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二章前編12話 ガロノドイル

今回の話は隊長格との戦いです。

相手とフツバの強さなどを表現できればと思っています。

さぁ、前回吹き飛ばして終わった男はどうなっているのか?

 大柄な男が吹き飛びテントが崩れる。

 フツバが近くにいた騎士を一撃で気絶させる。

 男を遠くまで投げ邪魔にならないようにする。

 その間にライラはアトラに駆け寄る。


「大丈夫⁉︎酷い怪我!こんな小さい子にこんな事するなんて許せない!」


 アトラを大事そうに抱えながらライラが怒りを露わにする。

 フツバも近付き屈んで落ちていた帽子を埃を払い、優しく被せてあげる。


「ごめんな、遅れた。まさかここまで酷い仕打ちとはな。隊長ともあろう奴がする事とは思えねぇな」


 フツバが隊長の飛んだ方向を睨む。


「ど、どうして助けに来たんですか?」


 アトラがカスカスの声で質問する。


「あっ?逆に護衛を頼まれた人を置いて逃げる護衛なんていると思うか?」


「ですが、、、私の髪を見たんですよね⁉︎私は桃色の髪何ですよ⁉︎悪魔の髪何ですよ⁉︎」


 アトラが目に涙を浮かべながら軽蔑してこないフツバに怒鳴る。


「だからなんだよ。別に隠して事してたのなら俺たちだって指名手配犯って事隠してたんだしお互い様だろ。というよりもこっちの方がヤベェだろ。髪の色と実は指名手配犯でしたじゃ衝撃のレベルが違う」


「だけど桃色なんですよ⁉︎」


「だからなんだよ?それが助けない理由にはならなさ過ぎるだろ」


「そうよ、桃色だから何なの?私にはよく分かんないけど」


 ライラもフツバの意見に不思議な顔で大賛成する。

 そこに男の乾いた絵の具のようなカサカサな声が割り込んでくる


「なるほど、なるほど。やっとアイツが言ってた意味が分かった。全く最初からお構いなしに一発かましてくるとは流石だ!」


 男が汚い賞賛をフツバに送る。


「ライラ姫に三星オトメ・フツバか。おもしれぇじゃねぇか。この二星最強のガロノドイルの相手にとって不足なし」


 男が崩れたテントの中から笑いながら立ち上がる。

 その様子を見てフツバも警戒し、立ち上がる。

 男の視線とフツバの視線がぶつかり合い火花を散らす。


「ニ星?なるほど、悪くない相手だ。ガロノドイル、俺だけが相手だが満足してくれよ」


 ガロノドイルが腰から剣を抜く。

 それに合わせてフツバも剣を構える。


「姫さん、アトラ連れて下がっててくれ。諸々の事は後でだ。今はアトラと周りを見ててくれるだけでいい。コイツは俺がやる」


 フツバがライラに後ろに引くように促す。

 ガロノドイル、ここからはドイルとでも呼ぶ事にしよう。

 ドイルも剣を構える。

 体格はフツバより二回りほど大きく、フツバが一般的には不利になるだろう。

 緊迫した空気が漂う。

 

「今度はこっちが吹き飛ばしてやんよ、クソガキー‼︎」


 ドイルが先に仕掛ける。

 大きく振りかぶった一撃が地面を削り取る。

 勿論フツバは軽く避ける。

 フツバが腹に一撃斬撃を決める。

 それをドイルが剣で防ぐ。 

 ドイルが反撃を仕掛けようとする。

 しかしもう目の前には勢いよく飛んでくるフツバの両足があった。

 顔面に両足蹴りを無防備に喰らう。

 またもやドイルがさっきと同じ場所に吹き飛ぶ。

 

「つ、強い」


 僅かに出来た余裕でアトラはフツバの戦いを見て驚きを隠しきれず呟く。

 あの体格差の男にいとも簡単に打ち勝ったのだ。

 アトラの想定を大きく上回った強さだ。


「そうでしょ、私も最初はとってもびっくりしたわよ。今となってはもう慣れたけどね」


 ライラもそこまで会ってから長くないのに先輩風を吹かせながら話す。


「私と戦った時も中々な動きでしたが今回のはレベルが違う」


「そうね、これがフツバの本気?って言っていいと思う…わ」


 どんどん自信がなくなっていく。

 ライラにもフツバの本気は計り知れない。

 いつも余裕の笑みで戦っていて本気のほの字も素人のライラでは感じられない。


「どうだ!市民に体を売らせるクソ隊長が。隊長格の風上にも置けないようなやろうには両足蹴りをくらっとくのがお似合いだ」


 フツバが大声でドイルを煽る。

 フツバの知っている隊長からはかけ離れたドイルに怒りを向ける。


「流石、流石。三星とニ星では格が違うな。まさか二回も吹っ飛ばされるとはな。一回目は不意とはいえ確実に避けれない威力と速度の突き。それを何とか鎧で耐え、二回目は顔面に両足蹴りとは笑えるな」


 ドイルにとって圧倒的ピンチの場面でドイルは余裕を見せてまだ笑っている。


「何がしたい?」


 フツバが矛盾した行動を訝しむ。


「へっ、使うなら今しかねぇって所だな」


 ドイルが立ち上がる。

 しかしドイルが持っている剣は先ほどまでとは別の物だ。


「何だ、それは?」


 初めて見るその剣を不思議がると共に警戒する。

 その剣は周りに殺意を振りまいている。

 濃密な殺意だ。


「これは魔剣カシマだ。手にした者の殺意を跳ね上げ戦闘能力を数倍に跳ね上がらせる剣だ。それはニ星と三星の差なんて一瞬で埋めちまうぜ」


 ドイルが不敵な笑みを浮かべる。

 未知数な物にフツバもゴクリと息を飲んだ。

読んで頂きありがとうございました。 

今回はフツバの圧勝でした。

ですが最後に謎の魔剣が出てきました。あれが一体どれほど影響を及ぼすのかはお楽しみに。


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