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二章前編7話 桃色の髪

今回から前書きか後書き、又は両方を書こうと思います。ここではその話の前もって知っておいて欲しい設定や、裏話を書けたら思っています。今回は前話の続きではなく前話と同じ時間帯の事だと思って下さい。


「フゥ、今日は疲れました」


 誰も居ない部屋で独り言を呟く一人の少女。

 部屋に荷物を置き、作業器具をまとめている。


「特にやりたい事もないですし、お風呂に入って時間まで少し寝ましょうか。時間の夜の11時まであと3時間ほどありますから準備万端で行けるでしょうね」


 廊下で喋っていた時のテンションとは真逆でとても落ち着いている声色だ。

 お風呂に入るため脱衣所で服を脱ぐ。

 彼女の癖で帽子を脱ぐのは必ず最後だ。

 そのため服は前のボタンで着脱ができるようになってある。


「こんな癖を付けたくて付けた訳じゃないんだけどな…こんな忌まわしい髪さえ無ければ」


 帽子を脱ぎ、目の前の鏡に映る自分の死ぬほど恨んだ桃色の髪を掻き毟る。


「こんな物!こんな物!」


 桃色の髪が生えている頭を自分で叩く。

 分かっていた、こんな事しても何も変わらない事も全て分かっている、だがこんなにも理不尽な世の中に少女が一人で耐えれる筈もない。


「あの人達も今は優しいけど気付いたらどんな反応するだろうか…」


 人に掌返しされる所は何度も見てきた。

 優しい人も目が見えない人さえ皆が嫌うのだ、この桃色の髪を。

 こんな事は少女にとって、アトラにとっては日常茶飯事だ。

 毎日のようにこの髪色を恨む。

 気持ちを落ち着かせ風呂に入る。

 髪は乱暴な扱いをしているせいでボロボロになってしまっていて、長さもバラバラだ。

 風呂で日課とも言える、もし気付かれて引かれたり虐められた時の対処をありとあらゆるパターン考えた後風呂から上がる。

 帽子を被り、服を着てベットに寝転ぶ。

 もう9時30分になっていた。ベットに横たわり目を閉じ、軽く眠る。

 アトラは少ない睡眠時間で充分な体質なのだ。

 体内時計で1時間ほど経った時に目を開ける。

 10時35分と殆どズレがない。

 身体を起こし用意をする。

 騎士団のテントまでは歩いて行けば20分ほどで着くだろう。


「5分前に着いても問題ないでしょうし、行くとしますか。ここで受かれば、生活も一時的に安定もしますしあの人達に借りも返せる。あの人達は良い人だ。私には……する事はできない。寧ろ、あの人たちと居た方が居心地がいいかもしれませんね。でもそんな事私には許されない。……あぁ、もうダメダメ。しっかりして笑顔で行かなきゃ印象が悪い」


 一部分が聞き取れない。

 アトラが気合いを入れる。

 アトラは借りた分をすぐに返す為に頑張らなくてはいけない。

 いつ別れる事になるかは分からないのだから。

 念のため全ての荷物を持っていく。

 どんな無理難題にも対応する為に。

 部屋を出て二人が泊まっている部屋を横切り、外に向かう。

 フツバが気付くのはその25分後の事になる。

読んで頂きありがとうございました。短かったですが、アトラについて詳しく書くのはもう少し後になります。この話はライラが一人で妄想してドキドキしてる横で起きていた事を書きました。アトラにとっては独り言を言うのは当たり前の事です。桃色の髪とは一体何なんでしょうか?なんとなく想像はついたと思いますが、明確に書くのもアトラの事と同様にもう少し後になります。次の話は整備士とは何の事かが分かります。それでは次の話で会いましょう

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