯が光って見える。

 フツバはニヤリといつもの表情で笑っているとライラには分かった。

 そして何故か安心してしまう。

 フツバが勝つのだと思ってしまう。

 ライラからはフツバが不利な状況なのにも関わらず。

 フツバが立ち上がりアトラの方を見る。


「アトラ、お前もう動けるだろ」


 フツバがアトラに喋りかける。

 アトラはもう息は上がっていない。


「はい、何とか」


「それじゃあお前のカバンの中に入ってる、機械でお前だけ先に飛んで逃げろ。橋は壊して来たから機械の数的に逃げれるのはお前だけだ」


「何故機械がもう直ってる事を⁉︎」


「今はその話をするべき時じゃないとにかくお前だけ逃げろ」


 アトラは戸惑い、迷った末に覚悟を決める。


「分かりました。後でちゃんと聞かせてもらいますが、私だけ逃して何をしろと?」


 アトラが自分だけ逃す意義を問う。


「俺たちを逃す方法を探せ。方法は自分で考えろ」


「はい?」


 アトラが驚きの返答に聞き返す。

 この危機的状況に何を言っているのかアトラには分からない。


「ここでお前にヒントだ。ヒントは俺のヴェーラが結合、つまり物体をくっつけれるって事とそれが空中でも使えるって事。これ以上は自分で考えろ。相手に行動がバレたら元も子もないからな」


 フツバは危機的状況だからアトラに考えさせるのだ。

 作戦を会って一週間も経たない少女に任せるのは肝が太すぎるというものだ。


「あなたの考えは理解は不能ですが分かりました。私が逃げ道はどうにかします。フツバさんは目の前の敵に集中して下さい」


 アトラが力強い声でフツバに言い放つ。


「任せたぞ、天才さん」


 その言葉にアトラが笑いながら答える。


「はい、天才にお任せあれ」


 その態度は会った時と変わらぬ何処から湧いてくるのか分からない自信に満ち溢れている。

 お互いに目を一瞬合わせ不敵に笑い合う。

 その後すぐにアトラがカバンからフツバと戦った時に壊れたはずの機械を7つほど出し、それぞれに縄のような物をくくり付ける。


「それで何キロぐらい持てる?」


「そうですね。45持てたら良い方ですかね」


「45か…姫さんギリギリだな」


「何であんたが私の体重知ってんのよ⁉︎」


 ライラがサラッと出た言葉に驚く。


「それも後だ。準備が出来たらそれで姫さんの方を迎えに来てくれ。それが合図だ。分かったな」


「はい、分かりました。それまでにあの男を片付けておいて下さいよ」


「あぁ、そっちは任せとけ」


「それでは、」


「あっ、あとネジだけ数本置いてってくれ」


 飛び立とうとしたアトラを引き止める。


「ネジですか?分かりました」


 ネジを置いたあとアトラが機械にぶら下げられながら向こう岸に飛んで行く。

 ライラはアトラを不安そうに見つめている。


「最後のお喋りは終わったか?オトメ・フツバ」


 ドイルがガサツに喋りかける。


「いや、最後じゃないから終わってないって所だな。ていうか、待っててくれたんだ。優しいねぇ、そういう変なところは」


「最後だからと思い、待ってやっただけだ。お前も罪人とは言え元騎士だ。別れの挨拶ぐらい待ってあげるってのが筋だろ。まぁ、往生際が悪いのは嫌いじゃない」


「それはこっちのセリフだけどね」


 ドイルとフツバが殺意を睨みぶつけ合う――否、魔剣を持ったドイルとフツバと表すべきだろう。

 ライラはそれをただ不安そうにさっきまでより更に離れて見つめている。

 ドイルvsフツバの3ラウンド目の火蓋が今ここに切られた。

読んで頂きありがとうございました。

という訳で今回も需要がよく分からん後書きと前書きを書いている訳ですが、これは質問が来たときように書き続けるだけなので無視してくれても構いません。

今回はギリギリ回復したアトラと分担することになりましたね。

ネジは何の為に置かせて行ったのでしょうか。

こっからもフツバが強強さんって事が分かって頂けると思います。

まぁ、五英傑の弟子の名は伊達じゃないって事ですね。

それではまた次話でお会いしましょう。

ちなみに途中出てきた「ヒント」という言葉の意味はアトラは雰囲気で理解しただけです。

後、一回目が通常ドイルにフツバが勝ったので、二回目がフツバが魔剣を持ったドイルに吹き飛ばされたのですね。

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